昨日(1月2日)は2つの天文系オンライン配信がありました。

星空写真対談「成澤広幸×前田徳彦」

昨年4月に独立された成澤広幸さんと、星景写真の第一人者のお一人前田徳彦さんのライブ配信です。ライブ配信そのものはもう当たり前の技術ですが、「夜」に「フィールド」で「実際に星を見ながら」、しかも「複数のカメラを回して」行うライブ配信は他に例はほとんどないのではないでしょうか。

内容は前田さんの作品を見ながらの楽しいトーク。お二人とも星空動画に強い「α7Sシリーズ」のユーザーでもあり、星空もリアルタイムに映しながらの配信でした。

私は1視聴者として参加したのですが、通信回線の不良?のせいか途中で配信が途絶してしまったのが残念でしたが、ライブ配信の新しい可能性を見た気がします。

星景写真部新年トーク

右上が天リフ編集長

Facebookのグループ「星景写真部」のモデレーターによる新年トークです。Zoom会議の画面をFacebookにライブ配信する形で行われました(*)。

(*)アーカイブは限定公開で数日?中に削除されるようです。

こちらも初めての試みで、各人が自己紹介と2020年のベストショットを紹介する流れで、モデレータのお一人の塚原誠さんの新星景の画像処理のリアルタイム実演(*)もありました。

(*)南中した天の川が田んぼにリフレクションする風景を4つの成分(星、地上、リフレクション、つなぎ目調整画像)に分解し重ね合わせるという超絶技巧を分かりやすく解説いただきました。

驚いたのはZoom会議のオンライン配信としての性能の高さです。音声の遅延が少ないことはもとより、画面共有による画像の精細度も高く、画像処理の勉強会に最適なツールかもしれません。

オンライン配信の活用

この2つのオンライン配信に参加して感じた、配信側から見た「オンライン配信(会議)」という新しいコミュニケーションツール活用のポイントをいくつかメモしておきます。

音声は大事

ビデオ会議にせよトークにせよ、絵としての変化は以外に少なく、聴衆がリアルタイムに受け止める情報は主に音声になります。通常のYouTube動画では映像と音声の重要度は8:2くらいだと思いますが、動画配信の場合は4:6ないしは3:7くらいで音声が重要だと感じました。

Zoomの場合、音声の「レベル(音量)」はZoom側で自動調整されているのか?話者毎に聞き取りやすさの差はあまり感じませんでしたが、フィールドからの配信の場合は、マイクとの距離変化による音量変化や外部の雑音など(風きり音などの環境音)に、より注意する必要がありそうです(*)。

(*)問題はどうやって「注意」するかです。配信者(話者)は視聴者と同じ環境で音声を聞くことが難しく「今どう音声が流れているのか」が分かりにくいからです。配信チャットの中で指摘する以外に方法がないのですが、チャットウィンドウは小さく見にくい上に他のチャットと混じる、ダメだし的なチャットは気が引ける、など問題があります。配信者が専任のサポート担当を手配して別系列のチャットを開いておきそちらで状況をモニターする手もあるかもしれません。

「話者」へのフィードバックが少ない

私は今回初めてZoom会議での「話す側」の立場を経験したのですが、リアルの会議とは大きく感覚が違います。「ウケ」をとって全員を笑わせたとしてもその音声は聞こえてきません。画像上の反応もなんとなくよそよそしく見えて(*)しまいます。

(*)たぶんオンライン会議では全員が「独り」の環境なので会議への没入度が低くなるからでしょう。

これはなかなかの「違和感」です。特に画面共有して話す場合、誰もいない前で話をしているような「ボッチ感」があります。

慣れの問題なのかもしれません。もう少し経験を積んでもう一度「傾向と対策」を考えたいと思います。

進行役の仕切りが超重要

すでに多くの方が指摘されていることですが、リアルの会議以上に「進行役」の仕切りが重要になります。Zoom会議では全員が「低い没入感」の状態にあります。うまく話題を交通整理しながら適宜指名して話を振るのは、リアルの会議以上に難度が高いと感じました。

逆に「仕切り役」が感じるプレッシャー(負担)が一番大きいことになります。参加者は仕切り役により配慮して、音声やジェスチュアでのリアクションをオーバー気味にするのもいいのかも?

途中参加したときに感じる阻害感

リアルの「ライブ」では途中参加も途中退出も例外的存在ですが、オンラインでは割と普通に発生します。盛り上がっている最中に参加した際には若干の疎外感(場が見えない)を感じることがあります。

これ、どうしたらいいんでしょうねえ・・進行状況のテロップを常時表示するといい気もしますが(「○○さん画像処理実演中」とか)、オンライン会議システムの仕様レベルの話になるので、運用でカバーできるいい方法はないものでしょうか。

まとめ

天リフでもオンライン配信を重視していきたいと考えているので、今回の2つの配信への参加は大いに参考になりました。というか、世の中的にはここで書いたようなことはもう当たり前になっていて、自分が周回遅れなだけかもしれませんが^^;;;