天体撮影で望遠レンズを使用する場合、ピント合わせは超重要である。

レンズの性能・センサーの解像度や焦点面の平面性が向上したこともあり、フィルム時代では考えられないほどシビアに合わせないと、甘い星像になってしまう。
木星くらい明るい星があればAFも使えるだろうが、AF一発勝負で長時間露出して甘いピントだと泣けてくる結果になる。
(バーティノフマスクとAFでどこまで追い込めるかも試して見る予定)
よって、拡大ライブビューでマニュアルフォーカスになるのだが、最近のレンズはAF重視でMFがやりにくいことこの上ない。ピントリングが固く、ほんのわずかだけ回すことが難しい。
またもや前置きが長くなったが、そこで導入したのがK-ASTEC・汎用マイクロフォーカスアジャスタ(MFA)
三脚座にプレートを付け、ネジで微調整できるゴムバンドをレンズに押しつけてフォーカスリングを動かすもの。
この茶色い部分がピントリングのゴム溝に噛みこんで、ローレット付きのネジを回すと左右に動く。動作はスムーズ。バネが内蔵されていてバックラッシュを最小にしている。
プレートには二本のネジで固定。
ピントリングとMFAの接触面。
ゴム溝のピッチが少し細かく、レンズ側のピッチと一致しないが、圧着圧を調整すれば問題なく動作する。ただしその場合は、噛み合わせが歯一個分だけになり、その分バックラッシュが発生してしまうのがやや残念。
交換用のゴムを出して欲しいところ。
EF200-70mmF4LISに装着したところ。プレートにスペーサをかましてピントリングとの距離を調節し、1mm厚くらいの金属板がバネになって、やや押し付けるように固定する。12mm、1mm、0.2mmのスペーサでちょうどいい加減に。

付属するスペーサ群。0.1mm単位でピントリングとのアタリ具合を微調整できる。
でも分解・組み立てを繰り返して調整するのはかなり地道な作業。
付属するネジとプレート。一気にネジ長者w。
サンニッパに装着したところ。
サンニッパのピントリングは固くて手では回すのに苦労していたが、MFAでスムーズに微調整できるようになった!
328でも70-200でも使えるのはいいが、その度にバラして組み立て直すのはちょっと大変。もう一個買うしかないか。。。
レンズ別の専用版も出るらしいので

しかしこの天体撮影でのピント問題、カメラ側からUSMをステップ実行できるようにすれば解決だと思うのだが。ついでに自動で連続撮影して最小点像となる位置の自動決定もできるはず。つまり天体専用AF。やれないはずはないと思うのだがなんでやんないんでしょうね。
ニーズが少ないといってしまえばそれまでだけど、20Daや60Daを出すほどのキヤノンなのだからせひやってほしいもの。
本気でカメラ望遠レンズでの天体撮影むけ機能を強化すれば、高価な白レンズがもっと売れると思うのだが。例えば、インターバル撮影機能と組み合わせて、毎ショットフォーカスを最適化してくれれば、最強の放置撮影マシンになる。温度変化でもピント位置は変化するので。
そこまでやってくれれば、実勢価格110万円のEF600mmF4Lとか100万円のEF400mmF2.8Lの、天体撮影用途としての価値がかなり上がると思うのだが。
(追記)
レンズのUSMのステップ実行だが、PCとカメラをUSB接続すれば、EOS Utilityから操作できることがわかった。
つまりPCを撮影現場に持ち出すのであれば、MFAは不要である(ただしカメラの機種限定)。なななんと!
さらに、WiFi対応のEOS(6DとかEOSM2とか)であれば、スマホのアプリ「EOS Remote」でも操作できる。
ただし、EOS Remoteではインターバル撮影ができないとか、EOS Utilityのリモート撮影はEOSM,EOSM2には非対応とか、いろいろ残念な制約がある。
このあたりの事情は別記事で整理する予定。

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