FL55SS vs EF70-200mmF4L IS
9/17の小石原での撮影から。
この夜のテーマの一つがFL55SS+レデューサ VS EF70-200mmF4L ISのガチ対決。200mm前後のカメラレンズは結構優秀で、小口径のアポ屈折+レデューサのよいライバルだと予測しているのですが、実際のところどうなのかの検証。
しかし今回はFL55SSの圧勝でした。最周辺の流れは同じくらいですが、中心星像の鋭さや周辺まで豊富な光量など、力の差を見せつけた感じです。
70-200の画像はピントの追い込みも甘くスケアリング不良。これは箸棒レベルでした。このレンズの名誉のために補足すると、ちゃんと使えばもう少しイケているはずです。スケアリングはマウントアダプタのネジの締め方が悪かったのかもしれません。
ひとつ新しい発見があるとすると、カメラレンズは200mmF4でもデネブが割れていること。この割れはミラーボックスに起因するものと思っていたのですが、ミラーレスのαでも発生しています。また、F値にだけ依存するものと思っていたのですが、どうやらそうではないようです。テレフォトタイプの望遠レンズなど、光束の入射の仕方にも起因するのでしょうか。像の割れについてはまだ解明の余地がありそうです。
1コマ画像、同一現像条件(as shotでデフォルト条件でCamera raw現像)での比較。上がEF70-200、下がFL55SSです。ごらんのとおり周辺減光の差は歴然。
中心部の輝度はだいたい同じくらいでした。Fl55SSはF4.3ですが、1/4絞りくらい実効F値は明るい勘定になります。これはレンズ構成枚数(15群20枚 VS 5群7枚)の差かもしれません。
追記)
こちらの記事にコメントを頂戴しました。詳細はリンク先をご覧いただくといて、割れの原因の仮説を一つ提示します。
こちらは当該レンズEF70-200mmF4L ISを後から見たところ。対物レンズ(最前面レンズ)の円周と、後玉のレンズの円周が異なる曲率と大きさでお互いを隠し合っています。いわゆる「口径食」です。
この形状が、割れた輝星のフレアの原因なのかもしれません。
EF70-200mmF4L ISは中古なら10万を切ります。ISなしのモデルなら6万円くらいで手に入ります。これがFL55SSを圧倒するようではFLの立つ瀬がないのですが、F4通しのズームが天体撮影でもそれなりの良い結果を出すことは事実ですし、良い機材こそ良い使い分けをするのが賢い使い方だと思います。
この検証、もう一回やらないとだめですね^^
α7Sは画素数が少ないので、星像比較をするならせめて6Dでやるべきでした。
というわけで、検証としては残念な結果に終わりました。