シグマ85mmF1.4Art導入(1)外観編
最近導入した新レンズ、シグマ85mmF1.4Artです。
何回か実写したインプレッションを数回でまとめようと思いますが、ポイントは以下の3点です。
- 性能は優秀、高コスパ。
結像性能は非常に高く、旧EF85mmF1.2Lよりはるかに優秀。周辺部の乱れも少なくシグマArt兄弟では最強か? - 紫ハロが弱点。
天体用途には紫ハロ(パープルフリンジ)が結構目立つ。ただし絞ると改善し、現像ソフトでの補正も可能。 - でかくて重い。
大口径重量級レンズで三脚座もないので、天体用途にはボディ側の剛性ないしはレンズ固定方法が重要になる。フィルター径も86mmと巨大なので光害カットやナローバンド系の特殊フィルターを全面に付けるのはしんどい。
では、まずは外観のレビューから。
EOS5D3に装着したところ。
重量は1.1kg強、重くて太くて長いです。
三脚座は用意されていないため、いつもの6点支持ファインダー脚を使用して使っています。
EOS5Dや6Dならともかく、kissやマウントアダプタ使用のα7シリーズに装着するのは重量バランス的にかなり苦しいのではないでしょうか。
α7Sを装着してベランダからナローバンド撮影中。
この姿を見るとカメラボディに雲台を付けて使える気がまったくしません–;;
シグマのホームページから、レンズ構成図。
2枚は特殊低分散ガラス(水色・SLD)と1枚の非球面レンズを使用。他のArtシリーズと比較すると特殊レンズの構成枚数が少なくなっています。
前群(1st group)と後群(2nd group)に空かれていて、後群の構成は50mmクラスの7枚構成ガウス型にそっくり。
前群で拡大像を作って後群で結像させるのでしょうか。
また、合焦は後群の移動のみで行うようです。
この方法は重い全てのレンズを移動させなくてもよいのでAFが高速化することと、近距離で発生する収差(主に像面湾曲)を補正する意味がありますが、同時にフランジバックにも敏感になることを意味します。
α7Sの改造マウントなど、無限遠位置が近距離側に移動する場合は注意が必要そうです。
ちなみに、こちらはEF85mmF1.2Lのレンズ構成。
非球面レンズを1枚使った8枚のガウス型。
単純に考えると50mmのガウス型レンズを1.6倍大きくしているので後玉も1.6倍、ガラス重量は4倍近く。
しかもEDレンズも使用していません。
この構成を比較すると、シグマ85mmF1.4Artは、EF85mmとはまったく違う最新の光学設計であることがわかります。
ちなみにこちらはさらに超弩級のZEISS OTUS85mmF1.4。
重量はシグマとほぼ同じ、値段は約3倍^^;;;;
異常部分分散性ガラスレンズ(紫)が6枚、非球面レンズ(緑)が1枚。
レンズ構成はシグマのものとも若干変わっていますが、ガウス型っぽい後群に全群を加えた構成はだいたい同じ。
異常部分分散性ガラスレンズが、シグマのFLDやSLD、キヤノンのEDや蛍石と比べてどんなものなのかは具体的には不明ですが、まあ特殊レンズをいっぱい使いましたという構成。
シグマ85mmArtの後玉。
EF85mmF1.2Lと比べると二回りほど直径が小さくなっています。
F1.2とF1.4の違いもありますが、前述の2群分離型の設計によって後玉を小型化できたのでしょうか。
また、マウント部に防塵防滴用のゴムリングが付いています。
「簡易防塵防滴」とのことで、どの程度の性能かは不明ですが。
こちらは以前所有していたEF85mmF1.2Lの兄弟レンズであるEF50mmF1.0Lの後玉。
この2本のレンズは後玉が巨大で、ボディとの電子接点がレンズにまで食い込んでいるという特徴がありますw
カメヲタ的にはでかいレンズには萌えますが、マウント径に目一杯のレンズは、若干無理めの設計。現に、太い光束はマウントやミラーボックスのケラレの元になりますし。
現在のレンズ構成ラインナップ。
中央右から、タムロン15-30、シグマ85mmArt、50mmArt、サムヤン35mmF1.4、24mmArt。
85Artはタムロン15-30に迫るでかさ。
ちなみに後列は右からEF135mmF2L、EF70-200mmF4LIS。
前列はEF8-15mmF4Lです。
次回は実写レポートを予定しています。
先行してFlickrにドヤ等倍画像を上げていますのでご参考に。
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