JILVA-170の追尾精度

JILVA-170ですが、ようやくファーストライト。

チャリで5分の自宅近くの海岸で。
EOS6D(SEO-SP4)と328の組み合わせで、目標であるノータッチ2分歩留まり80%が達成できるかの検証です。

JILVA-170のウォームホイルの歯数は216枚。288枚(訂正しました)
ウォームギア起因のピリオディックモーションの周期は60/9=7分弱60/12=5分になります。



EOS6D(SEO-SP4) EF300mmF2.8L IS
F3.2 60sec ISO1600
JILVA-170ノータッチガイド 等倍トリミング
まずは60秒露出で9コマ。
合格!!
最後のコマが少し流れているのはレリーズケーブルに触れたせいと思われます。



EOS6D(SEO-SP4) EF300mmF2.8L IS
F3.2 120sec ISO1600
JILVA-170ノータッチガイド 等倍トリミング

続いて120秒露出で5コマ。
これも合格!!
最初のコマが少し流れていますが、残り4枚はほぼ点像。
厳しく見ると赤経方向にわずかだけ星像が延びているようにも見えますが、
全く問題ないでしょう。



EOS6D(SEO-SP4) EF300mmF2.8L IS
F2.8 120sec ISO400
JILVA-170ノータッチガイド 等倍トリミング

対象を変えて120秒をもう1セット。
ぎょしゃ座の勾玉星雲付近です。

こちらはちょっと流れていますね。
画面上では斜めに流れていますが、垂直の方向なので、
カメラが重みでたわんだのかも知れません。

今回のシステムは、
レンズと赤緯軸がアルカスイスプレート経由の1点止めなので、
そこが弱点になっているのでしょうか。
ここは強化を考えなくてはいけないかも。

いずれにせよスカイメモRSによるサドル付近の作例と比較すると精度は段違いです。
駆動系の追尾精度としては300mmでは十分と言えるでしょう。
むしろそれ以外のガイドエラーの要素に注意が必要ですね。

特に、今使っているカメラ三脚は天体用には強度不足。
少し風が吹くとこまかなブレを拾ってしまいます。
輝星周辺がいびつなのはこれが原因かも知れません。



おまけ。
望遠+6Dはフラット要りそうですね。
EOS6D(SEO-SP4) EF300mmF2.8L IS
F2.8 120sec ISO400
JILVA-170ノータッチガイド Light×5

勾玉星雲付近をコンポジットしてみました。
強調してみるとこのとおり・・・ひどいムラです。

前回のサドルではあまり気にならなかったのですが、
6Dは、camara rawで周辺減光を補正しても、
望遠ではミラーボックスのケラレがけっこう大きいです。

さすがにこのムラはフラット当てないと補正が難しそうです。


ノイズの可視化・デジタルカメラノイズ考(2)

天体写真におけるノイズはどんなものなのか?
経験者には言わずもがななのですが、わかりやすく視覚化してみました。

上の動画は、例の縞ノイズ馬の首星雲の80コマから、一部を等倍切り出しして動画にしたものです。
同じ場所に見えているものが「パターンノイズ」、時間とともにムラムラ湧いては消えているのが「ランダムノイズ」です。
また、時間とともに天体がずれていきますが、これはガイドズレ。
オートガイドしていたので、正確に言うとガイド鏡と鏡筒本体のズレ。
160分とはいえ、こんなにずれているのはこれはこれで問題・・
Camera raw現像でホットピクセルをかなり消せているはずなのですが、それでもけっこう残っていますね。
Hαのナローなので、色によるホットピクセルの判断ができないことも理由かも知れません。
この動画を見るといろいろ疑問が湧いてきます。
よく見ると、縞ノイズが出た画像にある顕著な縞と、ホットピクセルの位置が一致しません。
ホットピクセルの影響は実はないようにも思えます。
(シグマクリップしているので、普通に考えると消えるはず)
かといって、大域的なノイズ成分は動画上からはよくわかりません。
なんでだろう・・・
次回に続きます。

縞ノイズ・デジタルカメラノイズ考(1)

Lightフレーム・Darkフレーム・Flatフレームを

それぞれ多数枚撮影しコンポジットする。

Deep Sky天体撮影の基本中の基本ですが、
最近このアプローチに若干疑問を感じることがあります。
その結果、
現在自分はLightフレームオンリーという手法でやっているわけですが、
その件の掘り下げはさておき、
デジタルカメラで発生する「ノイズ」にはどんなものがあるか、
体験事例を挙げてみたいと思います。

EOS5D初代 ISO1600 F4 30sec
DPPでraw現像、露出補正+3EVのみ
まず、1枚撮りで現れる縞ノイズ。
作例は初代EOS5Dで撮影したものです。
このカメラは、ISO800あたりから、暗部に顕著な横縞ノイズがでます。
天体ばかりでなく、一般撮影でもシャドー部に出るため、ずいぶん叩かれていました。
この画像のヒストグラム。
なんだかギザギザしてますね^^;
推測ですが、Digicの暗部処理アルゴリズムに問題があったか、
センサーの低照度特性に縞状のムラがあったのでしょう。

EM-5 F2.8 5sec ISO25600
新しめのカメラである初代OM-D(EM-5)
ISO25600とはひどい意地悪ですが、縞ノイズが顕著です。
OM-Dはセンサーサイズが小さいのでノイズが多いのは
仕方ないのですが、健闘の部類でしょう。
新型ではかなり良くなっているらしいです。


この手のノイズは、最新の機種である5D3や6Dで、
ほどほどのISO値にすれば、もはや問題になりません。
EOS5D3 ISO3200 F2.8 20sec
DPPでraw現像、+2EV露出補正のみ
EOS5D3の場合。
同じような条件ですが、縞ノイズは感じられません。

ピクセル等倍。ランダムなノイズは感じられますが、規則性のあるノイズがぱっと見では感じられません。

最新世代のカメラでは、縞状のパターンノイズは天体撮影ですらほぼ問題のないレベルにまで改善されているというのが実感値です。
縞ノイズを補正するためにダークやフラットを適用する必要は、最新世代のデジタルカメラでは、もはや必須ではないといえるのではないでしょうか。

ところが、最近の多数枚コンポジットでは、別の「縞ノイズ」が問題になってきました。
α7S 2min×80 Dark*20 Flat*40
見事なまでの斜め縞ノイズ
泣けてきますね^^
原因と考察はリンク先に書いていますが、
ホットピクセルやダークの過補正によるドットレベルのノイズ成分が、
ガイドズレの方向に縞模様を形成してしまうのが原因です。
この問題の特効薬がディザリング(Dithering)なのですが、
次回に続きます。

JILVA-170インプレッション(6)電源

JILVA-170インプレッションシリーズ最終回は、電源まわりです。

写真の右の穴が電源プラグ。センタープラスです。
何と呼ぶのかは知らないのですが、直径5.5mmの丸いやつです。
JILVA-170の良い所は電圧の自由度が高いこと。
4V〜12VまでOK。
カーバッテリー系の12Vも使えますし、USB5Vからの給電も可能。
こちらは片側がUSBの付属の電源コード。今の時代、USB給電は必須機能。
上のモバイルバッテリは最近入手した3.6V/6700mAh(24.12Wh)のものですが、
問題なく動作しました。
丸一日動かしても目盛一つしか減りませんでした。余裕すぎです。
こちらは付属の単三電池ボックス。
単三アルカリ6本で一晩持つそうです。
USB給電可能なのは当然として、電源には予備を一つ持っておきたいものです。
これはありがたい。
というわけで、6回に渡りJILVA-170を見てきました。
328でノータッチ2分露出歩留まり80%が実現できれば、
JILVA-170は「現時点での」最高の使い勝手の写真赤道儀のひとつになると思います。
何と言っても「オートガイド(すら)不要」なんですから。
(ちなみに、ガイドの合格基準は等倍拡大で星像の扁平率が0.2以下くらい)
いろいろ垂れたい与太話はあるのですが、まずは使ってから。
早く実戦投入したくてうずうずしています^^

JILVA-170インプレッション(5)極軸合わせ

JILVA-170の極軸望遠鏡はSWATシリーズと同様の外付け型(別売)となっています。
自分はポラリエの極軸望遠鏡を所有していたので、取付金具のみ欲しいとお伝えしたところ、
無料で取付金具を製作いただけました^^

ポラリエ極望を装着したところ。
JILVA本体に1/4インチネジが四カ所切ってあり、
ローレットネジで適当な場所に装着できます。

ポラリエ極望はかなり出っ張るので、
テレスコープイースト・ウエスト切替の際にベンチアームと干渉してしまいます。
そのときは一旦外して、付け直すしかありません。

例の「ナンチャッテ極望」だと干渉しないのかな?
もしそうなら、そっちの方がいいかも。


特製ワンオフポラリエ極棒用プレート。
SWAT純正のものよりシンプル^^
一見薄く見えますが厚みは5mmで強度は十分。
上のビスを手で回して固定します。

右下に見えるのは、重力センサー式(w)の簡易高度目盛。
高度微動の可動範囲が大きくないので、
高度をざっくり合わせるには必須のアイテム。

その右の「Peephole」は文字通り覗き穴。
これで北極星を中心にいれてだいたいの極軸合わせができます。




本体と接合する部分の面積が小さいように感じたのですが、
理由は赤経軸のクランプとの干渉を回避するため。


「Latitude」と書かれた円盤が重力センサー。
シドニーと東京はわかるのですが、
もうひとつがなぜニューヨークなのか聞いてみたいですね^^

20度のところにも引き出し線がありますが、
何て書かれる予定だったのでしょう?


極軸合わせ用の覗き穴。
ポラリエのよりも視野のエッジがはっきりしていて覗きやすいです^^


ポラリエ極望と、取付金具の接合部。
極軸望遠鏡の一つのキモは、
赤経軸と極軸望遠鏡の平行をいかに保証するかですが、
このパーツでは、円筒部との勘合部の精度ではなく、
取付金具の平面部とポラリエ極望のフランジ部の接合で保つ考え方です。

固定ネジを強く締めてもフランジ部の接合が安定するわけではないので、
この接合部を「ぴったり」と圧着させるには別の工夫が必要になります。


というわけで間に合わせの輪ゴムで圧着。
パンツのゴムか、もうちょっとマシなものを調達せねば。

今回のインプレッションは外見だけでしたが、
実際にどの程度極望の取付精度が出るかについては、
引き続き検証してみたいと思います。

ちなみに、JILVA-170の極軸合わせに対する設計思想は、
少し長いですが以下のスレに詳しいです。
http://ikura.open2ch.net/test/read.cgi/sky/1426429355/9i
http://ikura.open2ch.net/test/read.cgi/sky/1426429355/10i

次回は電源系の予定です。