最近眼視のレビューをいろいろやっているの中で、天頂プリズムによる像悪化について気になっていました。そこでFL55SSとHRアイピースで検証してみました。

コリメートで撮像して比較するのですが、直視とプリズムありを比較するのは超面倒です^^地道にやるしかありません。

プリズムありの画像はPSで裏像変換。

まず月で比較。コリメートは撮影条件がなかなか一致せず難しいです。実視では月の縁やクレーターのエッジの色づきが明らかにことなるのですが、写真ではなかなか明瞭に視認できません。それでも、良く見ると違いがあるのがわかるでしょうか。

プリズムありの画像はPSで裏像変換。

天頂プリズムによる一番の弊害は色収差の発生です。レンズの輪帯ごとにプリズムへの入射角が異なるため、レンズの周辺を通った光ほどプリズムで色が分散することになります。

高倍率で見るほどその差が顕著。昼間の風景のハイライト部の周りに蒼い色が滲んでいるのがわかります。

色収差以外にもシャープさも異なる気がするのですが、昼間の風景では大気の揺らぎが大きく、その評価は即断できないでしょう。

プリズムありの画像はPSで裏像変換。

2.0mmだと影響は少し減ります。過剰倍率にするほど影響が目立つのでしょう。

HRアイピースのような焦点距離の短いアイピースを使用する場合、おのずと鏡筒のF値は明るいものになります。その場合は天頂プリズムの影響がかなり大きいことがはっきりしました。

ビクセンのN澤さんに教えていただいたのですが、実はHRの取説にそのことがはっきり書いてありました。「なるべく直視で見てね」ということですが、対象の高度が高いとそうもいきません。「90度で見られるプリズムでない製品」が必要になるのです。

しかしその選択肢は結構狭まってしまうのです。というか、ビクセン純正では製品が存在しません。他社製品を買えばいいのですが、そのあたりに業界全体の「正像・鏡像」「正立・倒立」「直視・45度・90度」の製品の混乱を感じてしまいます。

入門機用には低価格の「90度」の製品は必須ですが、これはミラーにすべきではないでしょうか。また、ちゃんと天体をあるがままに見るためには、裏像はイヤです。裏像の土星やM13はまだ許せますが、裏像の火星やM42や二重星団には大いに違和感があります。

筆者は最初バーダーのウルトラブライト2インチミラーを購入したのですが裏像がイヤで手放してしまい、スタークラウドの2インチ正立プリズムを主に使ってきました。しかし高倍率の惑星ではプリズムのデメリットが明確に。いよいよEMSの出番ですね。。