赤外線で天体を見ると、
可視光では分からなかった宇宙の姿が見えてくる、らしいです。

例えば、wikipediaには赤外線で撮影したM104の写真があります。
デジタルカメラでもこんな写真が撮れたりするのか??
試してみました。

赤外カットフィルターを外したα7Sに、SC72フィルターを装着。
0.72μm〜0.95μmくらいまで感度があるものと思われます。
赤外線天文学でいうところのIバンドになります。
FSQ106ED F5 α7S(フィルターレス改造)
ISO8000 SC72フィルター
30sec*64枚 SXP + GT40 福岡市内自宅ベランダ

うーん。あんまり可視光と変わらないですね。。
気持ち、球状のハロの部分が可視光より暗い(円盤部が明るい)
気がしなくもないですが。。

Wikipediaによると、
一般に赤外線と呼ばれる電磁波の波長域は結構広く、
0.75μm〜1000μmくらいまでになっています。
可視光が0.38μm〜0.75μmですから、桁違いに広いですね。
1000μm=1mm、この領域になると「サブミリ波」、つまり電波です。

デジカメで撮れるIバンドは、
赤外線の中でもほとんど可視光に近い領域。
もっと長い波長ならともかく、この程度の赤外線では、
可視光とあまり違わないのかもしれません。


FSQ106ED F5 α7S(フィルターレス改造)
ISO8000 IR86フィルター
30sec*10枚 SXP + GT40 福岡市内自宅ベランダ

IR86フィルターに換装し、もうすこし長い波長でも試してみました。
うーん。さらに円盤部が明るい気がしなくもないけど、
ノイズがひどくてなんともいえません・・

IR86だと、SC72と比べて感度が1/4くらいになってしまいます。
30秒縛りのα7Sではもはや限界。10枚撮ったところで断念。
次回、100枚くらい撮って重ねて見ますか・・

ちなみに、上がIR86フィルター、下がSC72フィルターでの
撮って出しjpegのヒストグラムです。
この間の、IR76かIR80あたりがいいのかも。

近赤外で天体を撮るメリットがひとつあります。
近赤外だと、ナローバンド並に光害の影響を受けにくくなります。
また、ナローバンドほど絶対光量が少なくならないので、
割と普通の露出時間で撮影ができます。

感覚的には、SC72でLPS-P2と同じか、1/2くらいの光量です。
R2(=SC62)だと、フィルターなしLフィルター付きの場合と同じくらいの光量になります。
(Lフィルター導入・光害カットフィルター比較参照)

でもしょせんモノクロですからね・・
可視光のカラーにIバンドの赤外成分を合成して
疑似カラー化するとどうなるか?
気長に試してみたいと思っています。

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