星空をもっと遊び尽くそう。星空と「遊ぶ」ことは、一生続けられる息の長い楽しみです。なんとなく、星空に興味があるライトな天文ファンから、すっかり沼に沈んだ自覚のあるディープな天文マニアまで、星空を遊び尽くすための「ちょっとした楽しみ方のノウハウ」10個を、どっぷりたっぷりと語ります!
五感で感じる星空
星空を10倍楽しむ10個のノウハウ。前半5個は「五感で感じる」です。
「視覚」で楽しむ星空
暗闇に浮かび上がる星空
人工光の全くない理想的な場所では、星空の下の明るさは晴天の昼間の3億分の1ほどでしかありません。そんな場所に出かける機会があれば、人間の本来の能力をフルに発揮して、暗闇を暗闇として楽しんでみましょう。
無駄な灯りをできるだけ消して闇に眼を慣らせば、驚くほどいろいろな光が見えてきます。ほんの数千年前まで、野生の大型動物の恐怖におびえて夜を過ごしていたホモサピエンスは、めっぽう高い暗視能力を持っています。そんな高性能な「眼」で見る満天の星は、もう感動的な美しさです。
そんな「本当の闇」を体験できる場所は日本国内ではごく一部の場所しかないのが残念ですが、過疎エリアの深い山中や離島・海外なら、そんな「野生を取り戻す、人類原初の闇体験」が可能です。
「本当の闇」を体験できるような場所を探すには「光害マップ」が大いに役に立ちます。以下の記事などを参考にしてくださいね!
月明かり
月夜の美しさはまた格別です。天の川をかき消してしまう明るい月は、天の川や星空を見る上ではじゃまになるのですが、暗い星空だけが全てではありません。しかも、満月のような明るい月夜なら、少々の街灯りがあったとしてもその美しさを楽しめるのです。
人工光の少ない場所の月夜は格別です。月の出の時には、まるで朝焼けのように空が赤く染まります。高く昇った明るい月夜には、日陰ならぬ「月陰」に注目してみましょう。月夜に林の中の遊歩道を歩くと「木漏れ日」ならぬ「木漏れ月」が体験できます。
地球の存在を感じる・雲と薄明の空
暗い淡い星空を見るには「雲」は厄介な存在ですが、発想を逆にして雲そのものを楽しむのはどうでしょう。雲は私たちが住む「地球」という惑星の、かけがえのない「大気」と「水」の存在の証。写真や高感度の動画カメラ(*)を使えば、まるで生き物であるかのような、その姿をとらえることができます。
(*)参考)https://youtu.be/7EBtQegPRBU
みんな大好き、夕焼け・朝焼け。真っ赤な太陽に染まる空。でも、有名なスポットに行ってみるとわかるのですが、太陽が沈んでしまうと多くの人がそそくさと帰ってしまいます。
えー、、なんで?お楽しみはこれからなのに。太陽が沈んだ後の、一見夕焼けが終わったかのような空に、一番星が輝き出してからが本当のショータイムの始まり(*)。
(*)日没30分後〜70分後くらいまでの間
濃紺の空がみるみるうちに暗くなってゆき、西の空は暗くなっても赤い色を保ち続けます。そして次々と星々が姿を見せはじめます。その明るさと色の変化は何度見ても飽きないほど。人間の眼では夕焼けの色を感じなくるころ、星々はさらに輝きを増し天の川が見え始めます。そんな時間帯でもカメラの眼でみると空は美しく色づいているのです。
街灯り
星空や月夜そして薄明の美しさをもっとも感じることができるのは、街灯りのない暗い場所。でも、残念ながら日本ではほとんどの場所でそんな条件は望めません。
でも、それを「光害」だ!と嫌うのではなく、発想を変えて「夜景」や「街の灯り」と思って楽しんでみませんか。繁華街のど真ん中でも、月は見えるし明るい星なら見ることができます。
日本のほとんどの場所では、どこかの街の灯りが空を照らしています。無駄な光で街を照らしてほしくはないですが、この空の下にこそ人々の暮らしがあるのです。そんな気持ちで空を見上げれば、また別の感情が湧いてくることでしょう。
「聴覚」で楽しむ星空
波の音
星空とよく合うのが波の音。優しい波音は心が安らぐもの。寄せる波、引く波、小さな波頭、大きな波頭で全部音が違います。悠久の宇宙の時間と、短く繰り返す波の時間。そのスケールの対比の中にも大きな自然の存在を感じることができます。
遠浅の海では、満ち潮・引き潮の潮位変化による水流の音が聞こえることも。耳をすませば、いろんな音が聞こえてくるものですね。
風の音
風の音。吹き飛ばされそうな強風から気持ちよいそよ風まで、風はさまざまな音を運んできます。
風が何かを揺らすことで起きるさまざまな音。葉のこすれ合う音、電線のうなり、銀マットのバタバタ音、落ち葉が流される音。はるか遠くの星空にとっては無縁の存在ですが、それが逆に宇宙と自分の間の隔たり感を高めます。
生き物たちの音
野外で星空を眺めていると、実にいろんな生き物の音があることに気がつきます。秋の虫の声、夏のヤブ蚊(–;;)の羽音、「ピーッッ!」と叫ぶ鹿、草むらを揺らす正体不明の動物、初夏の蛙の声。耳を澄まして、生き物の気配を感じてみましょう。
機械のささやき
「聴覚」の最後はちょっとマニアックに。機材が発する動作音です。
架台が高速で自動導入するときの「ギュィーーン!」という唸り音、静かに恒星時追尾するときの「カチカチカチカチ」というごく弱い駆動音。ドームやスライディングルーフの屋根を動かすときのエレベータのような音。カメラのシャッター音、リモートコントローラーの作動音。
だからどうだと言われると困るのですが^^、機械固有の動作音を聞くとなんだか愛おしくなりませんか?なりません・・・か。。 では次に行きます^^;;;
「嗅覚」で楽しむ星空
花の香り
五感の中で、「嗅覚」ほど記憶とリンクしやすいものはないではないでしょうか。香りを伴った体験は、その香りをふとかぐだけで、そのときの記憶がまざまざとよみがえってくるものです。
暗闇の中でも、花が咲いていればその香りで花の存在に気がつきます。「クンクン。なんかいい匂いがするぞ!」。花を見つけたら、そーっと花弁に鼻を近づけてみましょう。
大地の香り
大地の香りを強く感じるのが夏。草の香り、土の香り。乾いた日の砂ぼこりのような匂い、雨上がりの土の匂い、牧場から漂う天然の香水まで^^;;
風の匂い
さまざまな匂いを運んでくるのが風。潮風と潮の香りがその代表です。「風」は、嗅覚だけでなく、触覚・聴覚、時には味覚(*)ともセットになります。星空の中で風を感じることは五感を総動員した体験です。
(*)しけているときの海岸では、海水のしぶきが風に乗って飛んできます。それが唇に付着して、潮の味を感じることがあります。
人の香り
自然の中で感覚を研ぎ澄ませると、人の気配を「匂い」で感じることがあります。「クンクン。なんかいい匂いがするぞ!」。そんな時は星空を見るだけでなく、さりげなく声を掛けてみると新しい出会いが見つかるかもしれません(*^^*)。
「味覚」で楽しむ星空
暖かい食べ物と飲み物
みんな大好き、寒い夜の暖かい食べ物と飲み物。鍋、カップラーメン、熱いコーヒー、etc。人間の3大欲の一つ「食欲」ともリンクした、生存本能が発揮されるひとときです^^。
Aramisさんにいただいた写真です。
星鍋。#天文なう pic.twitter.com/pLxSHHwN61— M&M (@656nm_freak) March 8, 2019
ガスバーナーの青い炎と燃焼音も心休まる存在。星空の下で鍋を嗜み、その情景を写真に残すことも、星空の楽しみの大きなジャンル「星鍋」になりつつあります。これも五感の合わせ技。
嗜好品
星見の時は、自分の大好きな「嗜好品」を持参しましょう。お菓子、スイーツ、飴、チョコレート、ポテチ、etc。筆者の定番はあまり指を汚さずに食べられる、コンビニおにぎりとチョコレート、そしてのど飴です。
お酒
嗜好品の中でも「お酒」は別格^^星空の下でまったりやるのは最高です。筆者は車+単独が多いので、残念ながら遠征地ではお酒は飲めないのですが、海外遠征の時は別^^ 全ての緊張感を解き放つ「アリアリの日」を作って飲んだくれるのも楽しいものです^^
「触覚」で楽しむ星空
地面に寝転ぶ
地面に寝転ぶと目の前は全て星空。背中には大地の感触。草原、土、舗装道路、砂利、岩、砂浜。大地のサーフェスによって感触は皆異なります。いろんな場所の記憶を星空ごと背中に刻み込んでみませんか。どんな場所でも寝転べるように、薄手のマットは必需品です。
動物
夜のフィールドで、野生の生物と直接コンタクトするのはかなり希なことです。「熊」「毒蛇」「サソリ(*)」のように決してコンタクトしたくない相手、キタキツネのように接触するとヤバい相手もいるので、基本的には避けることになりますが、時には意外な生物との出会いがあります。
(*)オーストラリアには毒サソリが棲息しているそうです。
その中の一つが上の画像。砂浜にねころんで星を眺めていると、体の上を何かがモゾモゾと這い上がってきたのです・・何かと思えば「ヤシガニ」の子供。鋭い爪がなかなかワイルド。しばし遊んでもらって、間違って踏んでしまわないように離れた場所に逃がしておきました^^
もうひとつ、飼い猫・野良猫が寄ってくることがあります。上の画像の猫は、キャンプ地から歩いて10分ほどの丘の上まで、ずっと「同行」してくれました^^
機材の感触
最後に、星見のパートナーである「機材」。機材の感触も季節や気候でずいぶん変わってきます。キンキンに冷えたバランスウェイトや棒のように固くなったケーブルは、真冬の風物詩^^ 朝夕の温度差が激しい春や秋の夜露はやっかいなものですが、露よけ対策をしっかりしておけば露の降りた鏡筒の感触を「これも季節感だ」と余裕で楽しめるでしょう。
天文ファンの「五欲」
「星空を10倍楽しむ」後半のテーマは「五欲」です。人間は「欲深い」存在です。日本では「食欲・性欲・睡眠欲」を「三大欲求」と呼ぶそうですが、そういった「種の生存」レベルの欲だけでなく、「尊敬されたい」「認められたい」「他者より優位に立ちたい」「愛されたい」など、実にさまざまな欲求にあふれています(*)。
(*)参考)三大欲求とは?人間の重要な欲求を八大欲求まで完全解説!
筆者は個人的には、「五感の楽しみが満たされれば後はオマケみたいなもの」と思えることが一番の幸せではないかとは思いますが、なかなかそんな「悟りの境地」には至らないもの。煩悩を抱えて生きるのが人間。「欲」にあるときは忠実に、またあるときは一歩引いて接するのが、現代社会で幸せに生きる秘訣かもしれません。
といわけで、そんな「天文ファン的五欲」とその楽しみ方をまとめてみました!
「知識欲」もっと知りたい
宇宙を知るともっと面白くなる・知識から五感へのフィードバック
難しいことはさておいて。知っているからこそ感じる感動があります。「五感で感じる星空」のところでは、知識以前の感覚レベルの「感動」や「風流」の話をしましたが、これに「宇宙とは何たるものか」の知識が加わると、その感動がさらに広がるのです。
夜空に輝く星や天の川の正体はいったい何なのだろう。なぜ惑星は星とは違ってよくわからない動きをするのだろう。そんな「宇宙とはいったい何なのか」という疑問を人類はその歴史の中で解き明かしてきました。
現代に生きる私たちは、その成果を簡単に知ることができます。太古の人たちにとって「謎」だったことはもう謎ではありません。太陽と星は同じガスの塊で、それらの無数の星が渦を巻いているのが天の川銀河。そして天の川銀河と同じような無数の銀河が宇宙のあちらこちらにある。
では、そういった知識は何の役に立つのでしょうか。ベタに言えば「宇宙への愛」を増幅させるのです^^
そして、宇宙への想いを五感で感じましょう。手が届かなくても、あなたは宇宙の中にあり、そこにある宇宙はあなたのためのもの。そのとき「知識」は、壮大な宇宙との交合の快感を高める媚薬となるのです。
宇宙の中の自分を再発見する
「知識欲」の話だったのに、なぜか思いっきりトランスしちゃいましたね^^;; ノーマルモードに戻して、次は地球が丸いことを実感する瞬間。
上の画像は「夕方」の三日月ですが、何か違うことに気がつきませんか?そう、光っている部分が左側なんです。北半球なら明け方の月の位置ですよね。こんな些細な違いにもちゃんと理由があって(*)、あなたが丸い地球のどこに立っているかを示しているのです。
(*)南半球でも天体は「西」に沈むのですが、北半球とは逆に向かって左側へと斜めに沈んでいきます。太陽は沈んでゆく先にあるので、照らされている方角も逆になります。
全天有数の美しいアステリズム(*)、北斗七星。角度と時刻が季節感を表し、高度が地球上の観察者の場所を示します。北斗七星を見上げるときもまた、宇宙の中の地球と自分の存在を実感できます。
(*)アステリズム(asterism):星並び、星群のこと
「体験欲」いろんなものを見てみたい、やってみたい
最高の一夜
最高の条件の超絶な星空。2001年のしし座流星群、巨大彗星、皆既日食などの感動的な天文現象。天文趣味をやっているなら、そんな「最高の一夜(瞬間)」の経験がみなさんおありでしょう。そんな「生涯最高の夜(*)」を一度でも経験すると、最高の一夜にもう一度出会うための旅がはじまります。
(*)某分子雲の巨匠のキメゼリフです。
天文趣味の素晴らしさの一つは、そんな体験に二度を同じものがなく、何度でもそれを体験できることではないでしょうか。天気に恵まれないこともありますが、皆既日食は確実に決まった日に起きるし、大彗星はいずれ訪れます。南半球の星空なら、いつだって行くことができるのです。お天気のきまぐれに気長に付き合えさえすれば、必ず「最高の一夜」に出会えるのです。
あの機材を使ってみたい!
そんな「体験欲」はフィールドだけではありません。次の項の「物欲」とダイレクトにリンクしますが、機材に対する「体験欲」は天文マニアの持病。「あのカメラで撮ってみたい」「あの望遠鏡で見てみたい」「あれとあれを組み合わせてみたい」。「なぜか同じような鏡筒がもう1本生える」のは「体験欲」のなせる業でしょう。
「物欲」あれも欲しいしこれも欲しい
物欲との付き合い方
天文趣味はお天気任せ。星が見たいのに見られない。そんなフラストレーションをいつも抱えることになってしまいます。
そんなときに、むくむくと頭をもたげるのが「物欲」。あれも欲しい、これも欲しい^^ 俗に言う「ポチリヌス菌」です^^
物欲とどうつきあうかについては、筆者から申し上げることは何もございません。
生活が破綻しない程度に、欲しいものを欲しいだけお買い求めになって下さい^^
「機材ポトレ」のススメ
でも、欲しいものを手に入れて物欲が終わり、ではちょっとつまらないですよね。そこで提案したいことがあります。自分の愛機・愛用の機材の写真を撮ってみませんか?室内で光をキレイに回して「ブツ撮り」するもよし、野外で実戦稼働中の姿を撮るもよし(*)。
(*)人物などの肖像写真を「ポートレート(略してポトレ)」と呼びますが、機材を人物に見立てて「カッコよく」「内面に迫ってw」撮るのが「機材ポトレ」。#三脚ポトレのハクさんのリスペクト。
やっぱり天文機材は使われてなんぼ。機械が「本来の仕事」を淡々と果たしているところは絵になるものです。
「承認欲」認められたい、知って欲しい
星はひとりで見るもの?
アマチュア天文界の大先達である藤井旭さんは、著書の中で「星はひとりで見るものです」と静かに断言されています(*)。
(*)河出書房新社「すばらしき星空の饗宴」1979年刊。
星空をとことん愛してきた藤井先生ならではですが、SNSも広く普及した現代こそ、この言葉をあらためてかみしめる必要があるのではないでしょうか。「星はひとりで見るもの」という言葉は、「なぜあなたは星を見るのか」という問いかけでもあり、「星を見るのは、それは私が楽しいから、星が好きだから」という回答でもあるのです。
天文雑誌に入選するのは嬉しい。SNSの投稿でfavがたくさん付くと嬉しい。そりゃそうです。誰だって褒められれば嬉しい。でもそれは結果であり、ご褒美であって、それだけが目的ではないはずです。
誰に強制されたわけでも、必要に迫られて始めたわけでもない天文趣味。承認欲求とは上手に付き合いたいものです。
もう終始楽しかったです!
天文民にならなければ、こんな素敵な仲間たちとも出会えてなかったなぁと、美しい星空の下で感慨にふけっておりました。カメラ買いたいぜひまた誘ってください!
そしてドライバーのお二人、お疲れ様でした。ありがとうございました。#一般人の集い
— リボさんです。 (@Bio_astronomy) October 6, 2019
ブログのススメ
そこで一つ提案があります。ブログを書いてみませんか?一時期と比較してブログは下火になっている、オワコンとまでも言われることもありますが、そんなことはありません(*)。
(*)単にサービス運営側が儲からなくて力を入れていないだけではないでしょうか。
ブログのよいところは「自分の世界(場所)」をしっかり持てることです。SNSは「今」を「多くの人」とコミュニケーションするには向いていますが、投稿やコメントはあっという間にタイムラインから見えなくなってしまいます。
その点ブログは、長い時間軸の中で「自分」を軸に情報を積み重ねていくような個人のライフログ(日記)のためには最適なツールです(*)。ブログには基本的に自分の書いた情報しかありません。自分の経験したこと、感じたこと、考えたことを、まずは自分のために書くのです。
(*)IT的アーキテクチャが古いといわれることがありますがそれは全くの誤解です。閉鎖的なSNSとは違って、wordpressに代表されるオープンなブログシステムは日々進化をしています。
ブログの最高で最大の読者は「自分」。まず自分自身を「承認」してあげましょう^^
「達成欲」自己の再発見
なりたい自分に一歩づつ近づく
最後の「五欲」。何かを達成したいという、いちばん「真面目」な欲です。
昨日までできなかったことができるようになる。昨日までの風景とはちょっと違った風景が見える。自分の立っている場所が去年までよりちょっと前に進んでいる。なりたい自分をイメージして、それに一歩づつでも近づいていく。これはとても前向きな幸せですよね。
でも筆者は、趣味である限りは「達成欲」の充足(ないしは不足)については他人がとやかく口出しするものではないと考えています。好きにしなはれ。やりたいときに、やりたいように、やりたいだけやってください!
心折れそうになったときは・・
ところが天文趣味(特に天体写真)は、前向きに何かを達成しようとすればするほど、マゾ的になります。辛く長い、修業の日々。なのになかなか結果が出てこない。やれノイズが多いの、カラーバランスが変だの、星色が出てないだの、もうイヤだー!!
そんな心折れそうになったときには、もう一度原点に帰ってみましょう。世の中にある多種多様な遊びの中で、なんで自分は「天文趣味」を選んだのか。自分にとっての「最高の一夜」の記憶。最初に何かに胸ときめいたからこそ今があるのです。
ジャンルはまったく違いますが「人はなぜ走るか」について、長いマラソン経験からさまざまな角度から掘り下げた、走る人にも走らない人にとっても多くの示唆を含んだ名著です。
「怠惰欲」楽したい
怠惰は人生の隠し味
もうひとつ。「6つめの欲」として、趣味として楽しむのならとても大事な「欲」をプラスワンしておきます。それは「怠惰欲」。だらだらしたい、楽したい。ブッダもキリストも「七欲」のひとつとして挙げているやつです。
「若い頃はガチガチやっていたけど、もういいよ。楽な場所に楽して行って、星空の下でワインを飲んでボーッとするのが一番!」という歴戦の勇者の言葉に、妙に説得力を感じるのは筆者だけでしょうか^^
いや、いいんですよ、それで^^ 仕事じゃないんだから。悪意を持って人の邪魔をしたり足を引っ張らない限り、「怠惰」は人生の最大の隠し味だといえるでしょう。
「楽したい」が産むクリエイティブ
さらにさらに。怠惰欲が「もっと楽できるような方法や道具を考え出す」方向に向くと、これはもう最大級のクリエイティブになります。音声認識による自動導入などはその最たるものです。
まとめ・五感と五欲で楽しもう
いかがでしたか?
天文趣味は最高の趣味です。観て楽しい、欲にまみれても楽しい。対象は無限でそして永遠。決して直接触れることはできないのですが、そこにある宇宙の姿は人間の五感と五欲すべてで感じることができるのです。
その楽しみ方の深さと距離感も思うがままです。どっぷりやるもよし、ライトにお気楽にやるもよし。さあ、妄想力を全開にして、あなたなりの楽しみ方であなただけの天文ライフをぜひエンジョイしてくださいね!
天リフさんの講演
シルエットもイケメン#星宴 pic.twitter.com/i0ZhvKHdAU— チヌーク@来世は重機 (@chinook_CH47) October 5, 2019
- 特に注記のない画像は編集部で撮影したものです。
- 「いらすとや」の素材画像を使用しています。