オートガイド導入 その5)タカハシAZ微動ステージ
オートガイドシステムのファーストインプレッションの最終回です。
今回は、ガイド星を導入するための微動マウント、タカハシAZ微動ステージについてです。
(2015/4/12記)
GT-40+wat910HXの組み合わせの場合、ガイドマウントがなくても全天どこに向けてもほぼガイド星が見つかりました。
よってガイドマウントは現在は使用せず、FSQ106のトッププレートに直づけしています。
ガイド星を導入するための微動付きマウントは、ビクセンや協栄産業オリジナルなどいくつか出ていますが、最も頑丈そうだったのと、タカハシブランドへの信用から、これを選択しました。
この手のガイドマウントの重量はいずれも700g前後あります。
上から見たところ。真ん中のネジが1/4インチネジ。その左右がM8の35mm間隔ねじ穴。
青いローレットダイアルが上下の微動で、逆向きに締め混むことで固定できる。
右の銀色のダイヤルが左右の微動。
コマを取り外したところ。
このコマを、ガイド鏡や雲台の1/4インチメスネジ穴にねじ込んで固定し、ガイドマウントにはめ込んだ後、イモねじで固定します。
1/4インチネジのコマ。コインのようなマイナス工具で回すようになっています。
ここの締め込みは一応なんとかしっかりと締められるのですが。。。
かなり力を入れて締め付けても、ガイドマウントを回転させることができてしまういます。
ちなみに、左の大きなコマは、テレスコ工作工房の微動雲台TK-ALZM2用のコマ。このくらい大きければしっかり固定できるのですが。
FSQ106ED用のK-ASTECのトッププレートに、このネジ穴3本でしっかりと固定できました。
1/4インチネジ穴の周囲の銀色は、3/8インチネジ穴アダプタではなく、強化用のヘリサートスプリュー。
3/8インチネジで取り付ける際には別途アダプタが必要になります。
ガイド鏡マウントとして、強度は十分そうだが、ちょっとバランスが悪かったかもしれません。
そもそもビデオカメラが十分高感度ならガイドマウントは不要になります。
また、一軸の粗動だけでよいなら、カメラ用のパノラママウントという手もあります(HUQ氏に教えていただきました)。
もしガイドマウントとして出番がなかったら・・・高い買い物が無駄になるかもしれません・・・
写真の逆向きだと極軸望遠鏡が取り付けられません。
・・・
今のところ導入が失敗だったのかどうかは未確定ですが、運用開始後、またレポートする予定です。
このレビューに注目してました。
ポタ赤の極軸調整微動雲台として5つほど試した中で、私の使い方(ドリフト法で極軸設定誤差を追い込む)に叶うのは、ユニテックの極軸微動ユニット(ゴニオ式)のみでした。
タカハシAZ微動ステージも、構造上はユニテックの極軸微動ユニットに近いので調べていたのですが…詳細なレポートが見つからず、こちらのレビューは大変参考になりました。
私が過去使ったことがあるものは、
1.ニューガイドマウント
高度調整が片持ち。上に3kgも載せると強度不足。トッププレートが撓る。
2.K-ASTEC XY-50
同じく高度調整が片持ちだが、1. よりは強度がある。流石に上に6kgも7kgも載せると撓る。
両持ちタイプの XY-50D なら、強度面は全く問題無いと思われる。
微調後、クランプを締めて固定するが、クランプを締めることで極軸が微妙に動いてしまう。この点が、精密な極軸調整に向かない。
3.テレスコ工房 TK-ALZM
方位全周・高度水平~垂直の範囲で動かせ、簡易経緯台として使えるのは便利。
(ただし重量バランスが崩れるとスカッと動くので注意)
水平・垂直共、微妙なガタが取れない。開発元によれば、固定時に回転軸に締め込むネジの先にある鋼球を抜くとガタが取れるらしいが、ネジを締め込んだ後、軸回転方向に力を掛けると、ガタが生まれる。
4.ユニテック 極軸微動ユニット
精密な極軸設定追い込みに使える。
円形台座と直方体構造物を固定するネジが緩むと、ガタが出る。緩んでないか、時々チェックしたほうがよい。
5.TOAST TECHNOLOGY Dish-2
重量330g、最も軽い。
他が全て高度・方位を別軸で調整するのに対し、Dish-2 は1箇所を修正すると全体に傾くため、他とは違う感覚が必要。
ドリフト法で使おうと思ったら、2箇所を固定・南か北に向けた1箇所で高度を微修正する。方位はコマを回して粗動しかない。
作りは良いが、3箇所ともロックしても微妙なガタが残る。(TK-ALZMのガタよりは小さい)
1~4は、ポタ赤重量に対して微動調整装置の重量が大きすぎる点が不満です。
そこでユニテックさんに、URL欄のものをワンオフで作ってもらいました。
特注品、よさげな微動装置ですねえ。量産すればいくらくらいになるでしょう。
私はポラリエにはTK-ALZMを使ってますが、頑丈なのはいいですが重量1キロにはちょっと参ってしまいます。極軸合わせのためだけに1キロもの重量のパーツを使うのは何か間違ってますねえ。ポラリエにはK-ASTECのXY-50で十分のような気がします。
AZ微動ステージ、結局当面は控えになりそうです。
WATEC910EXなら、空のどこに向けてもガイド星が入る感じです。
この軽量方位微動装置、とても小さくて軽くてコンパクトですが、割と丁寧な作りでワッシャやネジ固定用子ネジ等細かい配慮がされているため、大きさの割に結構良いお値段しそうな気がします。(^^;
でも、これだけ堅牢で軽量な微動装置は他にありませんし、私自身もう1個頼もうかと思っていることもあり、是非量産化して欲しいですねー
あんまり具合が良いので、コレを使って赤緯部分微動装置もワンオフ製作してもらいました。
unitec.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-40a7.html
これまた、望遠での微妙な構図調整に威力を発揮しています。
薄いので、赤経軸中心からフォークの腕までの距離を短く出来るのも利点です。
simhuq.sytes.net/astro/uni/%E6%B3%A8%E6%96%87/1.jpg
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HUQさん
まさに「これだよ、僕の欲しかったのはこれなんだよ」です。
1万円切れば即買いですが、15000円でも欲しい。是非量産して欲しいですね。
ポタ赤の極軸合わせ用なら、三脚アジャスタと組み合わせれば最軽量になりますね。
でしょ~(笑)
是非、商品化希望の声を SWAT に送ってください。
同じく "コレ" が欲しかった、という方がお知り合いにおられれば、みんなで SWAT さんに商品化希望の声を送ってください。
数が多ければ、ワンオフよりは単価の下がった「ロット生産」が実現するかも??
そうそう、現在仕事のストレスで「軽い鬱状態」と診断されて人生の夏休みと割り切ってしばしば会社をサボってるんですが、そんな折にユニテックの加曽利さんに誘われて、胎内星まつりに行ってきました。家族全員引き連れて、飛行機で。(笑)
URLのユニテックBlogサイトをご覧下さい。
ユニテック&SB工房の店員よろしく接客業やってましたが(URL写真のGパン黒Tシャツのデカい奴)、天候に恵まれなかったのが残念なものの非常に愉しく、リフレッシュできました。
前置きが長くなりましたが、もうじきやっと一般売りされますよ!軽量方位微動。アルカプレートの溝も切ってあるので、アルカのパン軸クランプと組み合わせて簡易赤緯微動にも使えます。
1年近い私の使用感をフィードバックしておいたので、製品版では少し形が変わるかも。
2~3個持っておいて損は無いです。
ちなみに私、自重1.2kgで耐荷重23kgのもの凄く良い三脚を見つけたので、今はそれを使ってます。ReallyRightStuffのTP-243って奴です。大の大人が両手で腰を掴んで思いっきり捻っても、ビクともしません。
三脚高が少々低いので、ユニテックさんにアリミゾキャッチャーを利用した延長筒を特注で造ってもらいました。
胡座かいて地べたに座ると、丁度目の高さに極望が来ます。
こんな感じです。カメラとレンズを除き、バッテリを加えると7kg弱です。少々重量ありますが、f=135mmをノータッチガイドできます。
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同時に10cm長版も造ってもらいまして、こちらは色々試した結果、1型三脚のセンターポールを伸ばす代わりに使うと、非常に高い強度が得られることが判りました。
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HUQさん ユニテックのブログで見ました。星空の招待以来、星のイベントは行ったことがなくて胎内もちょっと検討しましたが飛行機が片道4万円であきらめました。
Taさんの写真もありましたね。自分が初めてお目にかかったときはまだ20代だったはずなので時は流れるですね。
「軽い鬱」ですか。ブログだけのお付き合いですけど自分の中ではHUQさんは「いつも躁」な感じなんですけど(笑)
人生の夏休み羨ましいです^^
お、軽量方位微動でますか。JILVAと328の組み合わせの時に使ってみたいですね。
この三脚、華奢に見えるのにすごいんですね。日本の通販には出ていないようですが、海外で買われたんですか?
Commented by HUQ at 2015-08-30 21:29 x
youtubeで今年の胎内の動画を探していたら、長女を抱いて歩いている自分が映っていてビックリでした。(笑)
私がTaさんと知り合ったのはごく最近ですが、必要なことと、そうでないことを判断する自分の物差しをシッカリと持っておられる方ですね。
お会いしてから今まで、ポタ赤に関する数多くの議論を重ねてきましたが、勉強になることばかりです。
そうやって趣味も仕事も真っ正直に問題に取り組もうとするもんだから、今回は「必要な開発リソースと現実の大きなギャップ」という「解が無い問題」に押しつぶされてしまいました。(^^;
躁といえば、思うところあって Loadstar X2 をポチってみました。今まで QHY-5L-II ばかり使ってきたので、もう一方の雄である SX社の製品も試してみようと思います。
愛読している「遠いのが好き」の g-log さんの多点ガイドソフトが SX社の製品に対応しつつあり、デバッグに協力できたらな、と思っています。
JILVA の極軸設定には、専用の付属の上下左右微動装置を使ったほうが賢明です。あの微動装置は約1kgと一般的な微動装置より若干重たいですが、JILVAの巨体(ポタ赤としては)を揺るぎなく支えるためには、あの幅が必要です。
ポラリエの極軸設定や、JILVAに載せる何らかの赤緯体の写野赤緯調整用にはもってこいです。
三脚TP-243は、お会いできるものなら是非触って確かめて欲しい一品です。あの強度はカタログやwebの写真では到底伝わりません。ぶちゃけ GITZO のカーボン3型三脚なんかより、よっぽど腰の部分の捻りに強いです。
今度私の実家の佐賀に帰省するとき持って行こうかしらん?博多駅の改札付近でお会いできれば、是非お会いしてお話しもしたく。ええ、家族はカフェにでも追い遣ってしまいましょう。(笑)
もう一つの特注品、延長筒もなかなかの一品でした。TP-243の良い所が最大限に発揮され、f=200~300mm前後のオートガイド前提の望遠撮影まで視野に入れた軽量システムにピッタリです。
Commented by HUQ at 2015-08-30 21:37 x
TP-243 購入は ReallyRightStuffのサイトから、クレジットカード決済です。同時にアルカ互換規格の5/8inch厚8inch長プレートや、1inch厚のアルカバー等も注文し、輸送費をまとめました。
ReallyRightStuffは代理店を立ててくれないのが困ったものです。中間業者を入れてマージンを取られたり、値崩れさせられたりしたくないのでしょう。
アルカ互換バーとしては、ReallyRightStuff の他、HejinarFoto の 5/8inch厚バーがオススメです。こちらも同社サイトにてクレジットカード決済となります。
Sunwayfoto や安価な中国製より肉厚があり、アルカ互換バーとしては若干重めですが、撓みが段違いに少ないです。
カメラネジが全長を往復できる「1slot」ではなく、中間に仕切りが入った「2slot」のものがオススメです。
ジンバル的に使う際に水平バーと垂直バーの交差を補強する三角も、強度を高めてくれます。
HUQさん
Taさん、大変そうですね–;; 私が注文したブツももうそろそろ三ヵ月ですがまだ来ません・・「必要な開発リソースと現実の大きなギャップ」商業ベースで物事を進める上では越えるか、うまくかわさなければならない壁ですね。ゆっくり待ってます^^
TP-243そんなにいいですかー、ぜひ見てみたいです。ご実家佐賀なんですね、香川は奥様ですか。帰省されるときはぜひご連絡ください。博多周辺でお会いしましょう^^
三脚の延長筒これもよさげですね。昔やっていた頃にはそんな製品はなかったのです。カメラ三脚のちゃちなエレベータ機構の先入観があったのですが、ハーフピラーを使い始めてから理にかなったものだなと思っています。
ReallyRightStuff、1970年代の高橋みたいですね。当時は高橋は直販だけだったので、地方の人間は触れることもできませんでした。当時とは時代背景はまったく異なりますが、直販のみで売るのも一つの生存戦略ですね。でも海外は代理店持った方がいいと思いますが。。輝星で扱われたらどうかな?あ、JILVAの納期が遅れても困るか(笑
Commented by HUQ at 2015-09-03 00:56 x
Taさんは今、E-ZEUS2 の取り付け出張の合間にJILVAの組み立てと極望の改善で大忙しです。(^^;
あの極望はJILVAの高精度を活かしてノータッチガイドで使う上で無くてはならないものですが、私があれこれ不具合見つけて報告するもんだから、すでに「ナンチャッテ」とは到底言えないほど手が入ってます。(笑)
次の佐賀帰省は正月休みになりそうです。
是非お会いしましょう!連絡します。
はい、連絡お待ちしています。
JILVA…9月の新月期も間に合わないかな〜