ポラリエの極軸合わせ
- 目分量ないしは角度計・方位磁石を使用する。
- 本体の覗き穴と北極星で合わせる
- 極軸望遠鏡を使用する
結論から言って、200mmクラスの望遠を使用しないのであれば、2で十分ではないかと思います。1/2恒星時での星景撮影ならは、1でも十分ではないでしょうか。
前回のエントリでは、1.の目分量合わせの場合でも300mm/15秒が可能でした。単純に計算すると、50mmなら90秒、17mmなら270秒でも可能、ということになります。
しかし、悲しいかな、手動ガイド世代の自分は、ポラリエの極軸望遠鏡をうっかりポチってしまいました。仕方ないので、簡単にレポートしますね。
ポラリエの極軸望遠鏡。実勢価格15000円前後。安くないです。SXやGPの極軸望遠鏡より高いです。
270gもあります。重さ以上にかさばります。
たぶんビクセンの赤道儀で共通の部品を使っているものと推測。
つくりはとてもしっかりしています。ポラリエには過剰仕様とも言えますが・・・
自由雲台で三脚にポラリエを固定している場合、この作業はけっこう難しく、なかなかぴったり合わせられません。
(なので自分は微動付きの雲台TK-ALZM2も買ってしまいました。この雲台は堅牢で通常の雲台としても使える優れものです)
しかし問題は、極軸合わせの以下のような理不尽な工程にあります。
1.本体に極軸望遠鏡を装着2.極軸を合わる3.極軸望遠鏡を取り外す4.カメラ雲台を装着5.撮影開始
極軸合わせ後にカメラを取り付けなければならないので、重めの機材の場合、たわみが生じてずれてもわかりません。
というか、ポタ赤用の軽量機材では普通にたわんでずれてしまいます。
極軸合わせ後、うっかり三脚につまずいたりすると、再度合わせ直し。。三脚につまずかなくても、構図合わせでぐりぎりやっていると、すぐにずれてしまいます。
(なので自分は極軸望遠鏡を付けっぱなしにできるポラリエ雲台ベースPCB-EQ2も買ってしまいました。うーん。。。どんどん沼に・・)
結論を再掲。
「200mmクラスの望遠を使いたいのでなければ、ポラリエの極軸望遠鏡は不要です」
勿論、天体写真は歩留まり勝負なところもあるので、より正確に極軸が合わせられるに超したことはありませんが・・
とすると、北極星が見える場所での正しいポラリエの使い方は、2.の覗き穴方式となります。
この方法で、どの程度まで極軸を合わることができるのでしょうか?
上の写真は、ポラリエの覗き穴を本体の20cmくらい後ろから覗いたところです。前出の極望コリメート画像と同じアンテナを見ています。
覗き穴の視半径は30分角くらいといったところでしょうか。
ポラリエの覗き穴はしょせんタダの覗き穴なので、眼の位置を前後左右するとずれてしまうのですが、「北極星を穴の中央に入れる」「本体から少し眼を離した位置でも北極星が見える」ようにすれば、1度角程度の誤差では合わせられるのではないでしょうか。
さらに熟練すれば、北極星の位置も真ん中ではなく正確に計算して、15分角くらいには追い込めたりして。
(まあ普通はそこまではやらないでしょうが)
前のエントリでも書いたように、極軸1度のずれによる赤緯ズレはざっくり日周運動の約1/60で程度です。
1度に誤差を追い込めれば、200mmとか焦点距離の長いレンズを使ったり、5分とか10分とかの長時間露出をするのでなければ、まあ十分ではないでしょうか。
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