梨本閑流さんの作品。天リフギャラリーFB分室へのご投稿です。「少ない枚数なので無理矢理強調しないで控えめにしました」とコメントされているとおり、淡い部分をあぶり出すわけもなく、Hαの赤い部分を攻めた訳でもない、シンプルなM31です。

個人的な話をして恐縮なのですが、筆者は先日大小さまざまな口径の天体望遠鏡でM31をじっくり眺める機会がありました。眼視で観るM31は中心部こそ明るく輝いているものの、大口径で見たとしても写真の映像にはとうてい及ばない頼りないぼんやりとした光です。それでも、双眼鏡で見るシミのようなM31から、60cmオーバーの大口径で見るはっきりと腕のわかるM31まで、それぞれに美しい姿を見せてくれました。

ただのぼんやりとした光芒を「美しい」と思うかどうかは、一般的には大きな個人差があります。星見を特に趣味としない一般の人なら「ふーん」という感想が大半でしょう。しかし、筆者を含めて一部の人たちにとってはそれは変わらぬ未知なる宇宙との出会いであり、飽きることのない新鮮な体験になります。

天体写真もそれと同じ面があるのではないでしょうか。高性能の光学系とカメラで技術を駆使して極限まで描き出したM31の姿は、一般の人にも大きなインパクトを与えますが、「撮って出し」に近いシンプルなM31も、一部の人たちにとっては同じく変わらぬ宇宙との新鮮な出会いとなります。

私たち天文ファンは、なぜ星を見上げ、写真に撮り、より大きな望遠鏡を手にし見てたいと願うのでしょうか。この作品にはその動機の出発点にある何かが含まれているような気がします。

https://reflexions.jp/tenref/gallery/wp-content/uploads/sites/3/2019/12/aa7193453eb96844a84e807db8c4435b.jpghttps://reflexions.jp/tenref/gallery/wp-content/uploads/sites/3/2019/12/aa7193453eb96844a84e807db8c4435b-150x150.jpg編集部新着銀河梨本閑流さんの作品。天リフギャラリーFB分室へのご投稿です。「少ない枚数なので無理矢理強調しないで控えめにしました」とコメントされているとおり、淡い部分をあぶり出すわけもなく、Hαの赤い部分を攻めた訳でもない、シンプルなM31です。 個人的な話をして恐縮なのですが、筆者は先日大小さまざまな口径の天体望遠鏡でM31をじっくり眺める機会がありました。眼視で観るM31は中心部こそ明るく輝いているものの、大口径で見たとしても写真の映像にはとうてい及ばない頼りないぼんやりとした光です。それでも、双眼鏡で見るシミのようなM31から、60cmオーバーの大口径で見るはっきりと腕のわかるM31まで、それぞれに美しい姿を見せてくれました。 ただのぼんやりとした光芒を「美しい」と思うかどうかは、一般的には大きな個人差があります。星見を特に趣味としない一般の人なら「ふーん」という感想が大半でしょう。しかし、筆者を含めて一部の人たちにとってはそれは変わらぬ未知なる宇宙との出会いであり、飽きることのない新鮮な体験になります。 天体写真もそれと同じ面があるのではないでしょうか。高性能の光学系とカメラで技術を駆使して極限まで描き出したM31の姿は、一般の人にも大きなインパクトを与えますが、「撮って出し」に近いシンプルなM31も、一部の人たちにとっては同じく変わらぬ宇宙との新鮮な出会いとなります。 私たち天文ファンは、なぜ星を見上げ、写真に撮り、より大きな望遠鏡を手にし見てたいと願うのでしょうか。この作品にはその動機の出発点にある何かが含まれているような気がします。読者の傑作画像をピックアップ