EOS5DでM46・M47
自分の技術では背景の光害かぶりの補正がうまくできない。
光害地での撮影で淡い散光星雲を強調すると、背景が複雑な?グラデーションになってしまう。
ちょっと疲れてきたので、気分転換にM46/47を撮ってみた。
EOS5D3のクリップオンフィルターはケラレがひどいので、48mmのLPS-V4を使った。
自分なりには?がんばって斜めの光害カブリを補正したのだが、同心円形のムラが出てきてしまった。
これがいわゆる「フラットが合っていない」というやつだろうか。
原板とフラットのトーンカーブのピーク位置を合わせたつもりだったのだが。
周辺光量の極めて豊富なFSQ106EDでこうなってしまうということは、原板のSNが低すぎるのがそもそもの問題か。
赤い星雲よりも、散開星団のほうがごまかしがきかないのかも知れない。
それと、LPS-V4はRバンドの光量がかなり少なくなるのだが、Rバンドが弱い状態で強い強調をかけると、赤のノイズが目立ってしまう。
散開星団・球状星団にはLPS-P2のほうがいいのかも。
ちなみに、これが1枚撮りのraw画像、無調整。
薄明直前になると東の空にはもう春の星座が現れ始めていた。本来なら、天の赤道以北のこの天体はもっと高度が上がってから撮るべきなのだが、ベランダ的には天頂付近は撮影不可能なので東の空に低い状態で撮るしかない。
ノイズ荒れ荒れ。撮っただけの記念写真。
せめて100枚はスタックしないとだめだな。
それにしても、エキサイトブログの1ファイル500K制限は、天体写真用にはあまりにも悲しすぎる。
有料コースにしても1ファイルの制限は解除されないのはなんとかならないのだろうか。
カブリ除去、光害下で撮ってると一番大変ですよね。
私も1年近く色々なツール類を試した結果、
①原画に星マスクを掛け、輝度の高い部分を除去する
②①に対し、ガウスぼかしを大きく掛ける。
ぼかしは目を細めても被写体の形が全く判らないぐらい、大胆に大きく掛ける。
③原画を②で除算し、R/G/B のレベル補正を行う
という手順が一番良い結果を得られました。
これらの処理は、あらかたレベル調整・トーン調整・色温度調整が終わった後に行っています。
カブリ除去完了後、同じように処理した多数のコマをコンポジットして、コマ毎の処理ムラを緩和しています。
天の川のような画面内に占める割合が多い星雲も、この手順で処理しています。
ステライメージのポイント型・傾斜型カブリ補正も試しましたが、どうしてもどこかしらおかしなカブリ色が残っちゃうんですよね。
ぼかした背景を除算する方法でいくと、背景の色とりどりなカブリグラデーションがそのまま除去されるため、比較的フラットな状態を作りやすかったです。
Windows 環境での処理なので、そっくりそのまま使える訳ではないと思いますが、我流の背景除去手順をまとめました。
http://photozou.jp/photo/list/177665/8462364
OS/アプリは違っても、手順の各段階でやりたいことは通じるものがあるかと思います。
ご参考まで―
HUQさん
おお!わかりやすい手順ありがとうございます。星マスク+ガウスぼかしですか。この方法、色かぶり混じりの画像には特に有効ですね。試してみます。
Commented by HUQ at 2014-11-13 09:16 x
おはようございます。
この処理を先日とった f=500mm F5.6 SWAT-350 1軸オートガイド・三脚アジャスタによる赤緯手動修正による露出32分3枚に掛けてみたところ、思いの外多彩な発色が浮かび上がってきたので、これらを RGB 画像とし、
翌日同じシステムで ISO6400 露出30秒 300枚コンポジット画像をモノクロ化してL画像として思いっきり暗部を浮かび上がらせ、両者をLRGB合成してみました。
http://simhuq.sytes.net/astro/autoguide/Add300_col3793-lrgb2.jpg
もはや、誰もこんな環境下で撮った写真だとは思えないですよね。(笑)
http://simhuq.sytes.net/astro/autoguide/2014-11-04_01-59-28_D4_1280.jpg
HUQさん
おおっ!!これは素晴らしいですね。合計150分露出のL画像+RGB画像96分ですか。モノクロ化した長時間露出L画像を使うはいい方法かもしれませんね。
星の色がよく出てますねえ。自分が撮るとほとんど白になってしまってこうなりません。何が悪いのかなあ。
公害地での撮影、100枚程度の軟弱?スタックで満足せず、300枚、500枚と増やせば増やした分の効果がありそうですね。ベランダ撮りだと複数夜に分けないといけないですが。
ベランダでの美しい撮影風景(笑)ステキです。遠くに見える煙突?がまた渋い。プロミナー+SWAT+オートガイドのシステム構成もライトタックルな雰囲気ですね。
色は、コントラストを上げると濃くなります。
ただし、単にコントラストを繰り返し上げていくと色飽和してしまうので、レベル調整とコントラスト(というよりトーン)調整で追い込みます。
彩度は弄りません。
RAW上で白飛びちょっと手前(撮って出し Jpeg で見た目+2ev程度)まで露光したものを、LightRoom であれば「黒レベル」というパラメータをグッと下げると、途端に色が濃くなります。
この操作は、RAW 上に含まれる階調のかなり明るいところまでを切り捨て、高輝度側のごく一部の階調を極端に拡大することになるので、微妙な陰影が失われます。
残念ながらこの陰影は、同一露出の多枚数コンポジットでは補えません。
露出時間を変えたコマを多数作って、人為的に階調を増やすことは可能です。ただし、このコンポジットでは輝度ノイズの補填はできません。
なので、この方法でやろうと思ったら、
①露出を少しずつ変えたコマを多数用意
② ①のそれぞれの露出に対し、大量に同一露出のコマを用意
ということになり、撮影枚数が膨大になります。
そうするぐらいなら、低感度長時間露出で数枚撮って加算コンポジットし、ここから階調を炙り出したほうが楽だと思います。
もっとも、広大な階調を用意しても、結局はトーン調整で「暗部をあぶり出す」ときに一部の階調を捨てているワケで、「淡い分子雲の存在が判ればいいや」という目的に絞れば、高感度で撮ったものの多枚数コンポジットだけで恰好がつきます。
HUQさん
いつもご教授ありがとうございます。
暗部をあぶり出すと、高輝度部の階調が失われ色飽和するということですね。
暗部をあぶり出したものと、高輝度部の階調を優先したものをうまく合成すればいいのでしょうか。このとき高輝度部をすこしぼかすとか。
画像処理、わかっていないことだらけです。
Commented by HUQ at 2014-11-16 19:37 x
高輝度部の階調を保ちつつ暗部をあぶり出すのは、現像時に「トーンカーブ」を操作します。
http://www.gen-zo.com/technique/col_tone.html
元画像の階調の調子が、右上がりの直線です。
グラフ左側が暗部、右側が明部です。
直線上に操作点を設け、この点を上下左右に動かしてグラフの傾きを操作することで、階調の調子をコントロールします。
明るい部分を白飛びさせないようにするためには、明部に近い辺りに操作点を1つ設け、右上端と操作点を繋ぐ曲線の傾きをなだらかにします。
暗部をあぶり出すには、暗部に近い辺りに操作点を1つ設け、左下端と操作点を繋ぐ曲線の傾きをきつくします。
ある明るさの部分の色を濃くしようと思ったら、その明るさの前後に2つの操作点を設け、左側の点を下げ、右側の点を上げます。
操作点を動かすと、その影響は全体に及びます。
必要に操作点を増やしながら、明るい部分、暗い部分の調子を整えます。
操作点はだいたい2~3個ぐらいでコントロールします。
あまり数を増やすとトーンカーブが曲線ではなくなり、違和感のある画像になります。
実際に操作点を設けて動かしてみると、感覚が掴めると思います。
トーン調整で暗部をあぶり出したり、色を濃くしたりすると、ノイズが目立つようになります。
これを更にコンポジットすることにより、ノイズが目立たないようにするのです。
コンポジット枚数が多いと、各コマに対してトーン調整を行うのが大変なので、一旦原画を16枚とか64枚とかコンポジットしたものを1セットとし、1セットの画像に対してトーン調整を行い、更にこれらをコンポジットします。
HUQさん
異なるパラメータで調整した画像をコンポジットする技もあるのですね。それぞれの調整の方法や組み合わせ方のバリエーションは無限ですね(@@)
高感度多数枚L画像+低感度長時間RGB合成といい、画像処理は奥が深い・・・自分はまだスタックとかフラットとか基本中の基本で試行錯誤してます・・
ところで例のM42、SWATのブログに出てましたね!