塚原誠さんの作品です。天リフギャラリーへのご投稿です。

eos80D+SIGMA18-35 F1.8 35㎜(換算55㎜) iso3200 f2.8 60s 30枚コンポジット

撮影:塚原誠様

 

海から昇る銀河の、海から少し上、海を入れない星野写真。1コマ60秒の追尾撮影で30枚をコンポジットすることで、天の川の無数の星々と複雑に入り組んだ暗黒星雲が精細に表現されています。

ぜひ「脳内」で、海の風景を思い浮かべながらご鑑賞ください。春の明け方に昇る天の川を追いかけている星景・天体写真ファンにとっては、この角度の天の川の印象はご経験の中に焼き付いたそれぞれの記憶があることでしょう。

この作品は、非改造のAPS-C一眼カメラとシグマのズームレンズ18-35mmF1.8Artの組み合わせで撮られたものです。

フルサイズ」と「天体改造」、この2つは星景・天体撮影愛好家にとって憧れでもあり、呪縛でもあります。経験の深いベテランに「本格的に撮影するにはどんなカメラがいいのか?」と質問すると「(当然)フルサイズの改造機(しかない)でしょう」という答えがしばしば返ってきます。

センサーは大きい方がよい。これはある意味真理です。センサーサイズが大きいほど、多くの光(=情報)をとらえることができ、ノイズも少なくなります。フルサイズとAPS-Cのセンサー面積の差は約2倍。この差は物理法則に支配される以上、厳然として存在します。

一方で、センサーサイズが大きいほど、カメラは重く高価になり、レンズに要求される性能要件も上がり、レンズを含めたトータルの価格と重量は跳ね上がります。

その差を2倍のセンサー面積差と比べてどう評価するか。限られた予算の中でどうやって「楽しみの総量」を最大化するのか。そこをいろいろと工夫し考えることも天体写真の醍醐味の一つではないでしょうか。

この作品に即して言えば、追尾撮影である時点で、APS-Cの弱点?は露出時間を倍にすることでカバーできます。また、実売8万円の換算27-55mmF1.8というシグマArtレンズは、星景・天体用途ではまさにAPS-C最強。このレンズはもっと多く使われてもよいと感じています。

「天体改造」については長くなったのでまた別の機会に。
また、撮影者の塚原様はフルサイズの6Dも導入され、「×2作戦」で楽しみの総量を倍にされていることを付記しておきます^^;;

https://reflexions.jp/tenref/gallery/wp-content/uploads/sites/3/2018/03/0321tsukahara-1024x683.jpghttps://reflexions.jp/tenref/gallery/wp-content/uploads/sites/3/2018/03/0321tsukahara-150x150.jpg編集部深宇宙星野天の川,夏の銀河塚原誠さんの作品です。天リフギャラリーへのご投稿です。 撮影:塚原誠様   海から昇る銀河の、海から少し上、海を入れない星野写真。1コマ60秒の追尾撮影で30枚をコンポジットすることで、天の川の無数の星々と複雑に入り組んだ暗黒星雲が精細に表現されています。 ぜひ「脳内」で、海の風景を思い浮かべながらご鑑賞ください。春の明け方に昇る天の川を追いかけている星景・天体写真ファンにとっては、この角度の天の川の印象はご経験の中に焼き付いたそれぞれの記憶があることでしょう。 この作品は、非改造のAPS-C一眼カメラとシグマのズームレンズ18-35mmF1.8Artの組み合わせで撮られたものです。 「フルサイズ」と「天体改造」、この2つは星景・天体撮影愛好家にとって憧れでもあり、呪縛でもあります。経験の深いベテランに「本格的に撮影するにはどんなカメラがいいのか?」と質問すると「(当然)フルサイズの改造機(しかない)でしょう」という答えがしばしば返ってきます。 センサーは大きい方がよい。これはある意味真理です。センサーサイズが大きいほど、多くの光(=情報)をとらえることができ、ノイズも少なくなります。フルサイズとAPS-Cのセンサー面積の差は約2倍。この差は物理法則に支配される以上、厳然として存在します。 一方で、センサーサイズが大きいほど、カメラは重く高価になり、レンズに要求される性能要件も上がり、レンズを含めたトータルの価格と重量は跳ね上がります。 その差を2倍のセンサー面積差と比べてどう評価するか。限られた予算の中でどうやって「楽しみの総量」を最大化するのか。そこをいろいろと工夫し考えることも天体写真の醍醐味の一つではないでしょうか。 この作品に即して言えば、追尾撮影である時点で、APS-Cの弱点?は露出時間を倍にすることでカバーできます。また、実売8万円の換算27-55mmF1.8というシグマArtレンズは、星景・天体用途ではまさにAPS-C最強。このレンズはもっと多く使われてもよいと感じています。 「天体改造」については長くなったのでまた別の機会に。 また、撮影者の塚原様はフルサイズの6Dも導入され、「×2作戦」で楽しみの総量を倍にされていることを付記しておきます^^;;読者の傑作画像をピックアップ