「星雲星団」カテゴリーアーカイブ

sh2-310周辺・名付けてメデューサ星雲

2月の連チャン小石原でのリザルト。おおいぬ座のsh-310周辺です。


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α7S SIGMA85mmF1.4Art F2.0 JILVA-170ノータッチガイド
30sec*75 Dark30 Flat*15、240sec*20 Dark15 Flat*15
Baader Hα7nm 2017.2.18 福岡県東峰村小石原

85mmで、IC2177カモメ星雲からの流れ。左が北です。

Hαナローで撮影すると、おおいぬ座には大きく広がったものから小さく複雑な形状のものまで、様々なHII領域があることがわかります。

カラーでは軸上色収差による青ハロが若干気になるシグマ85mmArtですが、ナローだと無問題。絞りF2.0でも十二分に使え、これから広域ナローの主砲になりそうです。

85mmのモザイクで銀河全体を広く撮っていきたいですね。


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α7S EF300mmF2.8LIS F2.8
30sec*120*4モザイク (左下コマのみ34枚)Baader Hα7nm
JILVA-170ノータッチガイド 2017.2.21 福岡県東峰村小石原にて

300mmで4枚モザイク。
85mmで撮った後、どうしても長焦点でディテールを描出したくなり、厳しめの天気予報の中出撃して撮ったもの。

左下の4コマ目の撮影途中で雲が湧き出し、他のコマの1/4ほどしか撮れませんでした。ここはリベンジしたいところです。

この領域って、なんだか人の顔に見えますね。
SNSでは「(蛇女の)メデューサに見える」との声が。こんなイメージでしょうか?

美少女のようにも見えますね。
一時期話題になった「声優のア○コ」にもなんか似てる・・・

M42ナローバンドASO合成

最近Hαのモノクロに妙に力が入っているのですが、カラー合成にもチャレンジ。たぶん全天一明るいDSO、M42です。

FSQ106ED+EOS Kiss X5(O3,S2,B)
EF300mmF2.8LIS+α7S(Hα)
2017.2.21 福岡県東峰村小石原

ナローバンドの疑似カラーはハッブル宇宙望遠鏡の「SAO合成(RにS2、GにHα、BにO3)がメジャーですが、この作例はRにHα、GにS2を割り当てたASO合成です。

SAOの場合、人間の眼の空間解像度の高いGバンドにS/Nの高いHαを割り当てるため派手になりますが、反面緑が勝って非日常感満載になります。

一方、ASOの場合はHαがRバンドなので通常のRGBにより近い印象になります。個人的にはこちらの方が好み。

ナローで撮るとランニングマンが通常カラーとずいぶん違う形に写りますね。そのままでははっきりしなかったので、強調するために、RGBカラー画像のBバンドを比較明合成しています。

ちなみに、M8で全ての色の組み合わせを試した作例はこちらです。

左:Hα ISO12800 30sec*60
中:SII ISO3200 10min*4
右:OIII ISO3200 5min*10

各バンドの素材画像。
ランニングマンがOIIIにしか見えないとか、Hαが周辺まで広がっているのに対して、SIIの領域が中心から中間部に固まっていて固有の複雑な構造が見えるとか、なかなか興味深いです。


左:R
中:G
右:B

こちらは通常カラーによるRGB画像。
ランニングマンはBにもGにも出ています。

また、RとHαのランニングマンの違いが興味深い。
通常カラーではHαもSIIもRバンドなので一緒くたになって分離できないのですが、それでも必ずしもR=Hα+SIIにはなっていないように見えるのが面白いですね。

ちなみに、中心部の白飛びを補正するために短秒のコマも撮影して合成しているのですが、Kiss X5は若干白飛びするのが早いのか、うまく中間部を補うことができませんでした。


EOS Kiss X5 SII ISO800 30sec*30
Baader SII 8nm

S2の短秒画像。スタック直後ママ。
なんじゃい、この黒点ノイズは・・・
出来の悪いトーンカーブ補正でノイズだけ浮かしたようです。

おい、そこのDIGIC!!
何か余計なことしてるんちゃうんかい!
あくまで想像ですが、黒点ノイズはカメラ側に設定されたダークパターンノイズの過剰補正ではないでしょうか。

短秒露光画像は、トーンカーブが極端に左に寄るので、暗部のノイズ(ないしは画像処理エンジンの「仕様」)がモロに出ますね・・

この現象、Kiss X5だけの事象なのか、6Dでもそうなのか、少し調べてみようと思います。

α7S ISO400 15sec*30

ちなみに、α7Sでも若干こういう傾向は見られますが、これほど酷くはありませんでした。(もっと露光を短くすると出るのかも?)

その一方で謎の黒線が・・・なんじゃこら。。
これは見なかったことにしよう・・–;;

撮影すればするほど謎が増える泥沼ですが、気を取り直して次回はもっと腰を落ち着けてコマ数を稼ぎ、段階露光ももう一段刻んで撮ってみたいと思います。

O3ナローバンド試写・ミルクポット星雲(Sh2-308)など

前回の撮影の処理も終わっていないのにまたまた小石原に出撃。
23時過ぎまで晴れていたのですが、珍しくGPVどおりに曇ってしまいました。

雲が出始めたのでOIIIでいくつか試写。


EOS Kiss X5(HKIR改造) FSQ106ED+645RD 10min*2 ISO3200,6400
Baader OIII 8.5nm SXP+GT40
2017.2.21 福岡県小石原

ミルクポット星雲、Sh2-308。
前回M41と同一構図でカラー撮影した青い丸いやつです。
たった2枚の総露出20分ですが、丸いヤツがくっきりと。
20枚くらい重ねれば、もっと細かいところも出てくるかな?

ミルクポット星雲といえば、ぴんたんさんのマスターピースがこちらにあります。総露出8時間。いつかカラー合成でやってみたいですね^^

 

 

ISO6400、10分の素材画像。
ベランダ撮りでは悲しいほど何も写らないOIIIですが、暗い空でしっかり露出すると、青い淡いのがよく出ること。
素材画像でここまで出てくれると嬉しくなっちゃいます^^

OIIIの波長は500nm前後。青みがかった緑色。
ヒストグラムでは緑色が勝っています。
ベイヤーセンサーにとってはHαやSIIより2倍優位ですね。

 

 


左:Bチャンネル
右:Gチャンネル

BとGの、少し強調した等倍画像の比較。
Gの方がずっとノイズが少ないですね。
今回はBはそのまま残してRにGをコピーしましたが、Bは捨てた方がよかったかも。

 

 

X5のISO6400で10分露出だとどのくらいノイズがでるか心配でしたが、思いのほか低ノイズでした。
気温は0度くらい。夏場はどうなるのかわかりませんが^^;;

 

EOS Kiss X5(HKIR改造)  FSQ106ED+645RD 5min ISO6400
Baader OIII 8.5nm SXP+GT40
2017.2.21 福岡県小石原

半分雲の中でもう1対象。トールのかぶと星雲(NGC2359)。
この星雲は輝度が高くて、5分露出でもしっかり出てきます。
こちらも、ぴんたんさんのマスターピースへのリンクを貼っておきます^^

M41付近星野・星の色を出すための試行

一昨日の土曜の晩、小石原に行ってきました。
月出は01時。21時ごろまで曇っていたので撮影できたのは4時間でした。


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EOS6D(SEO-SP4) FSQ106ED+645RD 2min*78
SXP+GT40
2017.2.18 福岡県東峰村小石原

おおいぬ座M41周辺星野。
この付近は淡い淡い星雲が点在していて、カラフルなM41と相まって地味ながらも賑やかな領域です。

覚えたての技を含めあの手この手で強調しまくって淡い部分を絞り出してみました。

2分露出の素材画像(フラットなし)をDPPでざっくり強調したところ。

しかしこの付近の淡いこと・・・この1枚撮り画像を見たときは全くやる気を無くしていたのですが、地道にいろいろやった結果、なんとか「そこに何かある」程度に仕立てることができました^^;

スタック&かぶり補正後の素材画像に、レベル補正して彩度強調した状態。おお、ほのかに星雲が出てきました!
グラデーションマスクでのかぶり取りは地道で時間のかかる作業ですが、この段階まではある意味機械的です。

ここから、レベル補正・トーンカーブ・ローカルコントラスト(明瞭度・HDR)などをねちねちとかけて強調しまくったのが最初の画像です。

強調前の等倍切り出し画像。
この画像を例に処理を試してみます。

まず試しに彩度を+80してみます。
赤と青の星の色がちゃんと残っています。
冷却CCDと比較して「星の色が出ない」といわれるデジタルカメラですが、元画像にはちゃんと色情報は入っているということです。

次に、淡い部分を強調するためにレベルを切り詰めてみます。
淡い部分は出てきましたが、星は最周辺部のハロ以外は、のっぺりとした白い円盤になってしまいました。
これは極端な例ですが、「星の色が出ない」のはたぶんこの状態を指すのではないかと思われます。

こちらは最終画像。
星を肥大化させず色を残し、淡い部分を強調するのが目標。
要するに、「星は元画像の彩度強調のみの状態」で「星雲はレベルを切り詰めて強調した状態」にすること。

今回初めての試みとして、星の色を出すために「(疑似)多段階露光のマスク合成」を試してみました。
M42の中心部などでよく行われている、短秒露光やレベル調整などで輝度を大きく下げた画像の高輝度部分だけをマスク選択して合成して、高輝度部の白飛びを押さえ込む手法です。

備忘の意味もこめてやり方を書こうと思ったのですが・・・
うまく再現できない- -;;;

ポイントは「輝度の異なる複数の画像をどう作るか」「高輝度部の選択マスクをどう作るか(境界をうまくぼかさないと星がリングになる)」なのですが、今回はたまたま一発でうまくいったのですが、もう一回やれといわれてもやれない状態。悲しい。

もう少し手法が整理できればまたブログに書きます。
Google先生に聞けば一発なのかなあ・・

久々のベランダ撮り(2) M42の近赤外カラー合成

ベランダ撮りでもうひとつ。
以前からやってみたいと思っていた、近赤外線でのM42の疑似カラー合成です。

左:EOS kiss X5(HKIR改造)FSQ106ED+645RD ISO400 15sec*15
右:左のRをIR画像(IR86フィルター)に置き換え
α7S  FSQ106ED+645RD ISO12800 30sec*30、270sec*4

左が通常の改造機によるカラー画像。
右がIR86を付けた近赤外画像をR成分に置き換えたものです。

M42の近くに、近赤外でより強く光っている星が多いのがわかります。また、暗黒星雲がより赤く見えていて、暗黒星雲は近赤外光ではより強く光っていることがうかがえます。

IR86を付けると実効感度が著しく下がってしまうため、30秒露出ではかなり露光不足。淡い部分はほとんど出ていません。

1枚画像のjpeg撮って出し。色温度電球色。
ヒストグラムを見ると、もう倍くらいは露出できそう。
860nmより長い波長では、センサーのB画素もけっこう感度があることがわかります。

でも、この程度の波長の近赤外線では、宇宙の様相は可視光とそんなに大きくは変わらないのが寂しいところ。
非光害地でもっと露出して、淡いところも描出するとどのくらい違いが出るのでしょうか。

以前撮影したときは、暗黒星雲が「透けて」見えるような兆候がありました。b78に再チャレンジしてみたいですね。

実は今回の撮影では、α7Sの30秒縛りを外して撮影した270秒露出のコマも使用しています。30秒では淡い部分の描出に限界を感じていて、「星喰い」現象を無視して撮ってみるとどうなるかの試行です。

その結果は次回に^^