ディープスカイの撮影に魅せられた、ガチ天マニアのみなさんこんにちは!今回は、天リフ1万人読者の皆様に御提案です。

企画趣旨

ここ数年、天体写真はどんどん尖鋭化しています。より淡くより暗い対象をより鮮明に美しく撮りたい。そんなディープな多くのマニアたちが、持てる全ての機材と技術を駆使して、日々さまざまな対象を撮影されています。そして、総露出時間は長くなる一方。露出時間5時間オーバーは普通で、10時間を越える強者もちらほら。「海外では30時間が普通」なんてこともまことしやかにささやかれています。

でも、露出時間を長くすると、今度は撮れる対象が少なくなってしまいます。2時間で5対象撮るのか、10時間で1対象撮るか。5時間かけて撮ったけど、もっと滑らかにしたい、でもこの対象をもう5時間撮り増しするのか、しないのか。。。悩みは尽きません

そこで!皆で力を合わせて、一つの対象を撮ってみませんか?一人1時間でも、100人集まれば100時間になります。日本のガチマニアの力を結集して、誰も見たことのない超絶リザルトを実現しようではありませんか!

今回のトライアルの概要

まずは最初なので、いろいろ細かいところは思い切って丸めます。構図だけ合わせて、最終画像(jpeg)を持ち寄りましょう。その画像を事務局(天リフ編集部)が位置合わせしてPhotoshopのレイヤーにします(*)。それを「ある比率(後述)」で加算平均します。それだけです。

(*)撮影者名をレイヤー名にしますが、匿名希望に対応します。

カメラ・光学系は何でもOKです。センサーサイズ不問、十字光条の反射望遠鏡でも、ウニウニ光条のカメラレンズでもかまいません。とにかく全部そのままコンポジットします。次回以降があればもう少しこまかくレギュレーションを決めるかもしれませんが、まずは全部重ねてみましょう、というのが趣旨です。

最終リザルトの取り扱い方法

集まった個々の画像の著作権はもちろん撮影者様にそのまま帰属し、コンポジットされた画像の著作権は全員のものです。ただし、レイヤー化された最終(一歩手前)画像は、一定のライセンス形態(*)で広くネットに公開したいと思います。

(*)「作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示を要求し、作品を改変・変形・加工してできた作品についても、元になった作品と同じライセンスを継承させた上で頒布を認める」というクリエイティブ・コモンズの「CC BY-SA」にしたいと考えています。これは、集まった画像を「さらにどう処理すればよりよくなるのか」を多くの人に試してもらいたいという趣旨です。

すごいアウトプットができればNASAの「APOD」に「共同撮影による天体写真プロジェクト」のような位置づけで、全員の連名で応募してみたいと考えています。天文雑誌などのフォトコンへの応募は賞金の分配が面倒そうなので、まずはやらない(やってはいけない)としたいと思います。

今回の対象

「心が折れそうなほど淡い」「ある程度メジャーな対象」という基準で、まずは以下の対象を選びました。お手持ちの光学系でこの写野を「切り取って」参加してください。指定の領域が含まれていれば、焦点距離は短めでもかまいません。

中望遠コース(85mm〜150mm程度)

背景画像スカイガイド、赤緯赤経線と写野範囲はステラナビゲータ10、実写画像はnabeさんの作例を重ね合わせ

ぎょしゃ座の勾玉星雲から超新星残骸sh2-240です。こちらの構図はnabeさんの以下の作例から拝借しました。黄色の枠がフルサイズ150mmでの視野範囲です。最適な焦点距離はフルサイズ135mmでしょう。この領域を入れて撮影された画像でご参加ください。

星撮り日記・理想のレムナントsh2-240はまだ遠い
https://starphotographing.blog.fc2.com/blog-entry-56.html

望遠コース(250mm〜500mm程度)

背景画像スカイガイド、赤緯赤経線と写野範囲はステラナビゲータ10、実写画像はタカsiさんの作例を重ね合わせ

みんな大好き、変態領域のおうし座の分子雲です。ちょっと狭苦しいのですが、フルサイズ500mmの写野を想定して切り出しました。これなら焦点距離430mmのε130Dでも参加できるでしょう^^焦点距離500mmのε180EDではいっぱいいっぱいなのですが、2枚モザイクで切り出していただければ余裕です^^;;;

ぼちぼち星空眺めましょ・淡いよ?? おうし座分子雲 IC348~NGC1333
https://astrotakac.blog.fc2.com/blog-entry-269.html

参加方法と注意事項

画像の送付方法

・メールアドレスtenrefinfo@gmail.comに画像とデータをお送りください。タイトルは「共同撮影プロジェクト」で始めてください。

・画像は6000×4000ピクセル程度のjpeg画像としてください。ファイルサイズは最大2M程度でお願いします。

追記2019/12/03)画像サイズは目安です。無理に合わせる必要はありません。また、お題領域より広い場合もトリミングしなくてOKです。



・画像には以下のデータを添えてください。

撮影者名(ハンドル名でもOK):
公開希望のSNSアカウント・ブログURLなどがあれば:(追記2019/12/03
撮影日時:
使用鏡筒またはレンズ名:
焦点距離:
F値:
カメラ名:
センサーサイズ:
天体改造有無:
フィルター:
総露出時間:
追尾に使用した架台名:
撮影地:
最終psdファイルのレイヤー名を匿名にしたい:○ or ×
何か一言!:(なくてもいいです^^;;;)

※撮影時の機材画像や撮影風景を1枚添えていただければ、最後のまとめ記事で一言と合わせて一挙掲載させていただきたいと思います。

画像処理のガイドライン

基本的にアリアリです。特に基準は設けません。ご自分が一番よいと思うアウトプットでOKです。

受付期限

2020年1月10日(金)とします。新月期2回分ですが、勝負は年末になりますね^^ もちろん過去画像でもOKです。

好評なら第2回以降も!

面白い結果が出て参加者の皆様が楽しんでもらえたなら、第2回以降も考えたいと思います。いつも2,3の「お題」があって好きな対象で参加できるようになると面白いかもしれませんね!

画像の集まり具合や中間結果については随時Twitterなどでレポートしていきたいと思います。

多くの方々の参加をお待ちしております!


FAQ(よくある質問)

Q.天体改造機でないとだめですか?
A.いいえ。ノーマル機でも問題ありません。ただし、可視光域(波長380nm〜700nmくらい)を越えないようにお願いします。γ線・X線・紫外線・赤外線・電波・重力波などの画像はご遠慮ください。

Q.M4/3のカメラでも参加できますか?
A.はい、参加できます。指定の領域が撮影された画像なら、焦点距離・センサーサイズは不問です。ただし、規定のデータの明記をお願いします。

Q.ナローバンド画像でも参加できますか?
A.はい、参加できます。ただし、SAOハッブルパレットは色がおかしくなるのでAOOナローバンドないしはモノクロHαナローバンド限定とします。(AOOはそのまま、モノクロHαはRバンドに加算平均します)。

Q.すごい画像の中に自分のレベルの低い画像が混じると全体の品質を下げてしまいそうで気後れします。
A.大丈夫です、たぶん全部コンポジットすれば「一見品質が低い」ように見える画像でも全体の画質向上に貢献するはずです。個別の参加作品画像を横並びにしてどれが誰の画像かを明示するような見せ方をすることは行いません(個別に許諾をお願いすることはあるかもしれません)。

Q.参加していない人にも最終リザルトは公開されますか?
A.はい、公開されます。参加者の個々の作品は最終psdファイルにレイヤーとして含まれる形になります。

Q.モザイク合成画像でも参加できますか?
A.はい、できます。規定の領域が全て写っていればOKです。

検討中の事項

コンポジットの重み付け

参加作品をコンポジットする際は、便宜的に「単位角面積に入射する理論的な総光子数」を表す以下の数値を導入し、その比率で行うことを考えています。

総光子数指数=露出時間×光学系の有効口径の二乗

例)

  • 同一焦点距離、同一F値、同一センサーサイズ、同一露出量なら同じ比率
  • 400mmF5.6フルサイズ 60分と270mmF5.6APS-C 120分は同じ比率
  • 400mmF5.6フルサイズ60分と400mmF5.6APS-C 60分×2モザイクは同じ比率

※この想定はまだじゅうぶん検証できていないので、変わるかもしれません。

 

  https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/11/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-2-1024x538.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/11/fc6927a4cd7fc6f068de9eb5d3ae4aff-2-150x150.jpg編集部天体写真ディープスカイの撮影に魅せられた、ガチ天マニアのみなさんこんにちは!今回は、天リフ1万人読者の皆様に御提案です。 企画趣旨 https://twitter.com/tenmonReflexion/status/1199562618731515904 ここ数年、天体写真はどんどん尖鋭化しています。より淡くより暗い対象をより鮮明に美しく撮りたい。そんなディープな多くのマニアたちが、持てる全ての機材と技術を駆使して、日々さまざまな対象を撮影されています。そして、総露出時間は長くなる一方。露出時間5時間オーバーは普通で、10時間を越える強者もちらほら。「海外では30時間が普通」なんてこともまことしやかにささやかれています。 でも、露出時間を長くすると、今度は撮れる対象が少なくなってしまいます。2時間で5対象撮るのか、10時間で1対象撮るか。5時間かけて撮ったけど、もっと滑らかにしたい、でもこの対象をもう5時間撮り増しするのか、しないのか。。。悩みは尽きません。 そこで!皆で力を合わせて、一つの対象を撮ってみませんか?一人1時間でも、100人集まれば100時間になります。日本のガチマニアの力を結集して、誰も見たことのない超絶リザルトを実現しようではありませんか! 今回のトライアルの概要 まずは最初なので、いろいろ細かいところは思い切って丸めます。構図だけ合わせて、最終画像(jpeg)を持ち寄りましょう。その画像を事務局(天リフ編集部)が位置合わせしてPhotoshopのレイヤーにします(*)。それを「ある比率(後述)」で加算平均します。それだけです。 (*)撮影者名をレイヤー名にしますが、匿名希望に対応します。 カメラ・光学系は何でもOKです。センサーサイズ不問、十字光条の反射望遠鏡でも、ウニウニ光条のカメラレンズでもかまいません。とにかく全部そのままコンポジットします。次回以降があればもう少しこまかくレギュレーションを決めるかもしれませんが、まずは全部重ねてみましょう、というのが趣旨です。 最終リザルトの取り扱い方法 集まった個々の画像の著作権はもちろん撮影者様にそのまま帰属し、コンポジットされた画像の著作権は全員のものです。ただし、レイヤー化された最終(一歩手前)画像は、一定のライセンス形態(*)で広くネットに公開したいと思います。 (*)「作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示を要求し、作品を改変・変形・加工してできた作品についても、元になった作品と同じライセンスを継承させた上で頒布を認める」というクリエイティブ・コモンズの「CC BY-SA」にしたいと考えています。これは、集まった画像を「さらにどう処理すればよりよくなるのか」を多くの人に試してもらいたいという趣旨です。 すごいアウトプットができればNASAの「APOD」に「共同撮影による天体写真プロジェクト」のような位置づけで、全員の連名で応募してみたいと考えています。天文雑誌などのフォトコンへの応募は賞金の分配が面倒そうなので、まずはやらない(やってはいけない)としたいと思います。 今回の対象 「心が折れそうなほど淡い」「ある程度メジャーな対象」という基準で、まずは以下の対象を選びました。お手持ちの光学系でこの写野を「切り取って」参加してください。指定の領域が含まれていれば、焦点距離は短めでもかまいません。 中望遠コース(85mm〜150mm程度) ぎょしゃ座の勾玉星雲から超新星残骸sh2-240です。こちらの構図はnabeさんの以下の作例から拝借しました。黄色の枠がフルサイズ150mmでの視野範囲です。最適な焦点距離はフルサイズ135mmでしょう。この領域を入れて撮影された画像でご参加ください。 星撮り日記・理想のレムナントsh2-240はまだ遠い https://starphotographing.blog.fc2.com/blog-entry-56.html 望遠コース(250mm〜500mm程度) みんな大好き、変態領域のおうし座の分子雲です。ちょっと狭苦しいのですが、フルサイズ500mmの写野を想定して切り出しました。これなら焦点距離430mmのε130Dでも参加できるでしょう^^焦点距離500mmのε180EDではいっぱいいっぱいなのですが、2枚モザイクで切り出していただければ余裕です^^;;; ぼちぼち星空眺めましょ・淡いよ?? おうし座分子雲 IC348~NGC1333 https://astrotakac.blog.fc2.com/blog-entry-269.html 参加方法と注意事項 画像の送付方法 ・メールアドレスtenrefinfo@gmail.comに画像とデータをお送りください。タイトルは「共同撮影プロジェクト」で始めてください。 ・画像は6000×4000ピクセル程度のjpeg画像としてください。ファイルサイズは最大2M程度でお願いします。 追記2019/12/03)画像サイズは目安です。無理に合わせる必要はありません。また、お題領域より広い場合もトリミングしなくてOKです。 ・画像には以下のデータを添えてください。 撮影者名(ハンドル名でもOK): 公開希望のSNSアカウント・ブログURLなどがあれば:(追記2019/12/03 撮影日時: 使用鏡筒またはレンズ名: 焦点距離: F値: カメラ名: センサーサイズ: 天体改造有無: フィルター: 総露出時間: 追尾に使用した架台名: 撮影地: 最終psdファイルのレイヤー名を匿名にしたい:○ or × 何か一言!:(なくてもいいです^^;;;) ※撮影時の機材画像や撮影風景を1枚添えていただければ、最後のまとめ記事で一言と合わせて一挙掲載させていただきたいと思います。 画像処理のガイドライン 基本的にアリアリです。特に基準は設けません。ご自分が一番よいと思うアウトプットでOKです。 受付期限 2020年1月10日(金)とします。新月期2回分ですが、勝負は年末になりますね^^ もちろん過去画像でもOKです。 好評なら第2回以降も! 面白い結果が出て参加者の皆様が楽しんでもらえたなら、第2回以降も考えたいと思います。いつも2,3の「お題」があって好きな対象で参加できるようになると面白いかもしれませんね! 画像の集まり具合や中間結果については随時Twitterなどでレポートしていきたいと思います。 多くの方々の参加をお待ちしております! FAQ(よくある質問) Q.天体改造機でないとだめですか? A.いいえ。ノーマル機でも問題ありません。ただし、可視光域(波長380nm〜700nmくらい)を越えないようにお願いします。γ線・X線・紫外線・赤外線・電波・重力波などの画像はご遠慮ください。 Q.M4/3のカメラでも参加できますか? A.はい、参加できます。指定の領域が撮影された画像なら、焦点距離・センサーサイズは不問です。ただし、規定のデータの明記をお願いします。 Q.ナローバンド画像でも参加できますか? A.はい、参加できます。ただし、SAOハッブルパレットは色がおかしくなるのでAOOナローバンドないしはモノクロHαナローバンド限定とします。(AOOはそのまま、モノクロHαはRバンドに加算平均します)。 Q.すごい画像の中に自分のレベルの低い画像が混じると全体の品質を下げてしまいそうで気後れします。 A.大丈夫です、たぶん全部コンポジットすれば「一見品質が低い」ように見える画像でも全体の画質向上に貢献するはずです。個別の参加作品画像を横並びにしてどれが誰の画像かを明示するような見せ方をすることは行いません(個別に許諾をお願いすることはあるかもしれません)。 Q.参加していない人にも最終リザルトは公開されますか? A.はい、公開されます。参加者の個々の作品は最終psdファイルにレイヤーとして含まれる形になります。 Q.モザイク合成画像でも参加できますか? A.はい、できます。規定の領域が全て写っていればOKです。 検討中の事項 コンポジットの重み付け 参加作品をコンポジットする際は、便宜的に「単位角面積に入射する理論的な総光子数」を表す以下の数値を導入し、その比率で行うことを考えています。 総光子数指数=露出時間×光学系の有効口径の二乗 例) 同一焦点距離、同一F値、同一センサーサイズ、同一露出量なら同じ比率 400mmF5.6フルサイズ 60分と270mmF5.6APS-C 120分は同じ比率 400mmF5.6フルサイズ60分と400mmF5.6APS-C 60分×2モザイクは同じ比率 ※この想定はまだじゅうぶん検証できていないので、変わるかもしれません。    編集部発信のオリジナルコンテンツ