寺崎正勝さんの作品。天リフギャラリーFB分室へのご投稿です。

はくちょう座・北アメリカ星雲のメキシコ・中米付近のクローズアップです。シグナスウォール(Cygnus Wall)と呼ばれるこの付近は様々な星間物質が濃く分布していて、複雑な形状の暗黒星雲の中で活発な「星形成」が起きています(*)。

(*)へび座わし座のM16星雲の中に見られる「創造の柱」も同じような星形成領域です。

Takahashi TOA130NF + Starlightxpress SX-814 Hα:OⅢ:SⅡ 各15分×5コマ 計225分露出

この作品は、水素(Hα,波長656nm)、酸素(OIII、波長496,500nm)、硫黄(SII、波長672nm)の輝線スペクトルのみを通す「ナローバンドフィルター」を使用して疑似カラー合成されたものです。酸素と硫黄の輝線は、肉眼ではともに濃赤色に見えますが、水素を緑色、硫黄を赤色に割り当てることで(*)、星間ガスの分布の違いが色の差として可視化されています。

(*)酸素は青色です。このような色の割当て方は「ハッブルパレット」と呼ばれています。

水素(Hα)、酸素(OIII)の輝線は比較的明るく広く分布していて写しやすいのですが、硫黄(SII)の輝線は弱く、シグナスウォールのような「特別」な領域以外ではあまり写ってくれません。しかし、このような形でカラー合成する際には「3つ目の色」として非常に重要な役割を果たします。ディープスカイの微細構造を色彩豊かに捉える「ナローバンド撮影」の真骨頂といえるでしょう。

https://reflexions.jp/tenref/gallery/wp-content/uploads/sites/3/2019/08/61dd63e5becb172fb24c74f874f420f8.jpghttps://reflexions.jp/tenref/gallery/wp-content/uploads/sites/3/2019/08/61dd63e5becb172fb24c74f874f420f8-150x150.jpg編集部散光星雲寺崎正勝さんの作品。天リフギャラリーFB分室へのご投稿です。 はくちょう座・北アメリカ星雲のメキシコ・中米付近のクローズアップです。シグナスウォール(Cygnus Wall)と呼ばれるこの付近は様々な星間物質が濃く分布していて、複雑な形状の暗黒星雲の中で活発な「星形成」が起きています(*)。 (*)へび座わし座のM16星雲の中に見られる「創造の柱」も同じような星形成領域です。 この作品は、水素(Hα,波長656nm)、酸素(OIII、波長496,500nm)、硫黄(SII、波長672nm)の輝線スペクトルのみを通す「ナローバンドフィルター」を使用して疑似カラー合成されたものです。酸素と硫黄の輝線は、肉眼ではともに濃赤色に見えますが、水素を緑色、硫黄を赤色に割り当てることで(*)、星間ガスの分布の違いが色の差として可視化されています。 (*)酸素は青色です。このような色の割当て方は「ハッブルパレット」と呼ばれています。 水素(Hα)、酸素(OIII)の輝線は比較的明るく広く分布していて写しやすいのですが、硫黄(SII)の輝線は弱く、シグナスウォールのような「特別」な領域以外ではあまり写ってくれません。しかし、このような形でカラー合成する際には「3つ目の色」として非常に重要な役割を果たします。ディープスカイの微細構造を色彩豊かに捉える「ナローバンド撮影」の真骨頂といえるでしょう。読者の傑作画像をピックアップ