星空を眺めるのって、なんだか楽しそう。そう思ったあなたのために、全国の「天体望遠鏡専門ショップ（天文ショップ）」16店舗(*)をご紹介します！
すべて天リフ編集長が実地に取材しさせていただいたショップばかり。詳細の訪問記事のリンクをつけておきますのでぜひ参考にしてくださいね！
(*)いくつかまだご紹介できていないショップもありますが、順次この記事に追加予定です！
リアル天文ショップのメリット
スタッフに相談ができる
スターベース東京の池之上店長（右）と新宿さん（左）。お二人とも根っからの天文ファン。天文ショップスタッフの天文ファン率はほぼ100%です。何となく星空を見るのって楽しそう。ほとんどの人は、そんな興味からこの世界に入ってこられるのだと思います。
星空にはいろいろな楽しみ方があります。初めての方にとっては、何もかもが知らないことばかりでしょう。じぶんのやりたいことに何となくイメージはあったとしても、そのためにはどんな準備や道具が必要なの？！
そんなあなたに適切なアドバイスをしてくれるのが「天文ショップ」。天体望遠鏡ショップのスタッフは、ほとんどの方がその道のエキスパート。スタッフに疑問をぶつけたり、やりたいことをざっくり伝えれば、手に入れるべき製品がどんなものなのかはっきりしてくるはずです。
また、購入後のサポートが受けられるのも大きなメリットです。何かに行き詰まったときに相談したり、最新の天体や撮影技術の情報も、スタッフから得ることもできるでしょう。天文趣味は息の長い遊びですから、スタッフと顔なじみになることは、いろいろな意味で楽しく続けるための助けとなるはずです。
実際に眼で見て大きさと存在感を確認できる
所狭しと並べられた天体望遠鏡。ネイチャーショップKYOEI大阪店。天体望遠鏡をはじめとする製品は、商品としてはかなり特殊なカテゴリです。安価なものは家電量販店で見ることもできますが、本格的な製品は専門の販売店でしか実物を見ることができまん。書籍やネットだけの情報でもある程度のイメージは掴むことができるのですが、自分に合った製品を選ぶには、自分の眼で見て比較してみるのが一番です。
とりあえず見ているだけでも楽しい
日本一広いショールーム。新宿西落合「シュミット」に隣接するサイトロンジャパン社のショールーム。趣味の商品は、天文分野に限らず、見ているだけでも楽しいものです。ちょっと買えそうにないような高価な「夢の望遠鏡」や、風変わりで面白いレアな中古品など、ちょっと時間のある休日に「ウィンドウショッピング」するだけでもストレスの発散になります。
全国ショップ紹介
北日本
アストロショップAU（北海道札幌市）
北海道唯一の天体望遠鏡ショップ。北海道各地の公共天文台の望遠鏡製作やメンテナンスを手がけられるなど長い経験に裏付けられた技術力。ジュエリーショップと併設されたこじんまりとした店舗ですが、道内の多くの天文ファンが足を運ぶ要衝です。
東京都内
ネイチャーショップKYOEI 東京店（東京都千代田区神田）
枠内左が特機事業部の岡村さん、右が店長の蔦谷さん。天文ショップの最大手の老舗。充実した品揃えでネットショップの情報の充実度も随一。大阪店が発祥ですが、東京店・大阪店がいい意味で切磋琢磨している印象です。かつてはマニア向けの印象がありましたが、最近ではエントリ層も意識したお店づくりになってきているようです。
シュミット（東京都新宿区西落合）
右からブログでおなじみの中川光学研究室室長、サイトロンジャパン渡邉社長、シュミットの橋本店長、渡邉さん。東京エリアの「3大望遠鏡ショップ」がKYOEI・スターベースとこのシュミット。サイトロンジャパンの直営店。そのためセレストロン・Sky-Watcherの品揃えが特に充実していますが、取扱商品は全方位です。2018年秋に西落合のサイトロンジャパン本社と同じビルに移転し、広大なショールームが併設されているのも強み。元BORGの中川さんがこちらに転籍され、サポート面での厚みがさらに増した印象。
年に何度もある？セールにも注目。製品によっては通常価格からかなり安くなります。最寄り駅は大江戸線の落合南長崎。周辺にはお散歩スポットがたくさんあり、中川さんのブログで紹介されています。
スターベース東京（東京都台東区秋葉原）
タカハシの殿堂、スターベース。高橋製作所の直営店だけあって、高橋の製品がほとんど全て見られる随一のお店。「TOA150」「CCS250」「ミューロン300CRS」「EM400赤道儀」「FSQ106ED」などのハイエンド製品まで全て展示されているのはこのお店だけ(*)
(*)2019年5月時点、天リフ調べ
タカハシだけでなく、他社製品も全方位で扱っています。タカハシ用のアクセサリも「スターベースオリジナル」の商品が多数あって、本家よりもお手頃だったりもします。JR秋葉原駅の北東、KYOEIとは反対の方角ですが、じゅうぶんハシゴができる距離です！
ケンコートキナーサービスショップ（東京都中野区）
火星大接近前の望遠鏡特設エリア。枠内は店長の森田さん。カメラレンズと用品の総合メーカー・商社の「ケンコー・トキナー」社の直営ショップ。天体望遠鏡は同社の扱うミードとケンコーブランドの製品を主に取り扱っています。三脚・フィルターからプロ用機材まで多岐にわたるカメラ用品が豊富に揃っていて、カメラファンならたっぷり楽しめるお店です。
スカイバード（東京都国分寺市）
右が店長の鈴木さん小さな個人商店の趣のあるショップですが、店長の鈴木さんは伝説の天文ショップ「アトム」のご出身。E-ZEUS II（中・大型望遠鏡の制御システム）の導入実績が豊富など、高い技術力をお持ちです。東京都西部に天文ショップが少ない中、貴重な存在。
関東
三基光学館（神奈川県相模原市）
右が店長の宮崎さん。エプロンがトレードマーク。2017年までアキバで営業されていましたが、昨年から相模原に移転。オリジナルのアリガタ・アリミゾやiOptronの赤道儀、FLIの冷却CCDカメラなどに特徴があり、デジタル天体写真のエキスパートである宮崎店長は業界では伝説の天体写真のエキスパート。
移転後は観望会の開催など地域に密着した活動も。神奈川県唯一の天文ショップとしても貴重な存在です。
CAT USED TELESCOPES（埼玉県春日部市)
「望遠鏡愛」に満ちた店長の箕輪さん。マニア度の極めて高い、中古天体望遠鏡専門の買取・販売店。古スコの品揃えでは、香川の「天体望遠鏡博物館」の次に豊富といって差し支えないでしょう。往年の天文マニアなら垂涎の製品がたっぷり。
ギガオプト（群馬県前橋市）
タイムマシンに乗って探検している気分です^^お店に入るといきなり「妖しい」。合い言葉は「アヤシー」。天文趣味のディープさがそのままお店になったユニークなお店です。
信州北陸
ユーシートレード（石川県金沢市）
枠内は店長の大野さん。店内には大野さんの撮影された美しい生プリントが多数。2012年にオープンした比較的新しい天文ショップ。中古品の買取・販売がメインですが、大手各社のほとんどの新品の取り扱いもされています。
店長の大野さんは某大手カメラメーカーご出身で、天文マニア・野鳥マニア・カメラマニアでもありさまざまな経験が豊富。初心者でも入りやすい雰囲気で、北陸唯一の天文ショップとして確実な地歩を築きつつあるショップです。
テレスコ工作工房（長野県小海町）
枠内は店長の斉藤さん。手に持たれているのは地元紙に掲載されたショップの紹介記事。2018年開店の今一番新しい天文ショップ。「ポラリエ強化キット」「ペットボトルアダプター」などユニークな天文機材の製造・通販で知られている「テレスコ工作工房」のリアルショップ。「こんな山奥に誰も来るはずがない」という店長様を含む予想に反して、毎週末お客様が訪れているようです。
まだ始まったばかりですが、これからの新しいチャレンジに期待を感じるショップです。
東海
テレスコープセンターアイベル(三重県津市)
枠内左が社長の栗本さん、右が店長の松本さん三重県津市にある老舗ショップ。広い店舗に豊富な品揃えは「ここに来れば大抵揃う」級。オリジナルの赤道儀CD-1、オリジナルのカスタマイズ製品など、プラスワンの開発力とオリジナリティを持たれたショップ。SOLOMONなど海外ブランドの発掘・輸入販売にも熱心です。
スコーピオ（名古屋市）
枠内は店長の桑村さん。大手量販店のご出身で、お店作りと接客にその時の経験と思いが結集。2015年11月開店の2番目に新しいショップ。ユーザーサポートに力を入れられており、毎日の店頭での観望会、毎月の県民の森での観望会、お客様としばしば遠征に出かけられている様子などが、店長ブログからもうかがえます。
商品の取り扱いはタカハシを含めて全方位、サイトロンジャパンのショールームも併設し、今や名古屋随一の天文ショップといえるでしょう。
関西
ネイチャーショップKYOEI 大阪店（大阪市北区芝田）
電話がひっきりなしに鳴る活気のある店内。枠内は営業本部長の阪部さん。大阪発祥の協栄産業、東京・大阪と大都市を割拠する大阪店。こちらも品揃え・ネットショップとも業界随一。「SX赤道儀・赤緯SXP化キット」などの「KYOEIオリジナル」製品はどれもがユーザー目線。ユーザーと天体望遠鏡の関わりを最もよく知るショップのひとつといえるでしょう。
国際光器（京都府亀岡市）
右が代表の坂田さん。左がスタッフの新田さん1987年創業。独Baader社のフィルターやアイピース、フォトン経緯台、スカイ・クオリティメーターなど、ユニークな海外製品を日本に紹介・販売されているのが特徴です。
創業者のグーリーさんが2017年に引退され、京都市内から亀岡市に移転されましたが、国際光器のDNAはそのまま。独自のポジションで天文界に存在感を示されています。
九州
天文ハウスTOMITA(福岡県福岡市)
枠内左がジェイこと冨田常務、右がアドバイザーの山田さん。九州最大、西日本最大(*)の天体望遠鏡ショップ。このショップも「ここに行けばまず大丈夫」カテゴリです。特にQHYの天体カメラ、天体望遠鏡のオーバーホール・メンテナンスに強みがあります。ここで望遠鏡を買えば、修理も含めたアフターサポートは安心といえるでしょう。
(*)九州で「西日本」とは、近畿圏を含まない西日本・中四国・九州・沖縄エリアを指します^^
同じく福岡のK-ASTEC社と提携されていて、独自ブランド「ASTROLABE（アストロラーベ）」のパーツや、ハーモニックドライブマウント「CRUX」など、ユニークな製品も多数です。
家電量販店
家電量販店でも天体望遠鏡を取り扱っている場合があります。お店によって規模も品揃えもさまざまですが、「旗艦店」と呼ばれる大型店舗の場合、かなりの品揃えとなることも。
ビックカメラ池袋東口カメラ館
画像提供：ビックカメラ様ビックカメラ池袋東口カメラ館は、かなりマニアックな製品を含めた天体望遠鏡や星景写真撮影機材を、豊富に取りそろえている量販店です。
ただし、量販店の場合は営業時間が長いこともあり、専門知識を持ったスタッフがたまたま来店時に不在である場合もあります。事前に電話で問い合わせた方がよいかもしれません。
星空に興味を持ったら、まず天文ショップ！あなたの星空への関心をぜひ天文ショップにぶつけてみませんか？新しい発見、新しい世界への扉が開かれるかも！？
今回は「実店舗のある」ショップに限定しましたが「ネット専業」のショップの情報も今後追加予定です。そちらもお楽しみに！
- 本記事は各ショップ様に取材協力をいただき、天文リフレクションズ編集部が独自に制作したものです。
- 出典のない写真は編集部で撮影したものです。
- 本記事に掲載した情報は取材時・執筆時のものです。
- 文中の会社名、商品名等は各社の商標または登録商標です。