EOSシリーズの天体撮影・ピント合わせとインターバル撮影

K-ASTECのMFAを導入し、これでピント合わせの歩留まり向上だ、と喜んでいたのだが、実はPCを使えばカメラレンズのフォーカスはステップ実行できることが判明。インターバル撮影ができるのは知っていたが、ピント合わせもできるようになっていたのか・・・ウラシマンだ。

キヤノンの純正ソフトEOS Utility。
リモートライブビュー画面にすると、フォーカスボタンが現れる。
<>ボタンでフォーカスを微調整できる。
げげー。便利じゃないですか。
撮影現場にPCを持ち出すことは絶対したくなかったのだが・・・ここまで便利になるのなら・・・どうしよう・・・
PCを持ち出す前提なら、オートガイドもSXPのビデオガイドではなく高感度のCCDオートガイダーが使えるし・・・
(実はオートガイドは未導入なので、どういうシステムを組むのがあれこれ検討中)
天体撮影におけるピント合わせとインターバル撮影だが、EOSの機種によって微妙に中途半端な現状があるのでそのまとめ。(2014/6/27現在)
・「EOS Utility」でPCからMF操作・インターバル撮影が可能(EOS-Mシリーズを除く)
・「EOS Remote」でスマホからMF操作ができるが、インターバル撮影はできない。
・「EOS Remote」はiPadでも使えるが単に拡大表示するだけなので表示が荒い。
・「EOS Remote」が使えるのはWiFi対応のEOSのみ。
・EOS-M、EOS-M2はリモートコントローラが使用できない(本体に端子がない)
・EOS-M、EOS-M2は「EOS Utility」のリモート操作機能が使えない。
・EOS-M、EOS-M2のインターバル撮影は純正ハード、ソフトでは不可能。
・EOS-M、EOS-M2のインターバル撮影はサードベンダーのファームで可能
 (magic lanternなど)
ライブビュー非対応のEOSはもはや論外として、これから買うのならWiFi対応EOSにしておくのが無難かな。
「EOS Remote」の今後の機能アップに期待。

望遠レンズのピント合わせ・K-ASTEC・汎用マイクロフォーカスアジャスタ(MFA)

天体撮影で望遠レンズを使用する場合、ピント合わせは超重要である。

レンズの性能・センサーの解像度や焦点面の平面性が向上したこともあり、フィルム時代では考えられないほどシビアに合わせないと、甘い星像になってしまう。
木星くらい明るい星があればAFも使えるだろうが、AF一発勝負で長時間露出して甘いピントだと泣けてくる結果になる。
(バーティノフマスクとAFでどこまで追い込めるかも試して見る予定)
よって、拡大ライブビューでマニュアルフォーカスになるのだが、最近のレンズはAF重視でMFがやりにくいことこの上ない。ピントリングが固く、ほんのわずかだけ回すことが難しい。
またもや前置きが長くなったが、そこで導入したのがK-ASTEC・汎用マイクロフォーカスアジャスタ(MFA)
三脚座にプレートを付け、ネジで微調整できるゴムバンドをレンズに押しつけてフォーカスリングを動かすもの。
この茶色い部分がピントリングのゴム溝に噛みこんで、ローレット付きのネジを回すと左右に動く。動作はスムーズ。バネが内蔵されていてバックラッシュを最小にしている。
プレートには二本のネジで固定。
ピントリングとMFAの接触面。
ゴム溝のピッチが少し細かく、レンズ側のピッチと一致しないが、圧着圧を調整すれば問題なく動作する。ただしその場合は、噛み合わせが歯一個分だけになり、その分バックラッシュが発生してしまうのがやや残念。
交換用のゴムを出して欲しいところ。
EF200-70mmF4LISに装着したところ。プレートにスペーサをかましてピントリングとの距離を調節し、1mm厚くらいの金属板がバネになって、やや押し付けるように固定する。12mm、1mm、0.2mmのスペーサでちょうどいい加減に。

付属するスペーサ群。0.1mm単位でピントリングとのアタリ具合を微調整できる。
でも分解・組み立てを繰り返して調整するのはかなり地道な作業。
付属するネジとプレート。一気にネジ長者w。
サンニッパに装着したところ。
サンニッパのピントリングは固くて手では回すのに苦労していたが、MFAでスムーズに微調整できるようになった!
328でも70-200でも使えるのはいいが、その度にバラして組み立て直すのはちょっと大変。もう一個買うしかないか。。。
レンズ別の専用版も出るらしいので

しかしこの天体撮影でのピント問題、カメラ側からUSMをステップ実行できるようにすれば解決だと思うのだが。ついでに自動で連続撮影して最小点像となる位置の自動決定もできるはず。つまり天体専用AF。やれないはずはないと思うのだがなんでやんないんでしょうね。
ニーズが少ないといってしまえばそれまでだけど、20Daや60Daを出すほどのキヤノンなのだからせひやってほしいもの。
本気でカメラ望遠レンズでの天体撮影むけ機能を強化すれば、高価な白レンズがもっと売れると思うのだが。例えば、インターバル撮影機能と組み合わせて、毎ショットフォーカスを最適化してくれれば、最強の放置撮影マシンになる。温度変化でもピント位置は変化するので。
そこまでやってくれれば、実勢価格110万円のEF600mmF4Lとか100万円のEF400mmF2.8Lの、天体撮影用途としての価値がかなり上がると思うのだが。
(追記)
レンズのUSMのステップ実行だが、PCとカメラをUSB接続すれば、EOS Utilityから操作できることがわかった。
つまりPCを撮影現場に持ち出すのであれば、MFAは不要である(ただしカメラの機種限定)。なななんと!
さらに、WiFi対応のEOS(6DとかEOSM2とか)であれば、スマホのアプリ「EOS Remote」でも操作できる。
ただし、EOS Remoteではインターバル撮影ができないとか、EOS Utilityのリモート撮影はEOSM,EOSM2には非対応とか、いろいろ残念な制約がある。
このあたりの事情は別記事で整理する予定。

SXPに328を搭載する・K-ASTEC天文用アルカスイスプレート

EF300mmF2.8LISが、カメラレンズとしてキヤノンの最高クラスの性能を持つことは周知の通り。天体用としても優秀な性能のはずなのだが、あまり作例を見ない。高すぎるからだろうね。アマゾンで62万。FSQ106EDよりも高い。天体用としての汎用性も考えると、新規に328を買うのなら、FSQ85+RDのほうがはるかにコスパが高いだろう。

しかし・・自分は既に328が手元にある。一つ前のやつだけど。
10年ほど前にデジタル一眼を手に入れて「普通の」写真を撮り始めたときに買った。今でも、FSQ106EDに次ぐ高額買い物である。

前置きが長くなったが、この328を赤道儀に搭載する一番スマートな方法は何なのか?

まず、FSQ106ED用の80mm幅アリガタに1/4ネジで取り付けてみた。
この角度から見ると普通に見えるが、広大なアリガタに328の小さい三脚座がぽつんとネジ止めされていて、いかにもアンバランス。FSQ用を流用するならまだしも、新規に導入するのに使う方法ではない。
次に試したのが、K-ASTECの天文用アルカスイスクランプ&プレート。
タカハシ規格のねじ穴が空けてあり、SXPの赤緯体に直接ネジ止めできるのはいいのだが、クランプのネジが赤緯体と微妙に干渉してしまう。
そこで、クランプと赤緯体の間にスペーサを挟むことに。写真の状態では1.6mm程度かさ上げされている。これでぎりぎりいっぱい、干渉しなくなった。
余裕を見るなら2mm〜3mm程度あった方がいいだろう。
別の方法として、クランプの丸いつまみにスペーサをかますなりして少し長くする方法もあるかもしれない。
これで無事SXPに328をスマートに搭載可能に。EOS-Mだと前後のバランスが悪く、自由雲台をバランス代わりに装着。SXP側のバランスは、シャフトを延ばすだけで合った。
EOS5D3を搭載。
前後バランスはまだ頭が重い。バランス代わりにポラリエの雲台アダプタを付けている。
たぶんバッテリーグリップをつけた状態で、三脚座の位置でバランスが合う設計なのだろう。
実戦ではバッテリーグリップを付けた方がいいかな。
しかし三脚座の一点支持が不安だ。。。そんなに長時間露出はしないだろうが、これで3分とか5分とかいけるのだろうか。
フォーカスプリセットボタンの黒リングにバンドを付けて2点支持にできるといいのだが。

SXPの収納・COMET(コメット) 布ケース CB用

むき出しに部屋に転がしていたSXPだが、収納ケースを導入。

「星のつぶやき」さんの記事を参考にさせていただきました。ありがとうございます。
amazonで18500円。
このケースは元々プロカメラマンの照明機材の運搬用らしい。
SXP本体、スターブックテン、バランスウェイト(SBの下に入っている)を収納して、望遠レンズ一本分くらいのスペースが余る。
K-ASTECの80mmアリミゾもぴったり収納。
重量は20kgオーバー。さすがに重い!手提げでも肩かけでも、注意しないと腰をいわしそう。
専用アルミトランクの場合さらに重くなるのね・・AXDの人とか、どうやっているんでしょうね。
手提げ方式の他に、ショルダー用と背負い用のストラップが付属する。
背負い式にしたところ。若干強度が不安ではあるが、この状態が一番楽。
ただし、背負うまでが大変。道路のような場所ではかなり辛いと思われる。
これでSXPの収納と移動の問題が解決。

自作ポータブル赤道儀

梅雨で晴れの気配もありません。
昔の写真を掘り返していました。
自作ポータブル赤道儀です。
中3の夏休みをほぼすべて費やして制作しました。
電動工具なぞ当時高嶺の花でしたので、
穴開け・金属の切断など全て手作業です。
当時の天文雑誌や自作本を隅々まで研究し、
アイデアを寄せ集めました。
この頃の自作ポタ赤はこんな作りのものがとても多かったようです。
三脚はネジをゆるめるだけで、
三本の足がぴったり平行にたためるすぐれもの。
K-ASTECさんの三脚PTP-FLATと同じ構造です。
これはおそらくO友哲さんのパクリ。
今で言う三脚アジャスタはH林茂人さんのパクリ。
これは極軸あわせのためではなく、
手動ガイドの際の赤緯方向の微動に使います。
簡単な構造で赤緯軸を省略できるので当時大流行しました。
極軸は15mm径のズンギリボルト。
スラストベアリングと組み合わせれば、
単純な構造と低い精度の加工でもまともに動いてくれるため、
この構造も当時の流行でした。
ピローブロックを使えばもっと本格的な構造になるのですが、
相当に重量が重くて結局不採用に。
極軸望遠鏡も搭載するつもりで小径のファインダーと
極軸合わせ用のパターンまでは準備していたのですが、
極軸への実装方法に目処が立たず断念し代わりに単なる覗き穴を付けました。
手動ガイドなので、少々の極軸のずれは大した問題にもならず、むしろこれで正解でした。
赤経微動はこれも定番のタンジェントスクリュー。
カメラとガイド鏡を取り付けているアルミの直方体はオリジナルのアイデア。
プレートにするよりもコンパクト・軽量でたわみが少なく、
バランスも良くなります。
極軸の反対方向にも雲台を付けるようにしていたのですが、
固定部の強度が低くてたわみで流れてしまい、
こちらは実用にはなりませんでした。
ガイド鏡は塩ビ管にファインダー用の40mmfl240mmのレンズを付けたもの。
バロー×2とk10mmで48倍。
微動マウントも誰かのアイデアのパクリのように記憶していますが、
軽量&シンプルでなかなかの出来でした。
パンツのゴムを多用しているのがチャームポイントですw
全てを折りたたんだ運搬状態。
赤緯微動ハンドルに望遠鏡用のものを使用していましたが、
ブラブラ揺れるだけで大して役に立たず、
結局スラストベアリングを直接指で回して使っていました。
冬場は指が冷たかった・・

この赤道儀は実家のどこかにあるかもしれないし、
もう処分されているかもしれません。今度帰省したら探してみます。

2015/5/9追記
実家にて発見、一部部品を回収しました。
ところで、肝心の追尾精度ですが、両軸手動ガイド(笑)なので
50mmレンズなら60分、135mmレンズなら10分の追尾実績でした。

どっかでベテランのおじさんに
「これで200mmをガイドしようというのは甘いですよ」
と切り捨てられたのを今でも根に持っていますw