ポラリエが最も有用なのは、フットワークを生かした星景撮影でしょう。

小型で丈夫なカーボン三脚と小型のミラーレス1眼+標準または広角レンズを組み合わせれば、システム総重量3.0kg。
登山や、車を使わない小旅行にも手軽に持って行けるし、地上の風景をいろいろ追いかけて移動するのにも楽ちんです。

しかし・・・ポラリエの真の実力とやらはもっと高いらしいとか・・
ポラリエでどこまでのことが可能か?
極軸望遠鏡を手に入れてしまった以上は一体どこまでできるかやってみよう、というわけで、いろいろ手を出して強化してまいました。
本来のポラリエの使い方ではない前提で、以下ご紹介していきます。
(2015/3/29 後記)
ポラリエの実力が高いのは確かに事実なのですが、赤緯軸を付けたり重量級の機材を積んだりするのであれば、ポラリエではちょっと無理があるのかなあ、というのが現時点での自分の結論です。SWAT350が欲しい・・・

まず手に入れたのは、テレスコ工作工房のTK-ALZM2
極軸を正確に合わせるための微動付きの雲台です。
TOASTやSWATなどのいわゆる「ポタ赤」向けに、この手の製品は沢山出ていますが、自分はK-ASTECのXY50にするか最後まで迷いました。
(実は先にXY50をぽちっていたのですが、豪雪などあり納期が1ヶ月ほど遅延してしまったため、キャンセルしてこちらを導入しました。
XY50は実機を見たことがあるので、以下簡単な比較です。
価格:TKの方が倍ほど高い。32800円もします。
精度:甲乙つけがたい。どちらもすごくいい。水平垂直ともスムーズに動作し、クランプをしめるとしっかり止まります。
堅牢さ:重い分TKの勝ち(1.0kgもあってかなり重量級)
汎用性:水平、高度とも可動範囲がはるかに広いTKの勝ち
1043gとかなりの重量級。
テレスコ工作工房の製品はHPに重量が書いていませんが、意外に重かったりするんですよね。
ポタ赤専用の微動調整用とするなら、XY50の方が軽量だしポラリエには向いていると思います。(重量級の機材を使うのなら、両持ちのXY50Dの方がいいでしょう。)
TK-ALZM2がいいのは、普通の雲台としても使えることにあります。XY50は、+-15度までしか稼働しないので、ポタ赤固定専用になります。
自分は、スリック913三脚に付けっぱなしにして、通常の撮影にも、フィールドスコープ星見用の経緯台としても使っています。
では、TK-ALZM2の数少ない欠点は。
一つ目は、水平・垂直ともにわずかに遊びがあることです。付属のヘクスキーで締めこめばこの遊びはなくなるのですがが、締めこむと微動もできなくなるので実運用上はなかなか微妙です。
二つ目は、ポラリエやカメラの取付には専用の「コマ」を使用するのですが、重量のある機材の場合に若干取り外ししづらいことです。遊びなく頑丈に固定できることと取り外しやすさはトレードオフかもしれませんが。。
というわけで、足回りが強化され、ポラリエはこのようになりました。
この構成で試写してみました。
EOS-M EF70-200mmF4L IS 絞り開放、30秒 ISO1600。スタックなし。トリミングあり。

M51。
200mm/30秒ですがちょっと流れてますねー。
星像が不規則な形をしているところからみて、バランスが崩れてたわんだのでしょうか?
ポラリエを標準仕様で使う場合、カメラのアングルによってポラリエにかかる荷重のモーメントはいろいろと変化する上、うまく向けられない角度が出てきます。
たとえば、天頂より北に向けると、このような反っくり返った態勢になってしまいます。これでは構図合わせが厳しいですね。
重量級のレンズを使うと、この態勢の変化によって無理な力がかかり、全体がたわんだり、極軸がずれたりすることがガイドエラーの原因でしょうか。
実際、この構成で無謀にも328で試写してみたのですが、まともに追尾にならず、全くダメでした。
微妙な角度の加減でモーターに過剰な負荷がかかり、モーターが回らなくなってしまったようでした。
(ポラリエは追尾中は、かすかに「カチカチ」という音がするのですが、それが止まってしまっていました)
というわけで、バランス対策として雲台ベースが導入されることとなったのでした。以下次回。

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