α7s・バルブ露出時の画質問題その2
α7sのバルブモードの画質問題の追加検証です。
Mモード30秒とBモード30秒の比較画像を撮影してみました。
(参考:前回の記事「α7s・バルブ露出時の画質問題」)
左:Mモード 中央:Bモード 右:Bモード長秒時NR ON α7s(フィルターレス改造)FSQ106ED+645RD (F3.8) Baardar B366 30秒 camera rawフィルター現像
左がMモード。中央がBモード。 Bモードの場合に微光星が崩される(「星が腐る」) 現象は明らかです。
左:Mモード 中央:Bモード 右:Bモード長秒時NR ON
α7s(フィルターレス改造)FSQ106ED+645RD (F3.8) Baardar B366 30秒 カメラ内jpeg現像
結論から言って、同じ露出時間であってもBモードの画質が(かなり)劣ります。
早急のファームウェアアップによるMモードの露出時間拡大(60秒・90秒・120秒・180秒など)と、画像処理エンジンの改良が待たれます。
また、某所より推奨のあった、
長秒時NRの効果も合わせて検証してみたのですが(右)
カラーノイズは減るものの、星が腐る現象には変わりません。
長秒時NRの効果はまったく否定しないのですが、
これまでの自分の検証から、
「長秒時NRで消せるようなノイズはCamera rawだけでほとんど除去できる」
と認識しています。
長秒時NRするくらいならその分コマ数を稼ぐ方が得策です。
(参考記事「CameraRawフィルターのホットピクセル除去能力」)
また、DレンジオプティマイザはOFFにしましたが、
これはONでもOFFでもraw画像には違いはないようでした。
(純正現像ソフトでは現像時にOFF/ONできる)
こちらはカメラ内現像のjpeg画像。
rawの時よりもさらに星が腐っていますね・・・
まあjpegの画質が低いのは当然なので、こちらはご参考までです。
元画像は以下に置いています。ご興味のある方はDLしてご確認ください。
ちなみに、SONYのEXIFでは、BモードとMモードが区別できないようです。
これはこれで困る気がするのですが・・まあ枝葉なので今は静かにしておきます。
/gallery/kuju2015/DSC05576.ARW
/gallery/kuju2015/DSC05578.ARW
/gallery/kuju2015/DSC05579.ARW
/gallery/kuju2015/DSC05576.JPG
/gallery/kuju2015/DSC05578.JPG
/gallery/kuju2015/DSC05579.JPG
Commented by HUQ at 2015-08-28 05:59 x
厄介な問題ですね。
「画像処理エンジン」というとrawデータからJpeg画像を生成する部分のことを示すことが多いため、SONYへの問い合わせの際は「30secモードで撮ったrawデータには残っている微光星が、Bモード30secではrawデータ上で消えている」と言った方が、正しく理解してもらえると思います。
Commented by HUQ at 2015-08-28 06:26 x
一つ、可能性として思いついたことがあります。
α7Sのボディ内生成Jpeg出力に、モノクロモードはありますか?
α7Sが「滑らかなJpeg生成」のために、画像処理エンジンに入る前に rawデータ時点でノイズリダクションを掛けているとするなら、画像処理エンジンがノイズが目立ちにくいモノクロモードを生成する際は、rawへのノイズリダクションを行わない or 減らす可能性もあるのではないか、と思ったのです。
何の確証もありません。
最近のカメラは最終的なJpeg出力のために、どこで何をやっているか完全にブラックボックスなので、或いは前述のような複雑なことをやっていてもおかしくないかもしれない、と思った次第です。
風景モードなど、高解像を目的とする画像モードがあれば、それを試してみるのも一興かもしれません。
HUQさん
ほんと厄介です。SONYにはこの記事のリンクを送っているので状況は認識していただいているとは思うのですが。
現状のままでは天文屋から完全に見放されてもおかしくないので、なんとかリカバリしてほしいですね。
モノクロモードはあります。でも風景とかモノクロとかのモードは、同一のrawイメージからの変換でしょうから結果は同じではないですかね?いずれにしても冷却CCDと違って、昨今のデジカメはrawは生じゃなくブラックボックス処理が施された画像なので困ったものです。
BigMammyさん
自分もそうだったのですが、α7sは元々の高感度画質ポテンシャルが高いので気がつきにくいのでしょうね。それだけにこの問題、本当になんとかしてほしいです。