湯淺光則さんの作品。台風21号により大規模な停電が続く関西圏。都会の中からも天の川が見られました。ふだんは2等星すら見えない環境だそうです。


北海道では先日の地震で停電が今も続いていて、札幌市内などで天の川がよく見えた、という写真を各所で目にしました。熊本の地震、東日本大震災でも、停電によってふだんよく見えなかった星空が現れ、多くの人にさまざまな形で強い印象を残したと聞いています。

さらに古くは、戦時中の灯火管制の暗闇の中での星空の描写があります。

「警戒管制の暗闇で、江戸時代の夜でもこうは暗くなかったろう……息を詰めている頭の上で、天の川が銀色の煙幕を引いたように輝いて、仲間の鉄かぶとにもその光が映っていた。あまりに明るくて、全市がそれに曝(さら)されていると思うと、不気味なくらいだった」(野尻抱影氏の著作より)

星月夜・毎日新聞「余録」から

この一枚の写真の中には、灯っている光の中にも灯っていない闇の中にも、多くの人の息づかいがあります。そして、その上には変わることなく輝く星たちが。その中には、生活がその基盤ごと強く揺さぶられたときにはじめて感じる何かがあるかのようです。

現代の社会に生きる私たちにとっては、電力網は生活の基盤を支える大切なインフラ。できるだけ早期に回復し、日常の生活が戻ってくることを望むばかりです。

そして、星好きたちは再び街の灯りからフィールドに逃れ、一般の人たちは街灯りの中でそれぞれの日常に帰ってゆくことでしょう。自然の猛威によって失われてしまったものの記憶を胸に刻みながら・・・

 

 

停電の街に現れた天の川https://reflexions.jp/tenref/gallery/wp-content/uploads/sites/3/2018/09/6eb3bc71764b032f7eb29a5cfd76e97f-1024x724.jpghttps://reflexions.jp/tenref/gallery/wp-content/uploads/sites/3/2018/09/6eb3bc71764b032f7eb29a5cfd76e97f-150x150.jpg編集部星景都市湯淺光則さんの作品。台風21号により大規模な停電が続く関西圏。都会の中からも天の川が見られました。ふだんは2等星すら見えない環境だそうです。 北海道では先日の地震で停電が今も続いていて、札幌市内などで天の川がよく見えた、という写真を各所で目にしました。熊本の地震、東日本大震災でも、停電によってふだんよく見えなかった星空が現れ、多くの人にさまざまな形で強い印象を残したと聞いています。 さらに古くは、戦時中の灯火管制の暗闇の中での星空の描写があります。 「警戒管制の暗闇で、江戸時代の夜でもこうは暗くなかったろう……息を詰めている頭の上で、天の川が銀色の煙幕を引いたように輝いて、仲間の鉄かぶとにもその光が映っていた。あまりに明るくて、全市がそれに曝(さら)されていると思うと、不気味なくらいだった」(野尻抱影氏の著作より) http://reflexions.jp/tenref/orig/2017/06/07/727/ この一枚の写真の中には、灯っている光の中にも灯っていない闇の中にも、多くの人の息づかいがあります。そして、その上には変わることなく輝く星たちが。その中には、生活がその基盤ごと強く揺さぶられたときにはじめて感じる何かがあるかのようです。 現代の社会に生きる私たちにとっては、電力網は生活の基盤を支える大切なインフラ。できるだけ早期に回復し、日常の生活が戻ってくることを望むばかりです。 そして、星好きたちは再び街の灯りからフィールドに逃れ、一般の人たちは街灯りの中でそれぞれの日常に帰ってゆくことでしょう。自然の猛威によって失われてしまったものの記憶を胸に刻みながら・・・    読者の傑作画像をピックアップ