田中忍さんの作品。天リフギャラリーFB分室へのご投稿。地球最接近直後、2/14早朝の岩本彗星(C/2018 Y1)、しし座のNGC2903との接近です。

2019年2月14日4時5分 長野県下條村 TOA130NS with 35RD D810A ISO4000 240s 一枚撮りを50%程度のトリミング

4分間の露出時間ですが、彗星の動きが非常に早く、線状に延びて写っています。日本ではこの後夜明けになってしまったのですが、岩本彗星はNGC2903のすぐ横を通過していきました。

7時の方角に「イオンテール」と8時の方角に「ダストテール」の2本の尾が淡いながらも見えています。イオンテイルは太陽風によって彗星から太陽の反対側にまっすぐ延びてゆくのに対して、ダストテールは彗星軌道面に沿って緩く拡散してゆくためです。

昨年のウィルタネン彗星の時もそうでしたが、地球に大きく接近する彗星は太陽・地球・彗星の位置関係が短時間で大きく変わるため、イオンテールとダストテールの「角度」がめまぐるしく変わります。下記の記事の画像のように、この2日前の2/12には、両者の角度は120度ほどもありました。

岩本彗星C/2018 Y1があす13日に地球最接近

あと1週間ほどは月が大きい時期が続きますが、今週末からは再び撮影・観測のチャンス。月末にかけてぎょしゃ座の勾玉星雲を通過してゆきます。光度は急速に暗くなりますが、それでも2月26日で8等級。天の川と赤い星雲の中にぼんやり光る青緑色の彗星はよい撮影対象となることでしょう。

https://reflexions.jp/tenref/gallery/wp-content/uploads/sites/3/2019/02/0218tanaka-1024x777.jpghttps://reflexions.jp/tenref/gallery/wp-content/uploads/sites/3/2019/02/0218tanaka-150x150.jpg編集部彗星田中忍さんの作品。天リフギャラリーFB分室へのご投稿。地球最接近直後、2/14早朝の岩本彗星(C/2018 Y1)、しし座のNGC2903との接近です。 4分間の露出時間ですが、彗星の動きが非常に早く、線状に延びて写っています。日本ではこの後夜明けになってしまったのですが、岩本彗星はNGC2903のすぐ横を通過していきました。 7時の方角に「イオンテール」と8時の方角に「ダストテール」の2本の尾が淡いながらも見えています。イオンテイルは太陽風によって彗星から太陽の反対側にまっすぐ延びてゆくのに対して、ダストテールは彗星軌道面に沿って緩く拡散してゆくためです。 昨年のウィルタネン彗星の時もそうでしたが、地球に大きく接近する彗星は太陽・地球・彗星の位置関係が短時間で大きく変わるため、イオンテールとダストテールの「角度」がめまぐるしく変わります。下記の記事の画像のように、この2日前の2/12には、両者の角度は120度ほどもありました。 http://reflexions.jp/tenref/orig/2019/02/12/7998/ あと1週間ほどは月が大きい時期が続きますが、今週末からは再び撮影・観測のチャンス。月末にかけてぎょしゃ座の勾玉星雲を通過してゆきます。光度は急速に暗くなりますが、それでも2月26日で8等級。天の川と赤い星雲の中にぼんやり光る青緑色の彗星はよい撮影対象となることでしょう。読者の傑作画像をピックアップ