冬の久住へ(5)カタリナ彗星
今回の遠征の大きな目標の一つがカタリナ彗星。
地球に接近し地平高度も高くなり、
イオンテールの複雑な流れが撮りたくて、
ひたすらコマ数を撮って動画にしようと考えていました。
夜の2時半ごろからは、延々カタリナ彗星を撮影。
動画にするので、デザリングもなしでひたすら放置撮影です。
薄明まであと1時間となった頃、
さすがにレンズが凍っていないかとか心配になって、
一旦撮影を中断し各所をチェック。
すると・・なんとレンズが少しずつずれてしまっていて、
彗星が写野の端っこにまでずれていました・・
ガイドもその方向に流れまくり。
仕方なく後半の、流れが酷くない20コマだけで合成。
画質は満足できないのですが、明るい彗星なので、
明るいコマと長いイオンテール、
太くゆるく曲がったダストテールを映し出すことができました。
上の写真は恒星で位置合わせをしているので、
動きの速いこの彗星の場合、
撮影中にかなり移動するため、
テールの細かな様子はぼやけてしまっています。
DSSには、このような場合のために、
「彗星核で位置合わせする」オプションがあります。
上の写真はそれでコンポジットしたもの。
恒星は流れてしまいますが、何条にもわかれたイオンテールの状態が浮かび上がっています。
彗星と恒星を、
それぞれ別に位置合わせして
合成してくれるモードがあります。
ところがこれ、うまくいかないことも多いんですよね・・
上の例では、恒星の影のようなムラが全面に出てしまっています。
テールの微細部も、彗星モードよりはぼやけた感じです。
折角なので、後半のコマを動画にしてみました。
イオンテールの細かい動きは、この動画ではよくわかりませんね。
残念。
カメラが左下にずれてしまっているのが今回の問題。
しかし、原因は何だろう?
赤道儀の問題ではないのは明らかなんですが、
パノラマ雲台か、バランスウェイトの固定金具の
締め付けがゆるかったのではないかと推測しています。
Commented by HUQ at 2016-01-24 07:29 x
流れている方向が、赤経だけでも赤緯だけでもないですよね。
両方の速度成分が同程度含まれているような…
ターンテーブル裏面と赤経軸断面の間には僅かながら隙間があって、赤経軸クランプの締め込みが甘いと、追尾中の重心移動で隙間の状態が変わる可能性があります。
私は JILVA-170 2号機で、この隙間にφ50mm-40mmシム(岩田製作所 ステンレスシム 内径40mm×外径50mm BRS040050010(0.1mm厚), BRS040050001(0.01mm厚))を入れて隙間ほぼ0にすることで、赤経軸クランプをどう締めても、荷重状態によらず常にしっかりクランプできるようにしました。
2時間半の撮影中に300mmレンズの長辺の1/6ほどずれていました。
ずれた方向が鉛直下方なので重力の影響でしょうね。
赤緯方向はパノラマ雲台の緩みによるずれ、赤経方向はウェイト取付部の緩みによるずれではないかと推測しています。
赤緯方向のバランス合わせを適当にやってしまってました。
ウェイト部取付部は撮影後少し傾いていたのでここが動いたのも確かそうです。(対策としてM5ネジ穴をベンチバーに追加して二点止めにしました)
次回は流さないようにしたいです(–;)