全国100万人の元天文少年・少女の皆さん、こんにちは!
今からでも遅くない!天文趣味を再開してみては?
機材も技術も様変わり!昔の「夢」がすべて実現した現代!
天文趣味の醍醐味は不変!末永く楽しめる!
今をさること40年前の昭和の時代、「天体望遠鏡」は少年少女の憧れのシンボルでした。ショーウィンドウの向こうにある白く輝く天体望遠鏡に胸ときめかせていた少年少女も、いつの間にか人生の半ばを越えて子供達も大きくなり、「これからの人生、何かオモシロイ趣味はないかなー」なんて考えられているのではないでしょうか!
そんな「元天文少年・少女」のみなさん!今からでも遅くはありません。昭和の時代とくらべて、現代の天文趣味はスゴイことになっているんです!あの頃夢のまた夢だった、高性能の天体望遠鏡はびっくりするほど安くなり、IT技術で劇的な進化をとげています。昔の「パロマ天文台」が撮影した驚愕の宇宙の映像だって、デジタルカメラで手軽に撮れるようになっているのです。
この記事では「子供の頃に宇宙に興味があった」「元天文少年・少女」のために、今の天文趣味がどんなスゴイことになっているのか、今から天文趣味を再開するとどんな楽しいことがあるのかをご紹介します!
浦島太郎が驚いた!天文趣味のイノベーション
劇的に高性能・低価格になった天体望遠鏡
設計・製造技術の進歩で昔よりも格段に安くてよく見える
鏡筒が短くなり持ち運びがしやすくなった
視野いっぱいに星が見られる広視野の接眼レンズ
昭和の天文少年のスタンダード機は「10cm反射赤道儀」や「6cm屈折赤道儀」でした。1976年頃で6万円前後。当時の大卒初任給の8割ほどの価格です。必死でおこづかいを貯めてなんとか手に入れて、土星の「カシニの空隙」や火星の「大シルチス」が見えた、見えないで大騒ぎしていたものです。
ところが、今「大卒初任給の8割」の予算があれば、15cmのアクロマート屈折望遠鏡が自動導入(後述)赤道儀付きで買えます。口径20cmのドブソニアン反射望遠鏡ならなんと税抜3.5万円です。大陸製品の台頭で、天体望遠鏡は安くなりました(*)。
(*)タカハシやビクセンなどの日本製の高級望遠鏡の場合、100万円を越えるプライスの製品もあります。国産品と海外品の価格差が大きいのが最近の天体望遠鏡業界の特徴です。
超高級望遠鏡の代名詞だった「フローライト」や「EDガラス」を使用した天体望遠鏡も低価格化が進んでいます。口径10cmのアポクロマート(*)屈折望遠鏡はとうとう最安値では10万円を切ってしまいました。10cm以下の小口径でも、アポクロマート屈折望遠鏡の性能は圧倒的です。月を見てもへりに青い色が付くことはなく、同一口径なら反射望遠鏡よりもよく見えるといっていいでしょう。口径8cmでもカシニの空隙は余裕でくっきりと見えます。
(*)特殊なガラス材を使用し色収差と球面収差が高度なレベルで補正された光学系。
アポクロマート化は、鏡筒の小型化(短縮化)にも貢献しています。昔は屈折望遠鏡は「とても長い」鏡筒が普通でしたが、アポクロマート鏡筒ではその半分くらいの長さになっていて、収納や持ち運びがたいへん楽になりました(*)。
(*)一般に焦点距離を短くすると収差が大きくなるため、アクロマートの時代は長焦点の製品が主流でした。口径8cmの屈折望遠鏡の場合、かつては「焦点距離1200mm=F15」がスタンダードでしたが、現代ではほぼ絶滅しています。主流は「焦点距離650mm」前後に短くなっています。
光学系の進歩は「接眼レンズ(アイピース)」でも顕著です。一番の違いは見かけ視野が広くなったこと。昭和の頃は「40度」程度が普通で、広視野を謳った「エルフレ式」でも「60度」ほどでしたが、今では70度が普通になり、広いものは110度のものまで存在します。
コンピューター制御が変えた天文機材
自動ガイドは当たり前
自動導入も当たり前
面倒は機械任せにして見ることに専念できる
昔の赤道儀は「手で微動ハンドルを動かして追尾する」ものでした。高倍率で惑星を見るときは、逃げる惑星を微動ハンドルを回して忙しく追いかける必要がありました。また、星野写真を撮影する場合は、数十分もの露出時間中ずっと十字線とにらめっこして「手動ガイド」が当たり前で、自動追尾できる「モータードライブ」装置は高嶺の花でした。
しかし、今ではモータードライブは当たり前。ない赤道儀を探す方が難しくなっています。しかも多くの赤道儀で「自動導入」まで可能になっているのです。昔しか知らない人がこれを見ると、本当にビックリします。コントローラーで天体名を指定するだけで「ギュイーーン」と動いてその方向を向くのですから。
コンピューター制御は「ガイド撮影」のやり方を根本的に変えました。CMOSカメラを装着したガイド鏡が基準星のズレを自動的に判別し、望遠鏡を正確に制御(オートガイド)してくれます。昭和の時代にも「オートガイド」のアイデアは存在したのですが、その「夢」が実現したのです。十字線とにらめっこする必要はもうなくなりました。
手軽にキレイに・デジタル天体写真
アマチュアでも「天文台クラス」の写真が撮れる
撮ったその場で星空が見られる
光害地でも天体写真が撮れる
21世紀以降急激に進化したデジタル写真の技術によって、天体写真のクオリティは圧倒的に向上しました。上の画像は昭和の時代の最高峰の天体写真集ですが、このレベルをはるかに越える天体写真を、今では普通のアマチュアが撮影しています。
上の画像は筆者が撮影したものですが、その上の「パロマ天体写真集」と比べてみてください。控えめにいってもかなり勝っています。しかも、この程度であれば現代では誰でも撮ることができるのです(*1)。天体望遠鏡や赤道儀の性能が向上したこともありますが、その多くはデジタル化の恩恵といえます。
(*1)それなりに機材への投資とオタク的努力は必要ですが、フィルム時代に比べれば楽なものです。
上の画像はカメラを三脚に固定して20秒露出しただけの写真です。特別なことはなにもしていません。普通に風景写真を撮るのと全く同じ。撮ったその場でこの画像がカメラのモニタで見られます。この作例のように、星空の条件さえよければ天体写真は誰にでも撮れる時代になっているのです。
さらに、デジタル写真では「コンポジット(*1)」やさまざまな「強調処理」をかけることで、眼で見ることのできない深宇宙の姿をあぶり出すことができます。上の画像は105mmの望遠レンズで撮影したものですが、昭和の時代では、こんな宇宙の姿は天文少年・少女はおろか、天文学者でも見たことがなかったはずです(*2)。
(*1)高感度時のセンサーの熱ノイズなどを少なくするために、複数の画像を重ね合わせる手法。
(*2)筆者が天文少年だった時代、さそり座がこんな風になっているだなんて知りませんでした!
惑星や月の拡大撮影でも、デジタル技術で圧倒的なクオリティの写真が撮れるようになりました(*)。上の左の画像はその道のエキスパートがテクニックを凝らして撮影したものですが昭和の時代なら「ボイジャー」でもないと撮れないレベルの写真です。右の画像は筆者が「なんちゃってお手軽撮影」したものですが、このレベルでもすごくないですか?
(*)高フレームレートの動画で撮影し大気の揺らぎをソフトで補正してコンポジットする、特定の周波数成分のコントラストを上げて画像を尖鋭化する、大気の屈折による色ズレを特別なプリズムで補正するなど、さまざまな技術が駆使されています。
昭和の時代から大きく進化した技術に「ナローバンドフィルター」があります。レンズのマルチコートと同じように、ごく薄い誘電体の膜をガラス面に何十層にも蒸着し、特定の波長だけを鋭く通すものです。
このフィルターを使用すると、光害まみれの都市部からでも天体写真が撮れます。天体が発する特定の波長の「輝線スペクトル」だけを取り出すことで、空の暗い場所と遜色のない画質が得られるのです。特に水素の発する赤色の「Hα線(波長656nm)」は輝度が高いため、淡い星雲でも良く写ってくれます(*)。
(*)「103aE」や「テクニカルパン2415」をご存じの方なら、どんな写真が撮れるかイメージできるかと思います。赤フィルター+フィルムの場合の感光域はせいぜい30nm程度ですが、ナローバンドフィルターの半値幅は7nm程度なので、さらに良く写るイメージです。より詳細はこちらの記事をご参照ください。
何よりも大きなデジタル化の貢献は「暗室」が不要になったことです。フィルム写真では撮影してから画像が見られるまでにはいくつもの面倒な処理が必要でした。現像液を溶かし、温度を調整してタンクに入れ、流水で水洗いし、ホコリのない場所につるして乾かす・・そんなプロセスが全くいらなくなりました。撮影後すぐにカラーの画像が見られるようになったのです。
最近ではついに動画で天の川が撮れるほどにまでなりました。高感度に強い一部のカメラでは、20fps(毎秒20コマ)で天の川が普通に撮れます。「ライブスタック(撮像した画像をその場で重ね合わせて高感度にする)」すれば、星雲星団や銀河の姿までが、リアルタイムで見られるのです。
元天文少年・少女にオススメの6つのライフスタイル
では、そんな変貌をとげた天文趣味の世界では、どんな「楽しみ方」があるのでしょうか?6つほど、典型的な「スタイル」をまとめてみました。この中にあなたに合ったスタイルがあるかも!?
一家に一台・お気楽天体観望(ご予算2万円〜)
とにかくお気軽に楽しみたい!
お手軽に天体を楽しむのに一番のオススメは、小さくてもよく見える、取り回しのしやすい天体望遠鏡を一つ手に入れること。月の綺麗な晩には、ベランダや庭に出して眺めてみましょう。木星・土星・火星はここ数年は過ごしやすい夏から秋のシーズンが見ごろです。月に1回、年に数回、こういった天体を眺めて楽しむだけでも、宇宙の中の自分を実感できるに違いありません。
大人が使える一番安くてよく見える天体望遠鏡。口径50mmの「ラプトル50」も良い製品なのですが、三脚が短く大人が使うにはちょっと姿勢が苦しくなります。
入門機のフラグシップ。やや大型で場所を取りますが、眼視観望のベストセラーです。
スマホから操作でき、自動導入・自動追尾が可能な最新モデル。鏡筒の組み合わせはいくつかバリエーションがあり、架台と鏡筒を別々に買うこともできます。
ある程度慣れてきたら、この望遠鏡を車に積んで、星がよく見えそうなところまで出かけてみましょう。最近の天体望遠鏡は焦点距離が短いものが主流なので、持ち運びしやすい上に低倍率・広視界での星空散歩に適しています。おうし座のすばるやペルセウス座の二重星団、いて座やはくちょう座の銀河など、無数のキラ星・糠星を、ぜひご自身の目で眺めてみてください。「天文少年・少女」だったころとは、また違った感じ方をするに違いありません。
カメラと三脚だけで星空を残そう・カジュアル星空写真(ご予算10万円〜)
天体写真に興味がある・あった
天体望遠鏡や赤道儀を買うほどじゃないんだけど・・
手持ちのデジイチで撮ってみたい!
「(フィルム時代の)天体写真は自分には難しすぎて、すぐに挫折してしまった」というお話をよく耳にします。確かに昔の天体写真は撮影から現像・焼き付けまで、大変な作業でした。しかもフィルムの感度は低くてあんまり写らないし^^
でも、最近のデジタルカメラは昭和の時代と比較して劇的に高性能になりました。「ISO6400」のカラー写真が普通に撮れるんですよ。「エクタクローム400」の16倍の感度です。しかもレンズの性能も向上し絞り開放からでもけっこう使えるのです。エントリモデルの「キットレンズ」でもOK。そこそこ写ります。
お手軽に星空を撮りたいのであれば、赤道儀も必須ではありません。三脚にカメラを固定して、10秒〜30秒露出するだけで天の川が。撮った画像はその場でモニタで見られます。この手軽さ、楽しさ^^ ホント天国のようです^^
詳しいことは↑この記事なんかを参考にしてください!
ドームがなくてもベランダ天文台(ご予算30万円〜)
趣味なら、本気で!本格的にやってみたい!
天体望遠鏡でいろいろやってみたい
車がないので自宅からできることをやってみたい
しっかりした赤道儀とそこそこの天体望遠鏡があれば、自宅の庭やベランダでも、本格的な天体観測・撮影が楽しめます。「満天の星」が見られる条件でなくても天体望遠鏡なら楽しめる対象がたくさんあります。ベランダなら機材の持ち運びや設置も楽。雨風に注意すればある程度出しっぱなしにすることもできます。これはほとんどベランダ天文台。
このスタイルの場合、惑星や月の観察・撮影からディープスカイ(星雲・星団)の撮影まで、やれることは基本的にオールラウンド。暗い天体の眼視観望と広角レンズを使用した星空の撮影はさすがに難しいですが、天文趣味の多くの部分を自宅でも楽しめるのは大きいといえます。
満天の星を求めて星空ハンター(ご予算15万円〜)
大きくて思い機材はしんどい
星を見るなら「満天の星」の下でしょ!
星野写真が撮りたい
星があんまり見えないベランダではつまらない。やっぱり「満天の星」の下で星を見たい!撮りたい!そんな方には、「ジプシー型」のスタイルがオススメ。なるべく機材はダウンサイジングして、身軽にあちこちに出かける。星を見たり撮影したりすることも楽しいのですが「星空を探し求めて旅をする」感覚が、ベランダ天文台とはまた違った楽しさです。
そんなスタイルにオススメなのは、ポータブル赤道儀と小型鏡筒・カメラレンズの組み合わせ。上の画像はユニテック社のSWAT-310赤道儀に口径51mmの小型望遠鏡を搭載したシステムですが、手軽な眼視観望からディープな天体撮影まで広く楽しむことができます。
夢の大口径・ドブソニアンで宇宙探訪(ご予算10万円〜)
大口径で天体を見てみたい!
気楽に眺めたいけど、やるからには大きな望遠鏡でみたい
昭和の時代「夢の大口径」といえば口径30cmの反射望遠鏡でした。高価なうえに鏡筒も架台も巨大で、ドームに据え付けることがほとんど必須でした。「大きな望遠鏡で星空を見てみたい」「びっしり星の詰まった球状星団を見てみたい」「M51子持ち銀河やM101回転花火銀河の腕を見てみたい」これらはほとんど「見果てぬ夢」でした。
しかし、今では「口径30cm」は小口径の部類です。「ドブソニアン(ドブ)」と呼ばれる移動式の反射望遠鏡は、口径30cmクラスでも15万円、25cmクラスなら10万円以下で入手できます。大口径のドブで見るディープスカイの姿は格別です。まさに「大口径の暴力」。星空観望好きならもう天国のような世界です。
ドブソニアンを使いこなすにはある程度の経験と星空の知識が必要になりますが、元天文少年・少女ならたぶんだいじょうぶでしょう。天体の導入に不安があるなら「自動導入」の付いた製品もあります。
もう夢じゃない超絶の星空・星旅のススメ(ご予算20万〜)
「凄い星空」を体験したい
南十字星やマゼラン星雲が見たい
昭和の時代と比較して、海外旅行は劇的に身近なものとなりました。現在中高年の年齢層の方なら、もう数えられないほど海外渡航の経験がある方もいらっしゃることでしょう。
残念ながら小さな島国に多くの人はひしめく日本では、「完璧な星空」はほぼ完全に失われてしまいました。しかし逆に、昔よりもはるかに手軽に「超絶な星空」を求めて、国内の離島や海外に行くチャンスは広がっています。
「ものすごい星空」の下に立つと、控えめにいっても人生観が変わります。「自分は宇宙の中にいるんだ」ということを、視覚だけでなく五感全てで感じることができます。そして「(長生きして)また来るぞ!」このモチベーションが健康な老後?の支えになってくれることでしょう。
「星を見る」ことをテーマにしたエンターテイメントは、昭和の時代よりも実ははるかに一般に広まっています。オーストラリアやモンゴルなど、星見をテーマにしたパック旅行が各社から出ていて、「機材も何もないし最近のことは何もわからないんだけど・・」的な未経験者でも大丈夫。上記の星空ツアーのように、経験者が同行してナビゲーションしてくれるツアーもあります。天体望遠鏡がなくてもじゅうぶん楽しめます。
天文趣味復帰ガイド
「天リフ」を見よう
この「プロパガンダ記事(笑)」をお読みになって「ほんまかいな?」と疑問を持たれる方もいらっしゃるでしょう^^ そんな方はぜひ本サイト「天リフNews」で中高年の(*)天文趣味への熱中ぶりをごらんいただければと思います。
(*)中高年ばかりではなく、若手もたくさんいらっしゃいます^^
天文趣味を楽しんでいる方には「この道30年以上の筋金入りの元天文少年」が多くいらっしゃるのですが、近年は筆者と同じ「復帰組」も増えています。時間的にも経済的にもある程度余裕が出てきた中高年の遊びとしても「天文趣味」がどれほど楽しいものかを感じていただけると嬉しいです。
生の星空を見よう
ある程度状況がつかめてきたら、ご自分の眼でぜひ「満天の星」をごらんになってください。
昭和の時代と比較して、都市部の星空はかなり失われてしまいましたが、逆に過疎化が進む地方では、美しい星空が戻ってきつつあります。また、良くも悪くも日本全土に張り巡らされた道路交通網の整備状況は昭和時代の比はなく、相当な山奥へでも比較的短時間で行くことが可能になりました。
3大都市圏にお住まいの場合でも、車で2〜3時間走ればかなり星がよく見える場所に行くことができます。月の細い・お天気の良さそうな週末に、ぜひ星見に出かけてみませんか?天文趣味を本格的に再開するかどうかを判断するのは、満天の星と天の川を眺めてみてからでも遅くありません!
「天文雑誌」を読もう
インターネットが当たり前のものになってはや20年。新聞やテレビなどの大手メディアの品質は乱暴にいえばかなり低下しました。しかし、天文趣味のようなニッチな分野では、まだまだ「専門家が編集した雑誌メディア」のクオリティは高く保たれています。
天文趣味の再開を少しでも考えていらっしゃるなら、ぜひ数ヶ月でも天文雑誌を購読してみてください。「月刊天文(天文と気象)」「スカイウオッチャー」「星の手帖」は休刊となりましたが、「天文ガイド」と「星ナビ」の2誌は健在。広告の分量はすっかり減りましたが^^;; 今の天文界を知るよい道標となることでしょう。
ネットでつながろう
昭和の時代は、全国各地で「天文同好会」が活発に活動していました。現在ではそういった天文ファンのコミュニティはSNSにその場を広げてきています。天文趣味的にオススメなSNSはFacebookとTwitter、そしてInstagramです(*)。どちらも熱心な天文ファンが新旧入り交じって活発な活動を日々繰り広げています。
また、ブログをまめに更新されている方も多く、最新のナマの情報に触れることができます。自分と合いそうな方をみつけたら、過去記事に遡って読んでみましょう。みな、同じことで喜んだり悩んだりしていることがよくわかるはずです。
ネットの趣味コミュニティは一般的にマニア度が高くなるのですが、皆が皆マニアというわけではありません。1ヶ月ほど「ROM専」して、様子をうかがってみましょう。自分が向いていそうなコミュニティが見つかれば、たくさんの星仲間をすぐに作ることができます。わからないことは勇気を出して質問してみましょう。
天文ショップに行こう
昭和の時代と比較して、天文ショップ(天体望遠鏡専門店)は数的には大きく減少しているのですが、品揃えやスタッフの接客・商品知識のいずれにおいても、高いレベルが保たれています。スタッフは皆、天文趣味を愛しているその道の経験豊富なエキスパートばかり。これから天文趣味を再開しようとする人にとって、よい相談相手となることでしょう。
特に、現在「本格的な天体望遠鏡」のカテゴリにおいては、鏡筒・架台・アイピースなどの付属品を別々に買って組み合わせるしかありません。それぞれをバラでネットで買うことも可能ではありますが、選択肢が限られる上、適切な組み合わせを自分一人で判断するのはなかなか大変です。その意味でも天文ショップをうまく活用したいものです。
まとめ・星空のある人生で、豊かな暮らしを
いかがでしたか?
昭和の天文少年・少女は、今思えば不遇だったのかもしれません。わき上がるような好奇心と情熱があっても、満足な天体望遠鏡の選択肢は狭く、満天の星が見える場所に行くための足もなく、天体写真は面倒で大変な苦行でした。
でも、今の時代と環境であれば、ほとんどすべてのハードルはなくなっています。好奇心と興味をダイレクトにぶつけて、感じるままに楽しむことができるようになったのです。
そして、昭和の天文少年・少女になくて、いまの中高年にあるもの。それはベタにいえばお金と運転免許です。天体望遠鏡やカメラが欲しくても買えなかった。星見に出かけたくても、電車とバスを乗り継いで野宿するしかなかった。今のあなたはきっと違うはず。その気になれば今夜にでも星見に出かけられるのです!
必要なのは、ほんの少しのきっかけと投資。星空に胸とときめかせた少年・少女だった頃の純粋な気持ちにもう一度出会ってみませんか?
予告:なぜ星を見るのか?!
今回の記事は「元天文少年・少女は、なぜ星なんかを見るのか、星を見て何が面白いのか、を知っている」という前提で書きました。
何が」面白いのか
「どんな風に」楽しいのか
「どこが」好きなのか
「本当は技術的なイノベーションだけでなく、星の楽しみ方そのものの「現代風」の解釈とHowToをもっと書きたかったのですが、今回の記事ではちと荷が重く、この先の宿題とします。
追記)↓宿題、やりました!
この記事をここまで読んでいただいた「元天文少年・少女」の皆さんに一つだけ問いかけたいと思います。あなたはなぜ「ふつうの少年少女」から「天文少年・少女」に変わったのでしょうか?
この問いにすぐ答えられる人は、今すぐ星見を再開すべきです。こんな楽しい遊びを避けて通る理由はどこにもありません!
そんな人たちの背中を「ツンツン」「ドンッ!」と押すような情報を「天リフNavi」ではこれからどんどん発信していく予定です。お楽しみに!
- 文中では「天文少年・少女」としていますが、これは昨今の世の中のスタンダードに合わせたもので、当時ほとんど「少年」しかいなかった事実を歪曲する意図ではありません。
- 文中の商品名・会社名は各社の商標または登録商標です。
- 製品の価格は本記事作成時(2019年7月)のものです。
- 注記のない写真は編集部で撮影したものです。