水元伸二さんの作品。天リフギャラリーFB分室へのご投稿です。2019年、1月18日〜10月14日までの、世界各国の惑星観測者が撮影した木星の大赤斑付近の姿を、239コマのアニメーションで再現した労作です。

木星の縞は、赤道付近とその南北で反対側に回転しています。この3つの「ジェット気流」の南側の中にある「台風」のようなものが大赤斑。複雑な渦と乱流を目の当たりにすると、木星という巨大なガス惑星の不思議が伝わってきます。

追記2019/10/22 作者の水元さんよりご指摘があり、上記説明は科学的に適切でないため、記事末に補足説明を追加しました。水元さん、ありがとうございました。

元ファイルがかなり大きいので、こちらのサイトではサムネイルのみのご紹介ですが、クリックするとGoogleDriveのアニメGIF(約34MB)が開きます。少し重いですが、ぜひごらんになってみてください。

https://drive.google.com/file/d/1gv9Std8ymo4w_tZ45MU1TUeHheO5Nr3N/view

年々縮小していると言われている大赤斑ですが、2019年は大赤斑に大きな動きがあった年でした。アニメーションを見ると5月23日ごろに、大赤斑を取り巻くSEB(南赤道縞)のリングが、大赤斑を削って引きはがすような動きをしているのがわかります。

このときには「大赤斑は消失してしまうの?!」と騒がれましたが、結局今は落ち着いているようですね。

大赤斑とその縮小の歴史・4/8 木星が衝

大赤斑の縮小の歴史については、こちらの天リフ記事もご参照ください!

追記)木星の縞と大赤斑について

堀川邦昭さん作成

木星は約10時間で一回転(自転)していますが、その速度は木星上の「緯度」によって異なっていて、赤道付近で速く、その南北で遅くなっています。

小口径の望遠鏡で見られる木星の2本の「縞」を「Belt(ベルト)」と呼びますが、ベルトの赤道側では自転速度が速く、極側では遅くなっています。

さらに、それぞれの中にも「ジェットストリーム」という交互になった多くの流れがあり、異なる速度で自転しています。その違いをグラフにしたものが上の図です。

このため、木星上のある部分を「止めて」見ると、相対速度の差により「反対側に」回っているように見えますが、「反対側に回っている」という表現は正確ではありません。

堀川邦昭さん作成

大赤斑は、木星の南側のベルト(南赤道縞)と南温帯縞の間に位置しますが、これは地球の台風(低気圧)とは異なる「高気圧性」の嵐(南半球で反時計回り)です。

木星は、地球のような岩石の惑星と全く異なる様相を呈しています。木星上の現象を、「台風」「ジェットストリーム」のような地球上の気象現象を表す言葉で表現するのは適切ではありませんでした。

まだまだわかっていないことが多い木星ですが、より詳しくは以下の記事などをご参照ください。

Wikipedia 木星
https://ja.wikipedia.org/wiki/木星

 

 

https://reflexions.jp/tenref/gallery/wp-content/uploads/sites/3/2019/10/d3d0e5ec7c751c8c6083641e04075916-1024x538.jpghttps://reflexions.jp/tenref/gallery/wp-content/uploads/sites/3/2019/10/d3d0e5ec7c751c8c6083641e04075916-150x150.jpg編集部新着惑星水元伸二さんの作品。天リフギャラリーFB分室へのご投稿です。2019年、1月18日〜10月14日までの、世界各国の惑星観測者が撮影した木星の大赤斑付近の姿を、239コマのアニメーションで再現した労作です。 木星の縞は、赤道付近とその南北で反対側に回転しています。この3つの「ジェット気流」の南側の中にある「台風」のようなものが大赤斑。複雑な渦と乱流を目の当たりにすると、木星という巨大なガス惑星の不思議が伝わってきます。 追記2019/10/22 作者の水元さんよりご指摘があり、上記説明は科学的に適切でないため、記事末に補足説明を追加しました。水元さん、ありがとうございました。 元ファイルがかなり大きいので、こちらのサイトではサムネイルのみのご紹介ですが、クリックするとGoogleDriveのアニメGIF(約34MB)が開きます。少し重いですが、ぜひごらんになってみてください。 年々縮小していると言われている大赤斑ですが、2019年は大赤斑に大きな動きがあった年でした。アニメーションを見ると5月23日ごろに、大赤斑を取り巻くSEB(南赤道縞)のリングが、大赤斑を削って引きはがすような動きをしているのがわかります。 このときには「大赤斑は消失してしまうの?!」と騒がれましたが、結局今は落ち着いているようですね。 http://reflexions.jp/tenref/orig/2017/04/07/160/ 大赤斑の縮小の歴史については、こちらの天リフ記事もご参照ください! 追記)木星の縞と大赤斑について 木星は約10時間で一回転(自転)していますが、その速度は木星上の「緯度」によって異なっていて、赤道付近で速く、その南北で遅くなっています。 小口径の望遠鏡で見られる木星の2本の「縞」を「Belt(ベルト)」と呼びますが、ベルトの赤道側では自転速度が速く、極側では遅くなっています。 さらに、それぞれの中にも「ジェットストリーム」という交互になった多くの流れがあり、異なる速度で自転しています。その違いをグラフにしたものが上の図です。 このため、木星上のある部分を「止めて」見ると、相対速度の差により「反対側に」回っているように見えますが、「反対側に回っている」という表現は正確ではありません。 大赤斑は、木星の南側のベルト(南赤道縞)と南温帯縞の間に位置しますが、これは地球の台風(低気圧)とは異なる「高気圧性」の嵐(南半球で反時計回り)です。 木星は、地球のような岩石の惑星と全く異なる様相を呈しています。木星上の現象を、「台風」「ジェットストリーム」のような地球上の気象現象を表す言葉で表現するのは適切ではありませんでした。 まだまだわかっていないことが多い木星ですが、より詳しくは以下の記事などをご参照ください。 Wikipedia 木星 https://ja.wikipedia.org/wiki/木星    読者の傑作画像をピックアップ