タカハシ・PM-SP発売・「欲しくなるポタ赤」とは?
協栄産業のニュースフィードで高橋から新製品が出たことを知った。
PM1-XYの赤緯体をベースにした、ポータブル赤道儀PM-SP。
(10/17 大幅に加筆修正)
重量1.8kg、搭載重量4kg。税抜き価格118,000円。
Toastやswatと同じレンジに位置することになる。
プレートや赤緯軸のオプションも出るらしい。
しかし・・・なんか冴えないなあ。
PM-1XYの赤緯軸に極軸望遠鏡が付けられるようになって(タカハシのサイトでは「別売で装着可能」と書いてあるが、売っているのをこれまで見たことがない)、拡張パーツが追加されたのと何が違うのだろう。
これに赤緯軸を買い足すくらいなら最初からPM1-XYでもいいのでは(価格はずいぶん高くなるが)?
汎用品のプレートは付けられるのか?そもそも、単にプレートを付けただけでは極軸望遠鏡は覗けなくなる。
穴あきの専用品でもいいけど、ポタ赤はいろんなパーツを組み合わせるのが楽しいんだけどな。
コントローラも内蔵でない。自動導入できるならともかく、1軸駆動の外付けコントローラはもうありえないと思うけど・・・
自分なら、これを買うのならTOASTかSWATの方がいい。コントローラ内蔵だしかさばらないし。
かつて自分はPM1-XYの導入を真剣に考えていた。元天文少年としては「名機」高橋P型と「システム赤道儀」MARK-Xへの強いあこがれが心にあったのがその一つの理由。
MARK-X同様、各パーツをばらしてポタ赤にも小型赤道儀にもなる。赤緯軸と赤経軸で2台自動ガイドもできる。
こりゃいい!と思ってほとんど買う寸前だったのだが、結局思いとどまり、まずポラリエを買い、そしてSXPを導入した。
結果的にこの選択は正しかったと思っている。ただ、ポラリエに強化パーツをいろいろ付けるくらいなら、TOAST/SWATでもよかったと思っている。
PM1-XYはいまでも欲しいとは思うけど、PM-SPには食指は動かない。
タカハシ製品は無骨だ。
カクカクしていて、堅牢で、ガッチリネジ止め。赤道儀は高い精度で恒星時追尾するべし。
もしマイドームを持てるなら、そこにある赤道儀はEM200かEM400しかない。
この無骨さってなんかポタ赤用途に合わないんだよな。
そして、やっぱり無骨なPM-SP。
今、「ポータブル赤道儀」に求められているものは何なのか。
1)星景撮影〜中望遠までの撮影
デジカメの高感度性能が飛躍的に上がり、タイムラプスや多数枚スタックが簡単にできるようになった今、この用途で重要なのは「軽い」「かさばらない」「手軽」なことだろう。
「軽い」を実現するためには、極軸望遠鏡は内蔵せず、電源も単三電池のような小型のものでなくてはならない。
「かさばらない」ためには、外付けコントローラではなく一体型。「手軽」にするためには最小限の操作系。
まさにポラリエの守備範囲である。
ポラリエに自分が望むことがあるとすれば、極軸合わせをより簡単で高精度にすること。たとえば、アクセサリシューにスマホを乗せて、スマホのセンサーで方位と高度を合わせられるようになってほしい。
2)200mm クラスの望遠レンズや、小型望遠鏡が載せられる。
SXクラスの赤道儀は電源も含めると20k近くにもなり、手軽というにはほど遠い。
車で移動するなら少々重くてもなんとかなるが、電車や飛行機だとそうはいかない。
せめて10キロ以下、できれば5キロ以下で、それなりの重さの機材が積める、精度の高い赤道儀。
具体的には、EF70-200mm、FS60、BORG60ED、プロミナー500mmあたりがしっかり使えるくらいのもの。
そのためには、バランスを合わせるため、構図の調整を容易にするために、結局「赤緯軸」が必須になる。
数分以上安定した追尾を実現するには、極軸望遠鏡と極軸合わせのための微動機構も必須、1軸であってもオートガイドができることが望ましい。
「ポラリエ+強化パーツ」が 、ぎりぎりのラインか。SWAT300+オプションなら余裕でクリア。
ポラリエ並みの手軽さを求めるなら、スカイメモが一番安価にこのニーズを満たしてくれるかも知れない。
ビクセンのAP赤道儀がどれほどのものかちょっと期待。
PM-SPのターゲットは1)なのか2)なのか。当然2)のはずなのだが、中途半端感がある。
使いやすそうな極軸望遠鏡が内蔵されているのはGOOD。クラッチで手動微動もOK。赤緯軸も付けられる。
でも、オートガイド端子がない。結局「PM1-XYの赤緯軸」なんだもん。
30年以上前のマークXの発想の範疇を出ていない。
自分が2)で期待したいことをつらつらと書いてみる。
・三脚のことも考えて
望遠鏡メーカーはなぜ三脚の材料にカーボンを取り入れないのだろう。
カメラ用三脚は「エレベータ機構」と「伸縮機構」が天文用には不要。
天文用の軽量な三脚にもっと力を入れて欲しい。
まあ、K-ASTECの製品があるんでいいんですが。
・オートガイド
オートガイド未経験の自分が書くのもなんなのだが、オートガイドできることは重要。
SXPでも、ノータッチで300mm/2分はけっこう厳しいハードルであると実感している。
最近は高感度で超軽量なオートガイドユニットがあるので、1軸駆動であればかなり軽量なオートガイドシステムが組める。
2軸駆動も、赤緯体ではなく三脚を上下にするという発想で実現されはじめいるらしい。
これもK-ASTECだが、こういう手法がどんどん製品に取り入れられて欲しいもの。
・自動導入
小型赤道儀の自動導入には否定的な意見の方が多い。
自動導入するためには二軸駆動が必要だし、導入速度を上げるには電源も重くなるし、コントローラも必要になるし、2)の範疇を越えてくる。
でも、ちゃんとした赤緯軸を持つ赤道儀であれば、自動導入はあって悪くない、いやあるととても便利な機能のはずだ。
GP2かPM1-XYにスターブックテンが使えるようになるといいのにと妄想してしまう。
・無線対応
スターブックテンで最悪なのが太いシリアルケーブルとコネクタ。いつの時代のパーツつかってるんだよと言いたくなる。
今は無線でしょう、無線。駆動系とコントローラ間の通信はWiFIかBlueToothで。
せめても、ミニUSBくらいにはしてほしい。
マウスもタッチパネルもキーボードも、暗くて寒いところで望遠鏡を駆動するには向いていないので専用コントローラは必須だが、専用品だけでなく、パソコン・スマホ・タブレットが使えて、1台のコントローラで複数の赤道儀が操作できれば使い方に広がりが出る。
もう20年若かったら、自分で作ってみたいなあと妄想する今日このごろでした。
しかし、高橋製作所のWebサイト、新着がRSSで取れない。相変わらず無骨だ。
でも協栄さんががんばってるからまあいっか。
「ポタ赤に求めるスペック」私も同感です。
軽さは最重要要素だと思います。
8inchで350g程度のWin8タブレットが出てきたのも、「ポタ赤でオートガイド」を重量の面で現実的にしてくれました。
私は旅行の際、メインに SWAT-350、サブに PanHead EQの2台体制、月齢や天気が怪しいときは SWAT-200 1台を持っていきます。
何れも ST-4端子を付けられる機種です。
TOAST Pro も持っていますが、今や私の撮影スタイルも赤経1軸オートガイド必須であるため、会社の同僚に無期限で貸し出しています。
PROMINAR 500 を載せるには、SWAT-300 以上の耐荷重性が要ります。私はバランスウェイトを持ち運びたくないのでジンバル雲台を赤緯体として使っていますが、PROMINAR 500 を使うと、赤経軸上重量は6kg程になります。 システム全体重量は、オートガイド用Winタブ・オートガイダー・バッテリ・三脚(GITZO GT3840C をシステマティック化したもの+ゴニオ雲台)全て込み込みで 14kg弱です。
キチンと赤経軸周りのバランスを取っておくことがとても重要で、バランスさえ良ければオートガイドで±4秒角以内に納めることができるものが、バランスが悪いだけで倍以上暴れてしまいます。
FS-60CB や 70-200mm F2.8 レンズ程度ですと、重量的にも SWAT-200 で間に合います。この場合、システム重量は 10kg 前後になります。
PanHead EQ は、とても小さいですが積載重量が 3kg と小柄なため、ミラーレスカメラ+F5前後の暗い200mm程度の望遠ズームでの運用が、望遠運用での限度です。
広角~標準ならノータッチガイドでOK、この場合 K-ASTECのレボルビング装置込みで総重量6kg前後。最大では ApoSonnar 2/135 を積んで総重量7kg、1軸オートガイド運用で実用になります。
正直、p-motion ±○" なんてスペックはどうでもいいですよね。どうせオートガイド無しでは、200mm でもp-motion 周期の 1/2 以上露出を掛けると、等倍で見れたものではないので。
それよりガイド中に追尾状態が急変しないことが大事です。そういう意味で、K-ASTECのハーモニックドライブは良さげな気がしています。
K-ASTECの三脚下赤緯修正装置を、三脚アジャスター使って手動でやってみました。
PROMINAR 500 – X-E1 で露出14分×6枚まではなんとか耐えましたが、以降は赤経の修正が間に合わなくなり、赤緯は修正できているのに赤経が修正できない、という本末転倒な結果になってしまいました。
http://photozou.jp/photo/show/177665/213399103
まだまだ課題があって商品化できないのだと思いますが、是非頑張ってほしいものですね。
HUQさん
なかなか渋いシステム構成ですね。SWAT350+プロミナー+タブレット1軸オートガイド。これで10分以上露出できるとは凄いです。
SXPのノータッチだと、1分露出の歩留まりは50%くらいになってしまいます。ものの見事に8分周期で星が流れたりながれなかったりします。アライメントをちゃんとすれば、極軸が少々ずれていてもちゃんと赤緯方向のずれを修正してくれるのはさすがですが。
自分はまだオートガイドシステムを導入していないのですが、そろそろ導入を考えています。パソコンを(というかwindowsを)触りたくないので、純正のビデオガイドにするのか、あきらめてQHY5Lにするのか、迷い中です。
ipadでオートガイドできるいいんですけどねえ。
apoSonner135お持ちなんですね、これはぜひ欲しいのですがこらえてます^^ カメラ趣味に天体撮影が加わると、機材増殖と物欲との戦いが一番大変ですね–;;
MAC事情に疎いもので、どのi○○○がどのOSで動いてるのか明るくないのですが、オートガイドソフト PHD2 には for Mac もあります。
http://openphdguiding.org/
有志による日本語マニュアルもあります。
http://d.hatena.ne.jp/hp2/20140930
iPadで動くとよいのですが…
レンズ増殖、大変です。2階建ての防湿庫がもう、一杯一杯で、チョーヤの梅酒で埋め尽くされたCMの冷蔵庫のように、レンズがゴロゴロ積み上がってます。(^^;
それでも、ApoSonnar 2/135 良いですよ~
周辺減光の補正は強めに掛ける必要ありますが、F2開放から四隅までピシッと点星像です。
F2 でこんなレンズ、手持ちでは他に XF56mm F1.2 ぐらいしかありません。
嫁さんの実家(うどん県の山間部)や、友人の居る宮古島で、ぎょしゃ座やさそり座やいっかくじゅう座のカラフルな領域を撮りたくてしかたないのですが…今年は本当に天気に恵まれず、全敗でした。orz
Macでも探せば一通り天文用のソフトはそろうみたいですね。自分はDSSを使うためだけにWIndows7を買いました。たまにしかWindowsを使わない状態だと、使う度にアップデートが走ってむかつきます(笑
私は10年ほど前に普通の写真にまず復帰して、レンズ沼は一通り卒業したつもりだったのですが、天文を再開してまた増えました。カメラレンズだけでなく、アダプタとかアイピースとかレデューサとかが増殖して大変です。
うちの嫁さんの実家はうどんの隣の踊り県の山間部です。四国は少し街中から離れるだけで真っ暗な空なので老後は四国がいいかな^^
片っ端から防湿庫に放り込んでるとすぐ一杯になるので、光学部品があるものと無いもの、分別するだけでも大変です。(笑)
四国、いいですよね~
玄関先で、BBQしながらほろ酔いで、こんだけ写ってしまうんですから…
http://photozou.jp/photo/show/177665/203353158
名古屋近郊の自宅とは、比べるべくもありません。
老後は四国で星撮りながら、時折先島諸島へ繰り出しましょうか。(笑)
こりゃ素晴らしい。
でも四国では普通ですね(笑。
福岡はまだマシですが、名古屋だと光害ベルトから脱出するのは大変ですね。
先島いいですねえ。この夏、波照間に行って感激しました。