Lightフレーム・Darkフレーム・Flatフレームを

それぞれ多数枚撮影しコンポジットする。

Deep Sky天体撮影の基本中の基本ですが、
最近このアプローチに若干疑問を感じることがあります。
その結果、
現在自分はLightフレームオンリーという手法でやっているわけですが、
その件の掘り下げはさておき、
デジタルカメラで発生する「ノイズ」にはどんなものがあるか、
体験事例を挙げてみたいと思います。

EOS5D初代 ISO1600 F4 30sec
DPPでraw現像、露出補正+3EVのみ
まず、1枚撮りで現れる縞ノイズ。
作例は初代EOS5Dで撮影したものです。
このカメラは、ISO800あたりから、暗部に顕著な横縞ノイズがでます。
天体ばかりでなく、一般撮影でもシャドー部に出るため、ずいぶん叩かれていました。
この画像のヒストグラム。
なんだかギザギザしてますね^^;
推測ですが、Digicの暗部処理アルゴリズムに問題があったか、
センサーの低照度特性に縞状のムラがあったのでしょう。

EM-5 F2.8 5sec ISO25600
新しめのカメラである初代OM-D(EM-5)
ISO25600とはひどい意地悪ですが、縞ノイズが顕著です。
OM-Dはセンサーサイズが小さいのでノイズが多いのは
仕方ないのですが、健闘の部類でしょう。
新型ではかなり良くなっているらしいです。


この手のノイズは、最新の機種である5D3や6Dで、
ほどほどのISO値にすれば、もはや問題になりません。
EOS5D3 ISO3200 F2.8 20sec
DPPでraw現像、+2EV露出補正のみ
EOS5D3の場合。
同じような条件ですが、縞ノイズは感じられません。

ピクセル等倍。ランダムなノイズは感じられますが、規則性のあるノイズがぱっと見では感じられません。

最新世代のカメラでは、縞状のパターンノイズは天体撮影ですらほぼ問題のないレベルにまで改善されているというのが実感値です。
縞ノイズを補正するためにダークやフラットを適用する必要は、最新世代のデジタルカメラでは、もはや必須ではないといえるのではないでしょうか。

ところが、最近の多数枚コンポジットでは、別の「縞ノイズ」が問題になってきました。
α7S 2min×80 Dark*20 Flat*40
見事なまでの斜め縞ノイズ
泣けてきますね^^
原因と考察はリンク先に書いていますが、
ホットピクセルやダークの過補正によるドットレベルのノイズ成分が、
ガイドズレの方向に縞模様を形成してしまうのが原因です。
この問題の特効薬がディザリング(Dithering)なのですが、
次回に続きます。

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