今年の夏は石垣・信州と、撮影三昧でしたが、

原村で66cmドブで見たM57の印象が強烈で、
網膜に宇宙の刺激を与えるべく、C8を積んで眼視メインで久住に出撃。
C8XLT +α7S SIGMA24mmF1.4Art解放
手持ちコリメート、ISO10万、動画から切り出し

実は今回やってみたいことがありました。
α7Sでのライブビュー観望(=電視)です。
α7Sで動画モードでISO10万くらいにすると、
眼視で見たのと同じくらい(色つきになるところは眼視以上)に
星空を「観望」できるのです。


C8XLT SWAN40mm 50倍
α7S+SIGMA24mmF1.4による手持ちコリメート方式


夏から秋の星雲星団の動画をまとめてみました。
手持ちコリメートなのでブレブレですが、
眼視で見た見え方とほぼ同じ、しかも色つきです。
C8は口径が200mmあるもののF10と暗い光学系なのですが、
50倍のアイピースをつけて24mmレンズでコリメート方式にすれば、
合成F値は24*50/200=6.0となって、まあまあの明るさ。
動画には入っていませんが、らせん星雲がかすかに確認できるくらいです。
もっと大口径のドブでこれをやれば、
凄い映像がリアルタイムで見られるのではないでしょうか。
α7S EF300mmF2.8LIS
これはもっと明るい300mmF2.8レンズでの動画。
北アメリカ星雲がばっちり。
改造機なのでカラーバランスが変ですが・・・
(カスタムホワイトバランスを設定すればもっと自然になります)
α7Sの動画観望のノウハウについては、
このブログにも時々コメントをいただいているHUQさんに
色々教えていただきました。
北アメリカの撮影の際は、
Facebookメッセージでリアルタイムでヘルプしてもらいました^^
ありがとうございました!
リアルタイム動画観望の「臨場感」「ライブ感」は、
百聞は一見にしかずです。
思いのままに空に望遠鏡を向けると、
モニターいっぱいに溢れた星がリアルタイムで見えるのはもちろん、
雲間から星が姿を現すところとか、ちょっと感動的です。
さらに、HUQさんによると、
多くの人と「同時に」星空を共有できるライブ感が
素晴らしいそうです。
動画によるライブ観望は、
これまでと違った「観望エンターテイメント」に
なりうるのではないでしょうか。
「電視」とは、HUQさんの造語です。
なかなかいい語感なので、これからライブビュー観望を「電視」と呼びたいと思います。

(9/14追記)
Youtubeで見つけた、40cmドブ+α7Sによるタランチュラ星雲です。
さすが40cmになると素晴らしい映像ですね!
W部さん、CANP2016ではお世話になりました^^

(c) 2016 渡部幹則


途中から電視に夢中になってしまい、
肝心の眼視観望はメジャー天体を一巡りしただけでした–;
でも、天体によってはLPS-V4がO3以上に眼視適性が高いことを
確認できたのは大きな収穫でした。
以下、観望記録です。
  • 北アメリカ星雲
今回初めてまともに視認できた。明るいメキシコ半島部分とフロリダ湾の暗い落ち込みを頼りに見るのがポイント。C8の50倍ではメキシコ半島が視野いっぱい。
  • 網状星雲
フィルターなしでも楽勝だが、LPS-V4フィルターを使うと微光星がO3ほど落ち込まずほどよく背景が暗くなりちょうどいい感じになる。次回はIC1340の細かな広がりにも注視してみたい。
  • M57
さすがに原村で見た66cmドブでのようには見えないが、やっぱり美しく神秘的。リングの周囲がオレンジっぽく見えるのは相変わらず。うーん先入観なのか、その通りなのか。すごく暗い空で50cm級でもう一度見てみたい・・
  • M27
亜鈴状の光芒が若干ざわついているようにも見えるが、20cmでは光芒が大きくなっただけでM57より地味な感じ。電視だと一転して赤と青の色の対比が美しい。
  • M22
光度が低い分、M13より黄色っぽく感じられる。星がびっしり、電視では眼視の感覚そのままでこれまた美しい。
  • M13
M22より一回り大きく、少し青みを感じる。50cm級で見てみたい・・きっともっと凄いんだろうな。
  • M11

50倍だと視野いっぱい。星の密度は球状星団並みだが、星の集まり方が四角っぽい。

  • らせん星雲

大きい。視野いっぱい。リング状というよりも、中央が少しくらい円盤のように見える。電視ではかすかだが、色は赤色。暗部の光検知能力は眼視が上だが、色検知能力はカメラの圧勝。カメラの感度がもう4倍になると、すごいことになるだろう。

  • NGC253
M82に匹敵する存在感。ざわざわした濃淡が写真のイメージにそっくり。
  • M33
暗くて淡くて、50倍では大きすぎ。それでも渦巻きっぽい濃淡が確認できる。電視では暗くてちょっと力不足。
  • M31
中心部はすごく明るく輝いている。腕の暗黒部がすぱっと切れ込んでいる。明るいので中心部を確認してそれっきりになってしまった。次回は時間をかけてじっくり周辺部まで見てみよう。

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