JILVA-170インプレッション(1)
まず目を引くのが巨大な円盤。
直径162mm、歯数288の巨大なウォームホイルを採用しています。
その目的はただ一つ、追尾精度を上げること。
同じ工作精度であれば、追尾の誤差はホイルの径に比例して良くなります。
この「約170mmのホイル」を出発点にデザインされた赤道儀と言えるでしょう。
JILVA-170の追尾誤差は4秒角以内。これは出荷時に実機で計測しているそうです。
300mmレンズだと0.007mm、7μです。1000万画素のカメラの1ピクセル分くらいでしょうか。
スカイメモRSと並べてみました。
162mmのウォームホイルを格納する円周部の径は185mmくらいとでかいです。
ポラリエやSWATのように、カメラバッグに入れられる大きさではありません。
収納、運搬には一工夫いりそうですね。
JILVA-170の重量は3.9キロ。
でも、極軸微動部込みなので、実運用上は嵩も重さもスカイメモRSとさほど変わらなくなります。
高精度で定評のあるSWAT-350(ホイル径106mm、歯数210)が極軸微動装置を含めると3.3キロですから、
3.9キロという重量はホイル径の差ほどはないと言えるでしょう。
JILVA-170に328を搭載してみました。
付属の「ベンチバー」と手持ちのあり合わせの部品の組み合わせ。
まずはこの構成で試写してみようと思っています。
スカイメモRSでは、1分露出で歩留まり25%くらいだったのですが、
それをどのくらい越えてくるかが楽しみです。
JILVA-170については、引き続き詳細のレビューや実写結果を掲載していく予定です。
Commented by HUQ at 2015-11-08 09:07 x
やっと届きましたか!
おめでとうございます。
製品版の写真を見るのは初めてですが、極望ステー穴位置や可動ノブが向きによってパネルに引っ掛かるのを防止するための傾斜したシリアルナンバープレート等、指摘した点が改良されていることを確認できました。
とりあえず今は天候も悪いことですし、USB充電器を繋いで丸1週間ほど、順行24倍速で回し続けてください。3~4日目ぐらいからギア音が変わってくると思います。このエージングによってP-Motionの微妙な凹凸が滑らかになります。
私は使っていない間も四ヶ月ほどえーじんぐを続けましたが、一ヶ月目以降はP-Motionに殆ど変化はありませんでした。
ノータッチガイド運用となると極望が鍵ですが、同社の「ナンチャッテ極望」を確実に固定するためのステーの図面を昨日受け取りました。Taさんと半年以上議論し続けて到達した最終案をベースにしたもので、これを使えば2時間以上ガイドして赤緯方向に10秒角しかズレないほど、高精度に極軸を合わせられます。
付属のベンチアームは非常に強度が高く良いですが、少々重めです。
今、市販のものより格段に強度が高いアルカクランプを試行中です。
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これは最初の試作品。
3点留めのネジが1本長すぎてターンテーブル回んなくなっちゃったんで2本留めになってますが、今はネジ長短いのに変えて3点留めになってます。
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こっちは今使ってる状態です。
見ての通りベース部が分厚く(1.5cm)、市販クランプとは比べものにならないほど強度があります。
垂直バーが20cmほどのジンバル雲台に、6~7kgほどの機材を取り付けていますが、鏡筒の先を手で揺らしてみても、クランプとターンテーブル間で浮きが発生する様子はありません。
暗闇でターンテーブルの可動クランプと間違いそうだったので、ノブスターの五角ノブに交換しました。
Commented by HUQ at 2015-11-08 09:41 x
できれば、方位微動の押し押しネジが押している部分の写真を見せていただけませんか?
また、方位微動の支点はシッカリ締め込んでおいてください。
定期的に増し締めしたほうが良いです。輸送時の振動などで頻繁に緩むようであれば、六角ネジに換装して締め込んでも良いです。
支点をシッカリ締めても、方位微動が操作できないほど堅くなることはないと思います。
支点を南側にもってくる案もあったのですが、極望を見ながらの極軸調整時に微動ネジが遠くなること、支点ネジの増し締めがやりにくくなることから、今回は見送られたようです。
高度微動は緯度30~50°ぐらいまで対応しています。
(左右の傾斜アームとベース部を固定する4本のネジを緩めて粗調整します。)
それより低緯度、高緯度地方に持って行く場合は、Taさんに相談してください。
波照間ぐらいであれば、三脚の北端脚を少々短くすることで十分対応可能です。
簡易傾斜計(緯度計)の滑りが悪いときは、傾斜計の円盤とJILVAの間に、プラスチックワッシャを2枚ほど入れてみると滑りが良くなります。使用の際は傾斜計を留めるネジを緩めにしてください。
高度微動ネジは、機材を載せない状態で昼間に動作の原理を確認しておいてください。
小ねじ部をひたすら緩め続けると、小ねじとJILVA本体を繋ぐネジが脱落します。このとき上に高度微動支点ネジが緩んでいて、上に重い機材を載せていると、JILVA全体が北側にドンと傾き、転倒する恐れがあります。
普通は小ねじをひたすら緩め続けることは無いので問題は起きないと思いますが、緯度が大きく異なる地方に遠征する際は、事前に小ねじが抜け落ちることが無い程度まで大ネジを調整しておいたほうが安全です。
Commented by HUQ at 2015-11-08 09:50 x
連投すみません。
極望ステーを固定するネジと、ターンテーブル上のバーが干渉しないか、事前に確認しておいてください。
極望ステー固定ネジをローレットの大きなものに換装する場合は、干渉に気をつけてください。
ステーを表面に付けるのは、JILVA円盤部の製造工程上、表面と赤経軸との垂直性が非常に高いためです。
ここに厚手のステーを取り付ければ、内蔵極望と同等以上の精度で赤経軸とナンチャッテ極望光軸を一致させられます。
今付属のステーは1点ネジ固定だと思うので、ステー自体とナンチャッテ極望の対物セル面を完全に密着させることが難しいと思います。
この留めねじを締めるより、100均等で売ってる細い手芸ゴム紐等で、接眼部の溝を使ってステーに押しつけるように固定したほうが密着します。
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折角完璧に光軸が出ている「ナンチャッテ極望」ですが、ピントリングが対物側にあることもあり、固定が難しいのが難点でした。
私も開発中のステーが出来るのが待ち遠しいです。
HUQさん いろいろ情報、ご教唆ありがとうございます。
渾身の(?)レビュー続編書きました。
この後、ベンチアーム、極望と続く予定です^^