ポラリエを強化しつつ、自宅ベランダからどこまで撮れるかにチャレンジ中。
デジタル時代の天体写真の革新の最大のものの一つである「コンポジット」と「光害カットフィルター」を使えば、街中でもそれなりに星が撮れる。

EOS-M EF300mmF2.8LIS 絞り開放、IS1600,10秒、DSSで4枚スタック、Astoronomik CLSフィルター、ポラリエで追尾、自宅ベランダにて。

コンポジットとは、短い露出時間の写真を(別に長くてもいいのだが)多数合成して平均すること。
イメージセンサーのノイズが平均化され、画像処理で微妙な明暗差をあぶりだせるようになる。
自分は定番ともいえるDeepSkyStacker(通称DSS)を使用している。位置合わせを高速に自動的にやってくれる。
コンポジットの威力は絶大。星がちゃんと見える場所で撮影された写真とは比較にならないものの、フィルム時代と比較すると写りはいい勝負だし手軽さでは圧勝。

この写真は、ピント合わせや対象の導入で手間取ってしまった上にカメラの電池切れで4枚スタックしかできなかったが、さすがの328、4枚スタックで下の200mmの40枚スタックと同じくらい。次回は100枚くらいスタックしてみたい。


EOS-M EF200mmF4LIS 絞り開放、IS1600,15秒、DSSで40枚スタック、Astoronomik CLSフィルター、ポラリエで追尾、自宅ベランダにて

200mmで40枚スタック。総露出時間10分。
街中でもコンポジットの効果は絶大。観賞用にはほど遠いが、それなりに楽しめるものが撮れそう。

街中での星撮りに威力を発揮するのが「光害カットフィルター」。この効果も絶大。
水銀灯や蛍光灯、ナトリウムランプは、特定の波長の光を強く出している(輝線スペクトル)が、それをピンポイントでカットしてくれる。
いくつかのところからいろいろなタイプの製品が出ているが、自分は、特に改造が不要で簡単にボディの中にセットできる、Astronomik CLSフィルター EOS Mを使用している。


EOS-M EF200mmF4LIS 絞り開放、IS1600,15秒、Astoronomik CLSフィルター、スタックなし、ポラリエで追尾、自宅ベランダにて。

スタックなしの1枚もの画像(レタッチ後)。
まるで幽霊のよう。ノイズもすごい。
自分はまだ試行錯誤中なのでこれが良い方法かどうかはわからないが、以下のフローで撮影・コンポジットしている。

  1. Rawで撮影。カメラの長時間ノイズ低減ON。(露出時間分のダーク画像をカメラが自動減算する)
  2. DPPでトーンカーブを補正、レンズ収差補正(周辺減光100%)、ノイズ緩和処理後、jpeg保存
  3. DSSでコンポジット、TIFF出力
  4. TIFF画像をDPPでカラーバランス補正、トーンカーブ補正

この方法の場合、純正レンズならダークもフラットも不要になるのでだいぶ工程が楽になる。
DPPでレタッチするのは、単に自分が慣れているからというだけの理由だが、4.の工程は天文用の画像処理ソフトでもうすこしちゃんとやってみたい。まずは背景の色味をニュートラルに揃えたい。

EOS-M EF200mmF4LIS 絞り開放、IS1600,15秒、スタックなし、Astoronomik CLSフィルター、ポラリエで追尾、自宅ベランダにて。

レタッチなしの1枚画像。フィルム時代の感覚でこれ一枚だけ見たら自宅なんぞで撮る気をなくすが、デジタルの技でそれなりのものになるのが凄い。



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