星空ガイド

来たぞ今世紀最大の大彗星!ネオワイズ彗星(C/2020F3)徹底ガイド

今世紀最大(*)の大彗星あらわる!!

(*)北半球において。諸説あります^^;;;;;

とうとう来ました!1997年のへールボップ彗星から23年。ようやく肉眼でも立派な姿が楽しめる大彗星がやってきました!

過去の大彗星についてはwikipediaに記載がありますが、北半球ではほんとうに久しぶりになります。7月11日現在、ネオワイズ彗星は1〜2等級の明るさ。市街地でも肉眼でじゅうぶんにその姿を楽しめるくらいになっています。

天リフ編集長
天リフ編集長
千載一遇のこのチャンス!ぜひトライしてくださいね!

追記2020/07/12

天文YouTuber・写真家の成澤広幸さんの動画です。これは素晴らしい。この記事をごらんの方にも、全ての日本国民にも必見。

天リフ編集長
天リフ編集長
感動したっ!!星屋の夢とダイブ、そして苦難を克服したリザルトが凝縮しています。

勝負は7月末まで! 15日ごろまでの明け方の空と 15日ごろ以降の夕方の空

しかし!問題は2つあります。一つはお天気。日本列島は今梅雨の真っ最中。なんとしてでも晴れ間を探し出さなくてはなりません。そのためには「お天気アプリ」をフル活用しましょう!後で詳しくご紹介します。

もうひとつは、彗星が明け方の北東の空低く(*)、見ることのできる時間帯がごく限られることです。

(*)7月15日ごろまで。以降は夕方の北西の空になります。

地平線の上に彗星が出ていないと当然ながら見ることができませんし、低空の雲やガスの影響を受けやすくなります。逆に、彗星が高く昇ってくると夜明けの光にかき消されてしまいます。このタイミングをうまくつかむことが重要です。

ネオワイズ彗星を見るには

7月15日までは明け方の北東の空

明け方の空のネオワイズ彗星の5日毎の動き。一番左が16日です。(C)アストロアーツ https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/11302_ph200700

今(7月11日)現在、ネオワイズ彗星は東京では朝の3時ごろに地平線から顔を出します。梅雨空ですしスカッとした快晴は望めないでしょう。チャンスはそこからせいぜい約1時間。雲と彗星と夜明けのせめぎ合いです。明るい0等星、ぎょしゃ座のカペラを目印にしてください。カペラの右、上の図で大きく見切れたあたりにはマイナス4等級の金星があります。

彗星の明るさは水物なのですが、今日(11日)から4日間は、1から2等級の明るさは保たれるはずです。晴れていれば、ぎょしゃ座の五角形が確認できれば、必ずネオワイズ彗星を見つけることができるはずです。

7月14日以降は夕方の北西の空

明け方の空のネオワイズ彗星の5日毎の動き。右下が16日です。(C)アストロアーツ https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/11302_ph200700

7月14日ごろからは、夕方の北西の空で見ることができます。その後急速に高度が高くなり、7月21日にもなればかなり見やすくなってくることでしょう。北斗七星がよい目印になります。

しかし、彗星はその後急速に暗くなってゆきます。7月20日ごろには3等級、25日ごろには4等級にまで落ちてしまいます。実のところ天文ファン的には4等級でも十二分に明るい(*)のですが、肉眼で観察する場合この差は歴然。市街地で彗星を「楽しむ」には4等級では「かなり暗い」といえます。

つまり勝負は7月20日ごろまで。なんとしてでも、この期間に彗星をゲットしたいところです。

双眼鏡が最適

https://reflexions.jp/tenref/orig/2020/04/30/11023/

 

ネオワイズ彗星のような「大彗星」を見るのに最も適した機材は視野が広く明るい「双眼鏡」です。もう時間があまりありませんから、すぐに手に入るネット通販や家電量販店、天体望遠鏡専門店で購入するのがよいでしょう。

こちらの製品は4000円ちょっとですが、価格以上のお得感があります。

最も視野の広い双眼鏡(オペラグラス)。空の条件の良い場所なら、この双眼鏡でも尾が視野をはみ出すかも?しれません。

より詳しい双眼鏡のレビューはこちらも参考にしてくださいね!

星空アプリを使おう

 

彗星が空のどこに見えるのかは「星空アプリ」を使えば簡単です。上の画像は筆者が常用している「スカイガイド(有料:370円)」ですが、空にかざすだけで簡単にどの方向に彗星がいるのかを調べることができます。

ビクセン Commet Book 

こちらのビクセンの無料アプリ「Commet Book」もオススメ。起動して彗星を選ぶだけで、見ごろの時刻の状態を表示してくれます。

ネオワイズ彗星を撮るには

大彗星の姿はぜひカメラでその姿を残したいものです。スマホを含めて、どんなカメラでもたぶん撮影することができます。とにかくカメラを向けて、シャッターを切ってみましょう。

こちらの記事は「一般カメラファン向け」に書いた星空撮影の基本ですが、これでもまだ難しすぎるかもしれません。しかし、夜明け(夕焼け)の空の大彗星は暗い星空よりもずっと撮るのは簡単です。「夜景モード」にする。できれば三脚に固定する。マニュアル操作が可能なら、絞りを一番開いてISO6400で5秒。まずこれを基本に撮ってみてください。背景が明るすぎる場合は、ISOを下げましょう。

筆者は残念ながら雲に阻まれてまだネオワイズ彗星に出会えていません^^;;;上の画像はiPhone11で撮ったものですが、晴れていれば空低くの彗星の姿をとらえることができたでしょう。 とにかく、お手持ちのカメラでチャレンジしてみてください!

梅雨空の晴れ間の探し方

天気予報サイトは基本

7月11日の天気予報。梅雨の最中・・・お天気は絶望的ですね^^;;; ふつうの天気予報を見ているかぎり、チャンスは訪れません^^;;もっと詳しく雲の状態が見られる天気予報で晴れ間を探しましょう。

最強お天気アプリ・Windy.com

 

筆者が常用しているのはwindy.com。10日先までの下層雲も含めた雲の状態を1時間単位で見ることができます(*)。

(*)降水量や風速も表示できるため、防災情報を得るのにも大変有効です。web版だけでなくスマホ・タブレット用のアプリもあります。

しかし・・・やっぱり晴れ間はごくわずか。北海道の西海岸、瀬戸内で少し晴れ間があるようですが・・今の時期、天気予報はめまぐるしく変わります。ワンチャンスを逃さず、晴れ間をチェックしましょう。

どこに行けばいいの?

視界が開けた場所を探そう

ネオワイズ彗星はとても低いです。視界が開けた場所を探すのが必須。広い河原や公園、海岸、マンションの上階の踊り場や屋上など、明け方なら北東の空、夕方なら北西の空が、それぞれ開けた場所を探しましょう。

街灯りを避けよう

ネオワイズ彗星はかなり明るいです。少々の街灯りがあってもたぶん?平気ですが、街灯りが少なければ少ないほど、雄大で神秘的な姿を感じることができます。可能なら、少しでも空の暗い場所(=市街地から離れた場所)に移動してみましょう。

でも、あまり無理することはありません。身近な場所から見ることも、よい思い出になることでしょう。

万全の安全対策を

今年も各所で豪雨に見舞われています。わずかな雲間を探して遠出すると「豪雨地帯」を抜けなくてはならないこともあるかもしれません。そんなときは、無理せず命を守る行動に出てください

夜は暗いです。足元にも周囲にもさまざまな危険があります。LEDライトとたっぷり充電したスマホは必須です。一生の思い出のはずが一巻の終わりになってはシャレにもなりません。くれぐれも安全にはお気を付けください。

こちらの記事に「星がよく見える場所の探し方」や「星空鑑賞の実践的ノウハウ」を徹底解説しています!

最新情報はどこにある?

天リフ「彗星」

http://reflexions.jp/tenmon/articles.html?menuId=C2019Y4atlas

いま、ネオワイズ彗星がどんなふうに見えているのかを簡単にチェックするには。「天リフNews」が便利です。SNSなどのさまざまなネットから収集した彗星の最新画像が20分間隔で更新されています。

2020/07/12追記)

日本語のコンテンツ限定のタブ「彗星(日本)」を追加しています。

天リフnews・彗星(日本)
http://reflexions.jp/tenmon/articles.html?menuId=cometjp

吉田誠一さんのHP

吉田誠一のホームページ・今週の明るい彗星
http://www.aerith.net/comet/weekly/current-j.html

マニアや専門家も参考にしているサイトが、アマチュア彗星研究家の吉田誠一さんのホームページです。今回のネオワイズ彗星だけでなく、今見えているほとんど全ての彗星の情報が網羅されています。

国立天文台

国立天文台・ほしぞら情報
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2020/07-topics05.html

明るい彗星の情報はぐぐればすぐに見つかりますが、最も信頼のおける「国立天文台」のサイトをご紹介しておきましょう。

まとめ

いかがでしたか?

北半球今世紀最大の大彗星となったネオワイズ彗星。暗い彗星!?でも楽しめる天文マニアは別にして、一般ピープルにとっての勝負はあと2週間です。わずかなチャンスを逃さず、ぜひご自分の眼で「これなむ彗星!」の姿を確かめてください。たぶん一生の思い出になるはずです!