ベランダO3撮影再び

小石原で撮ったミルクポット星雲が思いのほかよく写ったので、ベランダでも再度O3で撮影してみました。


EOS6D(SEO-SP4) FSQ106ED+645RD 4min*3 ISO1600
Baader OIII 8.5nm トリミング
SXP+GT40オートガイド 2017.2.28 福岡市内自宅ベランダ

総露出たった12分ですが、「ベランダではO3は悲しいほど何も写らない」前回書いたことは撤回します^^;;
過去ログをひっくりかえしてみると、O3では過去何回かベランダ撮っていましが、ある時の印象がダメダメすぎただけで、それなりに写ってくれるようです。

では、小石原とベランダではどのくらい違うのでしょうか?

 

小石原。Kiss X5のISO6400、10分露光。

 

自宅ベランダ。6DのISO1600、4分露光。

 

どちらもリニア現像で+2EV露光補正、ホワイトバランスは太陽光。
露光とISOの差は3.5EV。ヒストグラムのピークが半段分ほど違うので、ざっくり言ってトータルで小石原はベランダより4EVバックグラウンドが暗いと言えます。

ふーん。思ったほど違わなかったですね。6EVくらい違うかと思っていました。

しかし、たかが4EV、されど4EV。16倍の差ですよ・・
南東向きベランダで南中前の対象を低い高度で1回2時間でねちねち撮るくらいなら、往復3時間かかっても小石原まで行く方が効率的なのは間違いない・・

もうひとつ、淡いのも撮ってみました。

 


ISO1600 4min*12 トリミングなし

悲しい。あまりにも残念な画像・・
本来ならここには「」が描き出されるはずなのに・・(モノクロですけどw)

οSco周辺の青いのは反射星雲なのでナロー向きではないと聞いたことがあるのですが、そのせいなのか?それとも単に淡いだけなのか・・48分でこれではちょっとめげますね–;

しかも使い回しのフラットが合ってません–;
FSQのカメラアダプタ側にO3フィルターを装着しているのですが、若干ケラレている模様。中央部にはフィルターの反射とおぼしき大きな丸い光芒も。

フラットはフィルターも含めて完全に同一の光学系で撮らないとダメですね。がんばれ自分・・

太良・夏の天の川との再会

佐賀の太良に行ってきました。
メインは牡蠣と竹崎ガニでしたが、夜明け前に晴れたので宿の近くで撮影しました。

 


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EOS6D SIGMA24mmF1.4Art F2.8 30sec*32モザイク
ISO1600 固定撮影 プロソフトンA

夏の天の川が有明海を望む東の空から昇ってきました。
いよいよ夏空シーズン到来です。

干満差6mの有明海、潮回りは大潮ですが夜の干潮から約2時間後。干潟に海水が満ち始めた時間帯、浅い海面に星が映えました。

 


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EOS6D SIGMA24mmF1.4Art F2.8 30sec*10モザイク
ISO1600 固定撮影

その少し後。こちらはソフトフィルターなし。
潮はさらに満ちて干潟は海水で覆われます。
同時に雲が湧いて天の川を覆ってしまいました(TT)
自宅から高速料金なしで約3時間。この付近は今シーズン再度行ってみたいところです^^

海面と空のグラデーションが美しいのはソフトフィルターなしならでは。
ソフトフィルターの有無によるパノラマ撮影の比較も今回の目的だったのですが、ソフトフィルターを入れると地上の空気感が損なわれるように思います。これからのデフォルトは「なし」かな。

今回も24mmレンズでパノラマ撮影。
海をしっかり写し込むには堤防の上にカメラを設置する必要があり、三脚を縮めて設置。
堤防の上に昇らないとカメラが操作できず、南側と北側でこのように体制変更^^;

昇ったり下りたり、昇ったり下りたり。
このネタ画像を撮るのもセルフタイマーで一苦労w


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EOS5D3 Tamron15-30mmF2.8 15mm  F2.8 30sec
ISO1600 固定撮影

折角なのでセルフィーを何ショットか撮影。
星屑が夜空に。「星空、ひとりきり」

——-

ところで。24mmのモザイクパノラマと、15mmの対角魚眼ではどれほどの画質の違いがあるのでしょうか。比較してみました。
単純計算では、中心部でセンサーサイズが24/15=8/5=1.6倍になる効果があることになります。


EOS5D3 EF8-15mmF4L F4 15mm 30sec
ISO3200 固定撮影

この作例は対角魚眼1枚撮り。
時間帯もカメラも違うので厳密には比較できませんが、このサイズ(長辺1024px)では違いがわかりません。

長辺2048pxに縮小して比較。左が15mm、右が24mm。
少し差が出てきましたが、圧縮表示されるとこの程度の違い。
正直いって、この程度のサイズまで縮小すると、苦労してステッチ(モザイク)するほどの効果はありません。

縮小なしの画像を比較。
ここまで来ると差は歴然。1枚撮りでは収差の影響で特に周辺部が荒れますが、モザイクではそれがありません。

アンタレス付近。こちらも差は歴然。
F4とF2.8の差を差し引く必要はありますが、シャープ感・ノイズ感とも比較になりません。

さて、この結果。当たり前っちゃー当たり前ですね。
1枚撮りの撮影時間は30秒、処理の付加コストもなし。
ステッチは撮影時間約15分、処理には30分ほど余計にかかりました。

画質を追求すればステッチ以外の選択肢はありませんが、1枚撮りもけっこう頑張っているので、要は使い分けですね。
これも当たり前の結論。


ステッチ画像からトリミング

ステッチには実戦的メリットもあります。
ステッチ画像からのトリミングが自由自在。
とりあえず広く全部撮っておいて、後から好きに切り出すことが可能。しかも中心部だけ使っているので1枚撮りと比較して画質ははより良好。

全天60枚、半天30枚には時間がかかりますが、2*4の8コマなら5分かからないので、気張りすぎずにステッチのメリットを出すには「少?枚数ステッチ」のメソッドも有効そうです。

そもそも24mmで60枚の全天ステッチは変態的です^^;;;
全天パノラマVRの主流は対角魚眼or超広角での6枚ステッチみたいですから・・

何かと当たり前の結論が多い拙ブログでした^^;

佐賀県太良町大浦・撮影地魚眼コレクション

同一条件による撮影地の魚眼画像シリーズ。
撮影地の空の暗さ・状態の記録のためのエントリーです。
佐賀県太良町大浦
この場所の公開に問題がある場合は、鍵コメントにてご指摘下さい。
連絡先付きで非公開の要請があれば、地図リンク・住所表示を削除します。

EOS5D3 ISO3200 30sec ホワイトバランス太陽光
ソフトフィルターなし 固定撮影
DPPにてISO3200 90sec相当に露出補正

  • 多良岳の麓、有明海に突き出した海岸。
  • 近隣には旅館や民家がそれなりにある。空は決して暗いとは言えないが、白木峰よりやや明るい程度でそれなりの星空。
  • 東側が有明海。有明海は干満の差が大きく引き潮の時は沖まで干潟が広がり、時間帯によって大きく表情を変える。様々な表情の海を背景に星景には良いスポット。
  • 波止場の堤防は3メートルほどあってやや高い。落ちるとタダでは済まないので注意。
  • 堤防の上は一番縮めた状態の三脚をぎりぎり置けるくらいの幅があるが、すこしでもずれると一式海の中に落ちるので要注意。
  • すぐ近くの駐車場にトイレあり。

 

  • ここから多良岳に向かう途中にはいくつもの見晴らしの良いスポットがあり、条件はそちらの方がよさそう。
  • 山茶花高原には大きな風車がいくつかあってこちらも星景撮影には良さそう。
  • 太良町の海岸沿いは至るところに有明海側の視界が良く開けたスポットがある。道の駅鹿島、道の駅太良はどちらも海岸まで下りることができる。

 

  • 冬場の牡蠣は絶品。竹崎ガニ(ワタリガニ)の産地としても有名で、冬は雌・夏は雄が美味い。道の駅でも販売している。小1500円、特大4000円程度だった。
<特に記載のない場合は下記の条件で撮影、処理しています>
EOS5D3 EF8-15mmF4L 絞り開放
90秒ISO3200(非光害地用) または
30秒、ISO1600(光害地用)
ポラリエ恒星時モードで追尾
ピクチャースタイル風景、トーンカーブ・レベル補正なし、
収差補正なし、スタックなし ホワイトバランスオート
ソフトフィルター LEE No3

M42ナローバンドASO合成

最近Hαのモノクロに妙に力が入っているのですが、カラー合成にもチャレンジ。たぶん全天一明るいDSO、M42です。

FSQ106ED+EOS Kiss X5(O3,S2,B)
EF300mmF2.8LIS+α7S(Hα)
2017.2.21 福岡県東峰村小石原

ナローバンドの疑似カラーはハッブル宇宙望遠鏡の「SAO合成(RにS2、GにHα、BにO3)がメジャーですが、この作例はRにHα、GにS2を割り当てたASO合成です。

SAOの場合、人間の眼の空間解像度の高いGバンドにS/Nの高いHαを割り当てるため派手になりますが、反面緑が勝って非日常感満載になります。

一方、ASOの場合はHαがRバンドなので通常のRGBにより近い印象になります。個人的にはこちらの方が好み。

ナローで撮るとランニングマンが通常カラーとずいぶん違う形に写りますね。そのままでははっきりしなかったので、強調するために、RGBカラー画像のBバンドを比較明合成しています。

ちなみに、M8で全ての色の組み合わせを試した作例はこちらです。

左:Hα ISO12800 30sec*60
中:SII ISO3200 10min*4
右:OIII ISO3200 5min*10

各バンドの素材画像。
ランニングマンがOIIIにしか見えないとか、Hαが周辺まで広がっているのに対して、SIIの領域が中心から中間部に固まっていて固有の複雑な構造が見えるとか、なかなか興味深いです。


左:R
中:G
右:B

こちらは通常カラーによるRGB画像。
ランニングマンはBにもGにも出ています。

また、RとHαのランニングマンの違いが興味深い。
通常カラーではHαもSIIもRバンドなので一緒くたになって分離できないのですが、それでも必ずしもR=Hα+SIIにはなっていないように見えるのが面白いですね。

ちなみに、中心部の白飛びを補正するために短秒のコマも撮影して合成しているのですが、Kiss X5は若干白飛びするのが早いのか、うまく中間部を補うことができませんでした。


EOS Kiss X5 SII ISO800 30sec*30
Baader SII 8nm

S2の短秒画像。スタック直後ママ。
なんじゃい、この黒点ノイズは・・・
出来の悪いトーンカーブ補正でノイズだけ浮かしたようです。

おい、そこのDIGIC!!
何か余計なことしてるんちゃうんかい!
あくまで想像ですが、黒点ノイズはカメラ側に設定されたダークパターンノイズの過剰補正ではないでしょうか。

短秒露光画像は、トーンカーブが極端に左に寄るので、暗部のノイズ(ないしは画像処理エンジンの「仕様」)がモロに出ますね・・

この現象、Kiss X5だけの事象なのか、6Dでもそうなのか、少し調べてみようと思います。

α7S ISO400 15sec*30

ちなみに、α7Sでも若干こういう傾向は見られますが、これほど酷くはありませんでした。(もっと露光を短くすると出るのかも?)

その一方で謎の黒線が・・・なんじゃこら。。
これは見なかったことにしよう・・–;;

撮影すればするほど謎が増える泥沼ですが、気を取り直して次回はもっと腰を落ち着けてコマ数を稼ぎ、段階露光ももう一段刻んで撮ってみたいと思います。

O3ナローバンド試写・ミルクポット星雲(Sh2-308)など

前回の撮影の処理も終わっていないのにまたまた小石原に出撃。
23時過ぎまで晴れていたのですが、珍しくGPVどおりに曇ってしまいました。

雲が出始めたのでOIIIでいくつか試写。


EOS Kiss X5(HKIR改造) FSQ106ED+645RD 10min*2 ISO3200,6400
Baader OIII 8.5nm SXP+GT40
2017.2.21 福岡県小石原

ミルクポット星雲、Sh2-308。
前回M41と同一構図でカラー撮影した青い丸いやつです。
たった2枚の総露出20分ですが、丸いヤツがくっきりと。
20枚くらい重ねれば、もっと細かいところも出てくるかな?

ミルクポット星雲といえば、ぴんたんさんのマスターピースがこちらにあります。総露出8時間。いつかカラー合成でやってみたいですね^^

 

 

ISO6400、10分の素材画像。
ベランダ撮りでは悲しいほど何も写らないOIIIですが、暗い空でしっかり露出すると、青い淡いのがよく出ること。
素材画像でここまで出てくれると嬉しくなっちゃいます^^

OIIIの波長は500nm前後。青みがかった緑色。
ヒストグラムでは緑色が勝っています。
ベイヤーセンサーにとってはHαやSIIより2倍優位ですね。

 

 


左:Bチャンネル
右:Gチャンネル

BとGの、少し強調した等倍画像の比較。
Gの方がずっとノイズが少ないですね。
今回はBはそのまま残してRにGをコピーしましたが、Bは捨てた方がよかったかも。

 

 

X5のISO6400で10分露出だとどのくらいノイズがでるか心配でしたが、思いのほか低ノイズでした。
気温は0度くらい。夏場はどうなるのかわかりませんが^^;;

 

EOS Kiss X5(HKIR改造)  FSQ106ED+645RD 5min ISO6400
Baader OIII 8.5nm SXP+GT40
2017.2.21 福岡県小石原

半分雲の中でもう1対象。トールのかぶと星雲(NGC2359)。
この星雲は輝度が高くて、5分露出でもしっかり出てきます。
こちらも、ぴんたんさんのマスターピースへのリンクを貼っておきます^^