最近始めたパノラマ撮影ですが、今年の大きなテーマとして取り組んで行こうと考えています。
さしあたって2つ新機材を導入しました。

新機材導入後のパノラマ撮影構成。プレートとクランプは手持ち品の使い回しですが、一から揃えると2万円くらい。

今回導入したのは、三脚と水平プレートの間にある、赤いつまみの機材。全天をn分割してぐるりと撮影するための「ローテーター(MENGS DH-55、5349円)」と水平出しをするための「レベラー(MENGS LP-64、3299円)」です。

パノラマ撮影機材といえばNodal Ninjaが有名ですが、ちょっとお高くてこの4倍近くになります。Amazonのレビューを見ると激安品は散々な評価なのですが、ヒトバシラー精神とケチケチ精神が頭をもたげ、激安品で揃えました^^

 

 

ローテーターDH-55。
アルカプレートが1枚付いてきます。
重量とサイズは中型の自由雲台くらい。

造りはまあまあしっかりしています。
グリスの重さや回転のスムーズさも合格点。

 

上部はアルカクランプを皿ネジで2点止め。
底部は円形のアルカプレートを皿ネジで2点止め。
このプレートを外せば3/8太ネジ、1/4ネジで接続できます。

 

この機材のミソは、全周360度をn分割したクリックストップで回転できること。
例えば、n=15のときは360/15=24度づつ回転させることができます。
この仕組みは、円筒のドラムに一定間隔で小さな凹みを持たせ、ボールとバネの入ったクランプ(写真右の赤いつまみ)でしめることでその点でクリックストップが働きます。

もう1個黒い丸クランプがついていて、これを締め込めばしっかり固定することができます。

ちなみにnは72,36,24,18,15,12,10,8,6,4の10種類。
これまで使っていたパノラマ雲台はn=24(15度刻み)の1種類だったので大きな進化^^

でも激安品の悲しさでいくつか問題がありました。
一つは刻み角があまり正確でないこと。
全周回す間に、目盛上の角度が最大で3度から5度ほどずれてきます。
このズレがどれくらい問題になるのかはよくわかりませんが・・

もうひとつは、クリック位置と0度が合ってないnの値があること。n=4(90°),8(45°),12(36°),15(24°)の場合、0度位置でクリックになりません。例えば、n=4の場合は40度、n=8の場合は-20度がクリック位置になっています。
目盛環の0度の位置で全角度クリックになるべきだし、それができない理由は見当たらないのですが。

この2つの問題、自分の場合は(たぶん)大きな問題にならないとは思いますが、気持ち悪い。さすが激安品。
用途や個人の価値判断によっては完全アウトの場合もあるかもしれません。

 

雲台の回転は、クリックストップと独立して行うこともできます。これを固定するのが黒いレバークランプです。

ただ、クリックストップ設定用のつまみが、設定によってはこの黒いレバークランプと微妙に干渉します。N=12,10,8の一番使いそうな位置で干渉するのがちょっと微妙・・

クランプは六角ネジを緩めれば60度単位で調整できるので使えない位置はないとはいえ、注意が必要です。調整用のヘックスキーは必携でしょう。

 

もう一つの機材。レベラーLP-64。

この機材の目的は、パノラマ雲台の回転軸の水平出しをするためのもの。
パノラマ撮影では360度ぐるっと雲台を回転させて撮影するので、水平に狂いがあると水平線が直線にならずサインカーブになってしまいます。
前回撮影したときは、三脚の伸縮で合わせたのですが、なかなかきちっと合わせることができず、パノラマ雲台の必要性を感じていました。

レベラーにはいろんな製品が出ていて、安いものは3000円ちょっと(これです^^;)、高いもの(Nodal Ninja)は1万円以上します。

スリックの製品は早くサクッと調整できそうですが正確に追い込みにくそうなのと固定が甘いとのレビューで除外。
ベルボンの製品と最後まで迷ったのですが、安い方のこっちに決定w

 

 

下側の大きなつまみを回して角度を調整し、上側の小さい方のつまみを回して固定します。

この機構はNodal Ninjaとたぶん同じなのですが、アマゾンのレビューではしっかり止まらないと酷評されていました。
実際使ってみると、確かに強い力をかければたわんでしまします。でもがたつきはないけど・・?

最初、上の写真の左のように固定するのとばかり思っていました。でもこのやり方ではちゃんと固定できません。
正解は右側。こうすれば一応ガタなく固定できます。
2キロ程度の機材なら値段なりに充分でしょう。

 

お笑いなのは水準器。
レベラーの水準器で水平を出してみましたが、その上の機材の水準器はこのとおりてんでばらばら。
レベラーの水準器はまったくあてになりません。ない方がマシ。
昨今の中華機材の水準器地獄にはうんざり- -;

Nodal Ninjaのレベラーには水準器がついていないのが不便とのレビューがありますが、付けない方が賢明な判断かもしれません。

カメラを固定するプレートや垂直方向の雲台も微妙に重量でたわみます。レベラーの時点で水平を合わせるのではなく、昨今のデジタル一眼には大抵ついている電子水準器で合わせるのが一番かもしれません。


最大に傾けたところ。
水平位置からこの角度まで傾けるにはけっこう回数をまわさなければなりません。
三脚側でもある程度水平にしておいた方が設置が早いでしょう。
んんん?何のためのレベリングユニットだったっけ?w

前述の水平が出ていない場合の地平線のゆがみですが、PhotoMergeでは補正できないのですが、ICEやPTGuiなどでは簡単に補正できてしまいます。

いろいろ考えていると、パノラマ撮影にレベラーは必須ではなさそうです。はっきりいってない方がいいかも^^;;;;

もちろん水平は出ているに超したことはありません。ビデオ撮影や全天でないパノラマではきっちり水平を出すことは重要でしょう。でも、全天パノラマの場合は不要と言い切っても良さそうです。

うーん。三脚の伸縮で水平出しするのがかなり面倒くさかったのでついぽちってしまいましたが、こっちはちょっと失敗。山に持っていくときはたぶん置いていくことになるだろうなあ・・

買うならベルボンだったかも。
これならポラリエの極軸微動にも使えそうだし・・

まあNordal Ninja製を買わなくてよかったということにしておきましょう^^;(でも本当にきっちりと水平出しをしなければならないケースでは、LP-64では力不足でしょうね・・)

 

 

ところでこの2つの製品、中華製激安品には珍しく、化粧箱とケースに入っていました。
使用フェーズでは無用の長物なのですが、オクに出すときの梱包材としてはけっこう重要です^^

メーカー的にも、製品毎に梱包材を製造するくらいなら、汎用ケースを梱包材として使った方が安上がりなのでしょう。ある意味とても合理的ですね^^

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