最近Hαのモノクロに妙に力が入っているのですが、カラー合成にもチャレンジ。たぶん全天一明るいDSO、M42です。

FSQ106ED+EOS Kiss X5(O3,S2,B)
EF300mmF2.8LIS+α7S(Hα)
2017.2.21 福岡県東峰村小石原

ナローバンドの疑似カラーはハッブル宇宙望遠鏡の「SAO合成(RにS2、GにHα、BにO3)がメジャーですが、この作例はRにHα、GにS2を割り当てたASO合成です。

SAOの場合、人間の眼の空間解像度の高いGバンドにS/Nの高いHαを割り当てるため派手になりますが、反面緑が勝って非日常感満載になります。

一方、ASOの場合はHαがRバンドなので通常のRGBにより近い印象になります。個人的にはこちらの方が好み。

ナローで撮るとランニングマンが通常カラーとずいぶん違う形に写りますね。そのままでははっきりしなかったので、強調するために、RGBカラー画像のBバンドを比較明合成しています。

ちなみに、M8で全ての色の組み合わせを試した作例はこちらです。

左:Hα ISO12800 30sec*60
中:SII ISO3200 10min*4
右:OIII ISO3200 5min*10

各バンドの素材画像。
ランニングマンがOIIIにしか見えないとか、Hαが周辺まで広がっているのに対して、SIIの領域が中心から中間部に固まっていて固有の複雑な構造が見えるとか、なかなか興味深いです。


左:R
中:G
右:B

こちらは通常カラーによるRGB画像。
ランニングマンはBにもGにも出ています。

また、RとHαのランニングマンの違いが興味深い。
通常カラーではHαもSIIもRバンドなので一緒くたになって分離できないのですが、それでも必ずしもR=Hα+SIIにはなっていないように見えるのが面白いですね。

ちなみに、中心部の白飛びを補正するために短秒のコマも撮影して合成しているのですが、Kiss X5は若干白飛びするのが早いのか、うまく中間部を補うことができませんでした。


EOS Kiss X5 SII ISO800 30sec*30
Baader SII 8nm

S2の短秒画像。スタック直後ママ。
なんじゃい、この黒点ノイズは・・・
出来の悪いトーンカーブ補正でノイズだけ浮かしたようです。

おい、そこのDIGIC!!
何か余計なことしてるんちゃうんかい!
あくまで想像ですが、黒点ノイズはカメラ側に設定されたダークパターンノイズの過剰補正ではないでしょうか。

短秒露光画像は、トーンカーブが極端に左に寄るので、暗部のノイズ(ないしは画像処理エンジンの「仕様」)がモロに出ますね・・

この現象、Kiss X5だけの事象なのか、6Dでもそうなのか、少し調べてみようと思います。

α7S ISO400 15sec*30

ちなみに、α7Sでも若干こういう傾向は見られますが、これほど酷くはありませんでした。(もっと露光を短くすると出るのかも?)

その一方で謎の黒線が・・・なんじゃこら。。
これは見なかったことにしよう・・–;;

撮影すればするほど謎が増える泥沼ですが、気を取り直して次回はもっと腰を落ち着けてコマ数を稼ぎ、段階露光ももう一段刻んで撮ってみたいと思います。

関連記事

Follow me!