Hαのナローバンドをベイヤー配列のデジタルカメラで撮影する場合、

RGGBの4つの素子のうち、実質的にはRしか機能しません。
このため、Deep Sky Stacker(DSS)には「Super pixelモード」という
ものがあって、4つのRGGB素子のピクセルを一つのピクセルにまとめて
しまうことができます。
Hα撮影を始めたころ、抽象画のようなとんでもないスタック結果が
出てしまったことがあって、以来この「Super pixelモード」を使用して
きました。
しかし・・・・
検証してみると、ファイルサイズが小さくなる以上のメリットはなく、
逆にデメリットのほうが多いではないかとの仮説を持つに至りました。
FSQ106ED 530mmF5 α7s(改) ISO3200 BaardarHα7nm
Light 2:30×20(50min total) D×15,F32,FD32

左がsuper pixelモード200%表示、右が通常モード100%等倍です。
DSSの出力ママで特に調整はしていません。
解像感、ノイズ感ともに大差です。これでは、super pixelモードを選ぶ理由がありません。

もう一つ問題があります。
DSSの星認識の差です。

通常モードの星認識結果 閾値8%

DSSは自動で星の位置を検出して多数枚の画像をコンポジットしてくれるのですが、
実際にどの星が星として認識されたかを表示することができます。
(右下のアイコンのピンクの手裏剣のようなボタン)

通常モードの場合、このように画面全体に平均的に認識してくれていました。

super pixelモードの星認識結果 閾値3%

ところが、super pixelモードの場合、
「何故か」このように画面の左上が極端に少なくなっています。
理由は思いつきません・・・なぜなんでしょう??
左上は地平線に近い位置なので星が少ない??

光害地のHαでの撮影の場合、画面内の星の数が極端に少なくなるため
DSSの位置合わせの誤動作が発生しやすいのではないか?
と推測しているのですが、
だとすると星認識にこのようなムラがあると何らかの悪影響が
ありうるのではないでしょうか。
ナローバンドでのDSSスタックは、いつもがっかりする結果が多く、
かなりめげていました。
抽象画に始まり、星がにじんだり流れたり、うまくいっても
ザラザラ、つぶつぶになってしまうのです。
左:jpeg1枚画像(100%) 右:20枚スタック結果(Super pixel200%)
スタックなしのカメラ内jpeg現像画像と、rawの20枚スタックを比較してみました。
何なんでしょう・・・スタックした方がノイジーではないですか。
ダーク・フラットが合ってないのでしょうか??
検証は続きます。

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