ASI AIRのPlate Solveを試用中。

Plate Solve機能概要

Plate Solveの使い方はとても簡単。

撮像用カメラで数秒程度の露出で撮影し「Plate Solve」ボタンを押すだけ。速いときは数秒、遅い場合でも1分程度で、写野中心の赤緯・赤経座標を解決してくれる。

撮像カメラの焦点距離はあらかじめ仕様の値を設定するが、solve結果には実焦点距離の推測値も表示される。上の例はBKP130+F5コマコレだが、焦点距離は590mm前後と表示される。(設定では650mmにしている)

「Sync Mount」ボタンを押すと位置情報が架台に反映され、SkySafariにも反映される。

Plate Solveのキラーな使い方

Plate Solveが生きるのはベランダでの極軸適当、アライメント適当の状態での撮影。

  1. 極軸をだいたい北に向けて設置
  2. 赤道儀電源ON
  3. アライメント(1星でも3星でも、アライメントなしでも)
  4. 対象にだいたい望遠鏡を向ける
  5. 1コマ撮像、Plate Solve、架台に反映
  6. SkySafariで対象を指定してGOTO→アライメントをしていないとこのときに少し誤差が出る
  7. 1コマ撮像、Plate Solve、架台に反映→もう一度Plate Solveすることでほぼ正確な値に(*)
  8. SkySafariで再度対象を指定してGOTO

この手順で、ほぼ何も考えずベランダでも対象を導入できる。これは革命的にすばらしい。ただし、細かくはまだ未検証の課題あり。

  • EQ5の場合、アライメントを全くせずクランプフリーで対象に向けると、Syncしても架台の向きがSkySafariに反映されないことがあった。原因は不明。一度GOTOすれば同期したが・・
  • SynScanコントローラが表示する赤緯赤経は、PlateSolve結果ともAIRのtelescopeメニューで表示される結果とも一致しない。
  • AIRの起動に失敗する(connectできない)ことがたびたびあった。全て電源OFF/再起動で復帰した。

逆に、極軸が正確に合っていてアライメントも正確な場合は、Plate Solveのありがたみは若干減る。

Plate Solveの微少な「ずれ」について

11/14  追記)

バージョン1.0.7(β)で改修されていることを確認。2分角ほどずれているが、実用上も十二分な精度。すばらしい。

10/30 15:14 追記)

本事象について、次期バージョンで改修予定であるとの回答がZWO社より得られています。

Plate Solveの結果がいつもほんのわずか「微妙に」同じ方向にずれている。下の画像は換算1200mmでオリオン座のM42トラペジウムをPlate Solveの結果をもとに導入した画像。

ずれは角度で数分角程度。同じ対象の場合、かならず同じ方向に同じ量だけずれている。一般的な赤道儀での自動導入の精度としては十分だが、やっぱりぴったりど真ん中に入ってほしいもの。この原因を現在調査・照会中。

トラペジウムでPalte SolveしGOTOした状態。焦点距離650mm、ASI294MC。換算焦点距離1300mm。この状態で再度Plate SolveしてSync、GOTOしても同じ場所を指す。


まずPlate Solveの結果が正しいのかを調べた(複数サンプル)。結論から言って正しい。ちなみに、Solve 結果の画面に表示される赤緯赤経は2000年分点の値だった。

一方で、SyncMount後SkySafariで見ると、2000年分点で解決された座標値が「Current epoch(2018年分点)」の値として表示されている。どこに問題があるのかは不明だが、現象から推測するとPlate Solveで「2000年分点」で算出された結果が、どこかの過程で2018年分点として扱われているように見える。つまり歳差の分ずれている。

この現象は現在ZWOに照会中。新しい情報が入手できたら更新予定。

https://www.facebook.com/groups/ASIAIR/permalink/1186452224851332/

 

10/30 15:14 追記)

この現象はバグで次期バージョンで改修されるとのこと!これでほぼ完璧な自動導入システムが実現することになる。すばらしい。

 

この記事は個人の感想です。正確性は一切保証できません。