BKP130のファーストライト。自宅ベランダから。

Sky-Watcher BKP130 F5コマコレクタ ASI294MC 30sec*80 ASI AIRで撮影 Gain = M ASI120MM Mini (ガイドカメラ) SXP 福岡市内自宅ベランダ フィルターなし Dark*30 フラットなし
  • F5コマコレは周辺部に倍率色収差?が若干出る。バックフォーカスはカメラレンズで改造6Dと同じに調整している。
  • 中心星像は3*3〜4*4ピクセル程度。今一つシャープネスが不足な感じ。ピントの追い込み不足?
  • 周辺減光はフラットなしでもCamera rawとGXTで補正できる程度だったが、まあ撮った方がいいよね。
  • フルサイズではまだ試していないが、この周辺像から見るとAPS-Cか4/3が無難な感じ
  • 小さい銀河や惑星状星雲が遠征地でどこまで出るか。
  • 輝星の十字回折像は予想どおりぼやっとしていて冴えない。ミラー押さえ部の出っ張りによるヒゲも気になる。定番の主鏡マスク+スパイダーマスクか。

ASI AIRの感想

  • 構図はFocusモードにして4BIN、0.5秒露出の最大ゲインにすればなんとか星をみながら調整できる
  • ピント合わせはかなり表示を拡大できるので割と楽。タブレットの画面なので大きく見やすい。天頂でも無問題なのは嬉しい。
  • 自動導入で対象が画面の中に入らないとかなり苦労する。ベランダで適当アライメントだとかなり苦しかった。
  • autorunで撮影したが、手動ディザリングで1つの撮影セットを何度も実行したのだが、ファイル名がかなり意味不明。ファイル名ソートしても時刻順にならないので気持ち悪い。うまい使い方を要検討。
  • ファイルの時刻が変。タイムゾーンの指定がおかしい?
  • fitsファイルのサムネイルをPC上でブラウズできないのは相変わらずめんどくさい。DSSに喰わせて確認しているが、もっとマシな方法はないものか。

EQ5、SXPの感想

  • EQ5は相変わらずDECの補正信号で±12秒角〜20秒角ほど暴れる。30秒露出は無理だったのでSXPに換装した。
  • EQ5でバックラッシュを12秒角に設定してみたが暴れるのは変わらず。
  • 推測だが、単純なギアの遊びによるバックラッシュと、ギアのかみ合わせが固すぎることによる「モーターの回転にすぐ反応できずある程度力が溜まってから急に動き出す」事象は別の事象である。赤道儀のバックラッシュ指定は前者の対策で「逆方向に動かす際にバックラッシュ分の補正を上乗せする(推測)」後者の場合はこの対策では無意味でむしろより悪い結果になると予測。ソフトでは対応のしようがないはず。
  • 上記後者の事象は、「最大静止摩擦力>>動摩擦力」の関係に近いものと推測。
  • SXPもDECの補正信号が入ると±4秒角ほど暴れることがある。EQ5同様の現象が起きているように見える。

BKP130の眼視評価そのほか

  • 夕方に地上風景と火星で、FOT85とside by sideで見比べた。
  • 最大解像度は同じ程度に感じた。火星の小さな極冠がどちらもよく見える
  • コントラストはFOTの完勝。BKPはぼんやりとしたにじみが大きくやや冴えない。斜鏡が大きいせいか。
  • BKP130は低倍率では斜鏡の影がけっこう気になる。メガネをかけたアイレリーフの長い状態では特に顕著
  • FOTでは2インチ正立プリズム(longperng)とMATSUMOTO EMSを比較したが、高倍率では差が顕著。プリズムは色にじみが大きく出る。EMSは直視と差が感じられず素晴らしい。
  • ビクセンHRも大変素晴らしい。火星をRadian3mmと比較したが、コントラスト・シャープネスともに勝った。

追記)M42を処理してみた。

Sky-Watcher BKP130 F5コマコレクタ ASI294MC 30sec*5 ASI AIRで撮影 Gain = M ASI120MM Mini (ガイドカメラ) EQ5 福岡市内自宅ベランダ フィルターなし Dark*30 フラットなし

EQ5で30秒露出、5コマ総露出2.5分。星が伸びて米粒になってしまった元データだがコンポジットして縮小すると見られなくもない。星像の流れの評価は縮小率と星像径次第とはいえ微妙なもの。この事例をもって「EQ5は調整しなくても600mmでも十分使える」という言説も、ないとはいえない。

ちなみにASI294(IMX294)は赤が弱いという言説があるが、大いに納得できる結果。チャネル毎の強調は特に行っていないが、EOSやαの改造機と比べてBGが優位。しかし、M42の場合はその方が逆に好ましい気もする。光害地のベランダで撮ったとは思えないほど青が良く出ている^^

注)本記事は個人の感想です。正確性は何ら保証できません。