一昨日アップした星峠の記事ですが、反応のひとつひとつから、新たな課題がさらに増えたと感じています。その中のいくつかは今後時間をかけてじっくり掘り下げるべきテーマです。

とりあえず備忘という形で記録しておきます。

今回の記事の経緯

最初に報道された時点で「これは何か書かねばならないのか」という「ざらっとした予感」がありました。書けることも結局書けないこともあるのですが、この「予感」がして書いた記事はこれまで必ず一定の反響がありました。

最近は「モラル」「マナー」系の話題にはあまり深入りしたくないと思っていました。書かれるべきと思うことはたくさんあっても、それをちゃんと書けるのか、それを状況がより良くなる方向に役立たせるのかリスクがとても高いのがまず一つ。

また、この領域に踏み込むと何らかの「毒」を抱え込むことになります。その一部は外部に漏れだして、予想外に自分を含む誰かを傷つけるかもしれません。敵も作るかもしれないし、ネットの怪物に叩かれるかもしれません。

覚悟を決めたのは、ANNのニュース動画を見ていたちょうどその時に、知人経由で別の地上波キー局から電話取材の打診があったときです。普通なら絶対受けません。見てもいない事象を多くの部分で相手が望むような内容で語るしかないからです。

でも、自分が取材を受けなかったら、たぶん別の人にお鉢が回るでしょう。それなら自分で受けよう。そう思って決めました。放送は翌朝とのことで、大急ぎで記事を書き上げてアップしました。

反応:メッセージは届いたのか?

「二度と今回のような事故が起きてはならない」これがこの記事を書いた最大の理由です。電話取材とはいえ、ハイリスクな「見てもいないことを全国放送でコメントする」ことを即断したのも、そのためです。

予想どおり、大きな反響がありました。5/8の当該記事のpvは約9000で、1日あたりとしては過去最高でした。天リフの既存読者以外の多くの方が見ているので「ライトを消灯して移動することはやってはならない常識」だというメッセージはより多くの人に伝わったといえます。

でも、記事に込めた意図が汲まれたかどうかはわかりません。むしろ悲観的です。「星空愛好家の良心を代弁する」ことを強く意識して書いたこともあり、「星空愛好家」に対しては、予想以上の好意を持って受け止められましたが、そうでない一般の人たちには、燃料を提供しただけだったのかもしれません。

いろいろ雑だったところもあったのですが、それについての指摘があまりなかったのも意外です。都合のいいところだけを都合良く解釈されたのか、指摘がないだけで実際にはかなりあるのかよくわかりませんが、数少ない指摘はけっこう痛かったので、これも反省材料です。

まあ始まったばかりです。これから書くつもりの続編も含めて、ふりかえるつつ進めるしかありません。

この先の戦術

このツイートはTLに流れてきたもので、今回の記事の反応かどうかは知りません。でも、「○○ファンなら節度を守って行動しよう」というような呼びかけは「節度を簡単に破れるような人」には届かないのではないか。「彼らの良心に訴えるのはまったく無駄」。個人的にはこのツイートが一番痛いところを突かれました。

今回の記事に共感する星空愛好家ほど、事故のあった星峠のような場所にはそもそも行かないので、「星空愛好家の良心を代弁」する戦術は「冴えない選択」だったようです。次は違う視点で、星峠という事象から距離を置いた形で考えています。