星空を見よう

【保存版】満天のキレイな星空を見るための完全ガイド・前編・至高の星空体験

この記事の概要

空から星が降ってくるような「満天の星空」を見たことがありますか?
日常を離れて、宇宙の中の地球を感じられる、「至高の星空体験」をしてみたい方のために、そんな星空に出会う方法を、豊富な写真で完全ガイド!
この「前編」では、星空体験の効果から、いつ・どんな場所で・どんな星がよく見えるのかをまとめました。
これさえ読めば、あなたも満天の星に出会えるかも!

中編・後編はこちらからどうぞ!

中編・星見探しの冒険
後編・そうだ、星見に行こう!

至高の星空体験!

空から星が降ってくるような、満天の星・・
そんな経験をしてみたいと思いませんか?

石垣島。玉取崎の展望台で星を見る人たち。

日常を離れ、美しい星空に触れることは「至高の体験」といっても過言ではありません。

星空の3つの効果!

意外と知られていませんが・・w
星空にはスゴイ効果があるんですよ。

感覚効果・・・人間の五感に働きかける癒し効果

「星を見る」って・・視覚だけだと思っていませんか?
実は視覚だけではなく、全ての感覚を動員した体験なんですよ。

「視覚」美しい星を見るという体験。
「聴覚」静寂の大自然の中で、風や波の音・虫の声・動物の鳴き声が聞こえる
「味覚」星を眺めながら、お気に入りのおやつをポリポリ・・^^
「嗅覚」夜の空気、森の香り、星空の下での香り・・
「触覚」星空の下、風がほほを撫でる・・指にそっと触れると・・・(*^^*)

神経効果・・・交感/副交感神経に作用する癒し効果

交感神経に作用してモチベーションを活発化させます。また、副交感神経に作用して高ぶりすぎた神経を抑えリラックスさせることで癒し効果があります!

知性効果・・・「宇宙の中の自分」を実感し探求心を刺激する効果

星空を眺め、壮大な宇宙のスケールを体感することで、「宇宙はなぜそこにあるのか」「宇宙はどうやってこんなふうにできたのか」「その中の地球や自分って、一体何なんだろう?」といった知性に働きかけ、大脳の作用を活発化させるのです!

読者の星空体験例ご紹介!

星空効果を体験した読者からの声が届いています。
その一部をご紹介しましょう^^

・・・で、本題です^^

星がよく見えるのはどんな場所?

キレイな星空を見たいんだけど、どんな場所に行けばいいの?

そんな疑問に答えましょう。条件はたった2つ。
「空が暗い」「空気が澄んでいる」この2つがあれば、星空はキレイに見えるんです。

では、どんな場所が空が暗くて空気が澄んでいるのでしょうか?

空が暗い

本来暗いはずの夜空を明るく照らしてしまう要因には、星などの宇宙からの光、オーロラや大気光のような大気圏の発光現象などがありますが、大半は地上の「人工の光」。
では、星空に影響をおよぼす人工光を避けるにはどんな場所に行けばいいでしょうか

大都市圏から離れている

まず、首都圏・名古屋圏・大阪圏などの人口の密集した都市圏からできるだけ遠く離れることです。
少なくとも30km、できることなら100km以上離れられれば理想的。

八重山諸島、波照間島から見た天の川。

周囲に大都市や人工光のない場所は、今の日本ではほんのわずかしかありません。本州から遠く離れた離島はその一つ。
人工光が皆無の離島では、素晴らしい星空を見ることができます。

南アルプス、しらびそ高原から見た天の川。山深い南アルプスは星を見るのに適しています。

大都市圏から距離があり、山深く人工光の影響を受けにくい南アルプス周辺も、一級品の星空の地。

でも、今の日本ではこのような場所を探すのは至難の業。
少なくとも「自分が主に見たい方角」に大都市圏がない場所を選びたいものです。

市街地から離れている

人口10万前後の市街地からは、最低でも10kmくらいは離れたいものです。逆に、大都市圏から離れた地方都市の場合、少し車で走って郊外に出るだけでも、見違えるほど星の輝きが増してきます。

福岡県英彦山から見た天の川

 

九州北部の真ん中、人口10万前後の日田・うきは・田川・中津の各市に囲まれた英彦山(ひこさん)。
市街地からの直線距離は15km〜20km程度ですが、このとおりの素晴らしい星空。

曽爾高原から、冬の天の川

大阪市内から直線で70km弱、人口10万の名張市の南10kmの曽爾高原。南側はほとんど山地のため、素晴らしい星空が見られる場所の一つです。

近くに灯りがない


飛騨・新穂高温泉。道沿いに明るいナトリウム灯がある例。
福岡・福津海岸。展望台のトイレと自動販売機の灯りがある例。

空が本来暗い場所であっても、小さくても灯りが近くにあったり直接目に入る場所にあると、暗い星を見る上では悪影響を及ぼします。
街灯、人家の灯り、車のヘッドライト、自動販売機など、灯りが近くにない、あっても目に入らない場所を選びましょう。200mくらい離れるだけでもずいぶんと違ってきます

空気が澄んでいる

空が暗いことと同じくらい大事なことは、空気が澄んでいること。空気中に水蒸気や細かなちり、大気汚染物質があると、弱い星の光が遮られるだけでなく、街灯りを反射して空がより明るくなってしまいます。
では、空気が澄んでいるのはどんな場所でしょうか

標高が高い

標高が1000m高くなると、およそ気圧が1割低くなる(空気が薄くなる)ため、空気の影響が減ります。標高2000mだとおよそ2割の効果があります

北アルプス、立山市雷鳥平。標高2400m。澄み切った空に素晴らしい星空が楽しめます

また、標高が高い場所はおのずと人口密度も低く空気もキレイなので、とにかく「標高の高い場所は星がよく見える場所」と考えて間違いありません。

大気汚染物質が少ない

自動車や工場などの排気は、都市部を脱出すればある程度解決しますが、最近大きな問題になっている「PM2.5」は、星を見る上でも極めて大きな問題になります。

出典:http://www.tenki.jp/particulate_matter/
PM2.5分布予測 – 日本気象協会
http://www.tenki.jp/particulate_matter/

PM2.5予測などをチェックして、影響の少ない日を選びましょう。

湿度・気温が低い

空気中に含まれる水蒸気は透明度を大きく左右します。湿った空気が溜まりやすい盆地は避けた方が無難です。

和歌山県護摩壇山。冷え込んだ秋の夜、風と共に霧が立ちこめ、星の光を遮ってしまいました。

また、同じ湿度であっても、気温が低いほど空気中の水蒸気の絶対量は少なくなり、湿った夏場よりも乾燥した冬場の方が星はよく見えるものです。
でも、昼夜の温度差の大きな春・秋は、冷え込みによって霧やもやが立ちこめることもあるのが微妙なところ。

星がよく見えるのはどんな時?

同じ場所でも、天気・時間帯・月明かり・季節など、さまざまな条件によっても星の見え方が変わってきます。

まずは晴れること!

これ、大事です^^
晴れなきゃ星は見えません。

お天気の調べ方

お天気を調べるにはネットの天気予報が一番です。
でもひとつ注意しなくてはならないのは、天気予報の「晴れ」の定義。天気予報上は、空全体に占める雲の割合(雲量)が80%以下の場合「晴れ」扱いになります。

つまり、同じ「晴れ」でも、全く雲がない雲量0%かもしれないし、80%が雲に覆われてしまっているかもしれないのです。

ではどうすればいいか?
星見に使える天気予報サイトを、手軽なものからやや専門的なものまで、いくつかご紹介しましょう。

tenki.jp 星空指数
https://tenki.jp/indexes/starry_sky/

出典:tenki.jp

あまりややこしいことを考えたくない人にオススメ。見たい地点の「星空の見え方」をざっくり100点満点で教えてくれます。
星見に行くときは、指数70点以上であることが目安。
でも「天気予報」ですから、外れるときは普通に外れます!

GPV気象予報
http://weather-gpv.info

出典:weather-gpv.info

天文ファン御用達の気象情報サイト。
一番知りたい「雲量」を10%刻み、1時間毎に見ることができます。黒が雲量0%、白が雲量100%。

当たるときはばっちりピンポイントなのですが、大いに外れることもあって、絶大なる信用がある一方で、非難の的になることもしばしば^^;;

SCW気象予報
https://supercweather.com

つい最近始まったGPVの強化版サービス
GPVよりもさらに局地的(詳細)な情報が得られます。
また、雲の種類(雲形)まで表示され、「上層の薄い雲があるぞ」とか「中層まで雲が下りてきている」のような、より正確な情報を知ることが可能です。ただし、雲形など一部の情報は有料(月額280円)。
初めての方にはここまでは必要ありません。GPVで充分です。

時間帯によっても星の見え方は変わる!

天文薄明

当たり前ですが、昼間には星は見えません。お日さまが沈んでから空が完全に暗くなるまでの間を「薄明」と呼ぶのですが、「星を見るのに影響がある程度に空が明るい」時間帯を「天文薄明」と呼んでいます。

日没後、「天文薄明」が終わり、空がじゅうぶんに暗くなるまでの時間は、季節や緯度にもよりますが、本州地方ではだいたい1時間20分から2時間くらいです(夏の北海道では3時間を越えることもあります)。

天文薄明の時刻の調べかた

天文薄明が終わる・始まる正確な時間は、「天文薄明 (都市名)」で検索すると、「(都市名)の潮汐表」という形で出てきますので、そこから調べると便利です。

↓↓↓↓↓↓

出典・http://tide736.net/

薄明中の空の美しさはまた格別!

星を見るには、理想的にはこの「天文薄明」の時間帯を避けるべきですが、逆にこの時間帯は空の色と明るさがめまぐるしく変わってゆく最も美しい時間帯です。夕方なら、日没を眺めてから空が暗くなり満天の星となるまでの2時間をゆったり楽しむのも、通なやり方です。

波照間島の夕焼け。人工光のない場所での薄明の美しさは、筆舌に変えがたいものです。

 

Wikipedia 薄明

天文薄明・航海薄明・市民薄明の定義と詳細の解説はこちら。

星が一番良く見えるのは夜明け前

街灯りの明るさは、時間帯によっても大きく変わります。
人々がまだ活発に活動している早い時間帯は明るく、夜明け前に一番暗くなります。普通の人が寝ている時間帯が狙い目なのです。

でも、夜明け前は一番冷え込む時間帯でもあり、冬期はちょっとしんどいかも。
一つの目安としては、大型商業施設や飲食店などの営業が終了する夜の10時ごろを過ぎるとだんだん暗くなり、深夜1時を過ぎたころから夜明けまでがベストの時間帯。

あまり無理せず、自分の生活リズムと相談して計画しましょう。

「お月さま」の影響

月の明るさってどのくらい?

「お月さま」も「お日さま」同様、星の見え方を大きく左右します。人工の光のない、理想的な星空の明るさを1とすると、半月の夜でその13倍、満月の夜はその120倍もの明るさになります。

月明かりを避けるには?

降るような星空を眺めたいのであれば、月が大きな時間帯は避けた方が無難です。
日々の月の状態を調べるには、PCなら一発ぐぐってやればOK。

↓↓↓↓↓↓

出典:http://koyomi.vis.ne.jp/moonage.htm

iPhoneユーザは、アプリ「Diana」がオススメです。

Diana
Diana
開発元:sorakaze Inc.
無料
posted with アプリーチ

純粋に「星」を楽しむなら満月の夜は避けた方が無難ですが、月夜には月夜なりの美しさがあります

大分県久住高原。下弦過ぎの月明かりに照らされた天の川。

下弦過ぎの明るい月に照らされた高原で見た天の川。
星のよく見える場所であれば、この写真のように、半月くらいまでなら天の川は見ることがじゅうぶんに可能です。
(ただし、月と天の川の方向がかぶってしまうと苦しいです)

雲仙・小浜温泉。沈む満月。

月の出・月の入りは、日の出・日の入りとはまた違った格別の美しさがあります。特に満月の場合は薄明の時間帯と重なるためより一層楽しめます。

天文マニアならともかく、これから星を眺めてみようという方は、月の「太さ」はあまり気にする必要はありません。むしろ月が「どこから何時に昇って、どこに何時に沈むか」を意識して空を見上げれば、さらに星空を楽しむことができるでしょう。

どんな星がいつ見えるの?

ここまでのお話では「星」とひとくくりにしてきましたが、夜空にはいろんな星、また星だけでなく惑星、流星、人工衛星などもあります。
この章では、いつどんな星が見えるのかと、その調べ方をご紹介します。

ずばり、オススメは?!

夜空の星も、現実社会同様に?「華やかなスター」もあれば、通好みの地味なのもあります。まずは、初めて星空を眺める人にオススメの「華やかなスター」たちをご紹介しましょう。

夏の天の川

まずは星空で一番賑やかで人気の、ダイナミックな夏の天の川です。

夏の南の空、夏の大三角からいて座へと流れる天の川

夏の天の川は、4月・5月なら夜半過ぎから明け方の南空、7月から9月までなら夕方の南空に見ることができます。

夏の天の川は明るいため、少々街灯りがあってもぼんやりと光る姿を確認することができます。
でも、天の川の明るい部分は南に低いので、見晴らしのよい場所を選びましょう。

冬のダイヤモンドと天の川

一等星の数と密集度では全天一!まさに「キラ星」のように明るい星が集まっている「冬のダイヤモンド」が二番目!

冬の東南の空に昇る冬のダイヤモンド

冬のダイヤモンドには一等星が7個も集結していて、空を見上げればすぐにわかる賑やかさ。夏の天の川よりも高い位置にあり、秋の明け方から春の夕方まので、1年の半分以上の期間見ることができます。

冬のダイヤモンドの中を冬の天の川が流れているのですが、これはちょっと淡くて難易度高め。

夏の大三角からカシオペア座、秋の天の川

季節的に一番無理なく眺められるのは秋の空です。しっとりと流れる秋の天の川は、まさに秋の夜長向け!

秋の北天を流れる天の川

夏の天の川からははくちょう座を経て、秋の天の川となってカシオペヤ座を流れ、再び南へ下って冬の天の川と続きます。

秋の天の川は北の方角にあるため、秋の夜にはほぼ一晩中見ることができます。

 

北斗七星から春の大曲線

春の夜空は一番地味。残念ながら「春の天の川」はないんです。でも、誰でも見つけられる「北斗七星」が一番良く見えるのは春の空です。

流星をみよう!

星見の華はなんといっても流れ星
活発な流星群が活動していないときでも、星のよく見える場所で1時間空を眺めれば、少なくとも数個、運が良ければ十数個の流星を見ることができます!

白山室堂、冬のダイヤモンドの中を流れる流星。

流星が多く流れるのは、5月から8月にかけての夜明け前。
特に、8月のお盆前後のペルセウス座流星群は気候も良くオススメです。冬は12月のふたご座流星群も有名ですが、寒い季節なのでじゅうぶんに防寒して見るようにしましょう。

星空の調べかた

星座や惑星などのさまざまな天体が、いつどんなふうに見えるかを詳しく調べる方法をご紹介します。

「今月の星空」をチェック!

天文雑誌や星空ガイドの定番に「今月の星空」というものがあります。

AstroArts:星空ガイド
https://www.astroarts.co.jp/alacarte/index-j.shtml

出典:アストロアーツHP
画面キャプチャ・編集部

その月の宵の時間に見える星空の絵、月の形と位置、その月に起きる様々な天文現象(月と惑星の接近、流星群、「食」など)が一通り書かれています。

やや味気ないかもしれませんが、手軽に誰でも見られる星空情報なので、星見の前にチェックしておきましょう。

アプリを活用しよう

アプリをインストールすれば、スマホを空にかざすだけで、今見えている星座を簡単に調べることができます。

星座表
星座表
無料
posted with アプリーチ

 

スカイ・ガイド – 星図
スカイ・ガイド – 星図
¥360
posted with アプリーチ
星空シミュレーションソフト SUPERSTAR
http://www.sstar.jp/order/#ssv_beg
パソコンの場合、本格的な「星空シュミレーションソフト」を導入すれば、より詳しい星空の見え方を調べることができます。
このソフトウェアの場合、初心者向けバージョンで送料税込み2000円。

 

いかがでしたか?

この<前編>では、星空体験の素晴らしさと、星空に出会うためのヒントをご紹介しました。
次の<中編>では具体的に星見スポットを探す方法、そして<後編>では実際に星見に行く際の様々なノウハウと、さらに興味を持たれた方への次のステップへのヒントをお届けします!


  • 特に注記のない画像は編集部が撮影したものです。