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【番外編】天体撮影のトリセツ【第二回】
エントリ一眼・キットレンズで星空撮影:LUMIX DC-GF90の巻
https://torisetsu.biz/news/2019/0821_w008_tentai2_09.html

「エントリ一眼」「キットレンズ」で星空を撮る、という企画の第二弾。マイクロフォーサーズのパナソニックDC-GF90です。

記事の内容

前回のEOS Kiss Mもかなり軽いカメラだったのですが、今回のパナDC-GF90はそれよりもさらに小型軽量。コンデジとみまがうほどの小ささです。

ガチで星を撮る人の中では、マイクロフォーサースはかなり少数派です。その中でもパナはさらに少数派。はて、こんなに小さなカメラで大丈夫なの?実写の前にはかなり心配していました^^

でも、天体用CMOSカメラのASI1600MMのセンサーはパナ製4/3、ASI294MCはソニー製の4/3と言われています、4/3センサーもパナソニック製センサーも、じゅうぶんに天体写真の実績はあるのです。

結果は記事をごらんいただければわかりますが、もうフルサイズとの性能差はセンサー面積比まで縮まったといえるでしょう。露出をしっかりかけて、使い方を間違えなければじゅうぶんOKです。実は次回のEM-10MarkIIIの実写も終わっているのですが、こちらは輝点ノイズがほとんど気にならない高性能。あとはM4/3の軽量コンパクトさが生きる使い方をすればいいのです。

 

若干の記事補足

雲はやや多かったものの、標高も高く空気は透明、なかなかよい星空でした。α7S EF8-15mmF4 15mm ISO6400 30秒

いくつか書けなかった点を補足しておきます。

ダーク減算が必要なカメラ・条件もある

筆者のメインカメラであるEOS6Dとα7Sでは「ダーク減算」は基本的にやっていません。やる必要が感じられないからです(*)。

(*)追記2919/9/8 「短時間露光(<数分)」「ヒストグラムが左寄り過ぎない」ことが前提です。

しかし、DC-GF90では輝点ノイズが多く「夏場は必須」といえるレベルでした。しかし、カメラの「長秒時ノイズ低減」に劇的な効果がありダーク減算できれいに消えるランダム性の少ない固定ノイズだといえます(*)。

(*)借用した実機が評価用の機種だったせいもあるかもしれません。多くの機種では輝点ノイズのプロファイルをカメラ側に持っているようです。

もうひとつ、冷蔵庫で0°Cに冷やした状態のダークも撮ってみましたが、これも劇的な違いがありました。0°ならダーク減算は不要かもしれません。

天体写真において、具体的なカメラ機種やセンサー温度を抜きにして、「ダーク減算」の要不要を論ずるのは意味がないと痛感しました。

ボディの軽さが生きるケース

使用した赤道儀はサイトロンジャパン様よりお借りしている「MSMローテータ」のサンプル品。小さなカメラとよくマッチします。

270gという軽量ボディは、小型のポータブル赤道儀によくマッチします。逆に、フルサイズ一眼に重いカメラレンズを使用すると、ポラリエですら重さに負けてしまうことがあります(*)。

(*)特に上の画像のように自由雲台を赤経軸に直づけするタイプの赤道儀は、縦構図で天頂を撮る場合のバランスの崩れがネックになることがあります。

その点、軽量なカメラでは超小型のポタ赤でも何の問題もないことでしょう。レンズの暗さを補うためにポタ赤を使うという選択肢もあると感じました。

操作性

エントリ機のデメリットもあります。現在のデジタルカメラの操作体系は混沌としています。メーカーによっても違えば、カメラによっても違います。用語も統一されていない。新しく初めてカメラを使うときは、ひとつひとつメニューと操作ボタンを確認しなくてはなりません。筆者のようにカメラに慣れているはずの人種でも、小一時間は触ってみないと使えません。

エントリ機、特に小型化されたエントリ機では、この操作性がさらに制約されます。実装スペースの制約でボタンとダイヤルの数が少なく小さくなるため、暗い場所で細かな操作するのはけっこう大変です。このカメラの操作設計はごく普通で問題というわけではないのですが、結局メニューボタンを押して山のような設定項目から目的の設定を探さなくてはなりません。

エントリ機でも操作性はエントリ向けではない。全く別の方向に進化しているiPhoneのカメラアプリとの違いを見るにつけ、根本的な何かが間違っているような気がしてなりません。

この後の連載

キットレンズの25mmF1.7の星像はなかなか優秀です。解放でも周辺像が大きく羽根形になるようなことがなく、少し絞れば星野写真でも十分使えます。1時間で9フレームほどモザイクすれば、かなり高精細な作品を撮れるでしょう(それやるべきでしたね^^;;)。 パナソニックDC-GF90 F2.2 60秒×4枚 ISO800 恒星時追尾

次回はオリンパスのOMD EM-10MarkIIIです。このカメラは以前ASPJのEさんからさんざん絶賛の評と作例を見せていただいていたこともあり、大いに期待していたのですがその通りでした。ライブバルブなどの天体写真向けのギミックも充実しています。お楽しみに!

その次はソニーとフジです。この2つはモンゴルに持参して少しガチっぽくも撮ってみようと思っています。

ハッシュタグ#天体撮影のトリセツ

Twitterに投稿されたハッシュタグ「#天体撮影のトリセツ」で記事に対するご質問・ご感想をお待ちしています!もれなくリプライさせていただきます。
また、画像を添えていただければアドバイスもさせていただきます!

 

 

http://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/08/0821_w008_tentai2_09_ogp2-1024x538.jpghttp://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/08/0821_w008_tentai2_09_ogp2-150x150.jpg編集部新着天体撮影のトリセツクリックで「トリセツ」連載記事にジャンプします。 【番外編】天体撮影のトリセツ【第二回】 エントリ一眼・キットレンズで星空撮影:LUMIX DC-GF90の巻 https://torisetsu.biz/news/2019/0821_w008_tentai2_09.html 「エントリ一眼」「キットレンズ」で星空を撮る、という企画の第二弾。マイクロフォーサーズのパナソニックDC-GF90です。 記事の内容 前回のEOS Kiss Mもかなり軽いカメラだったのですが、今回のパナDC-GF90はそれよりもさらに小型軽量。コンデジとみまがうほどの小ささです。 ガチで星を撮る人の中では、マイクロフォーサースはかなり少数派です。その中でもパナはさらに少数派。はて、こんなに小さなカメラで大丈夫なの?実写の前にはかなり心配していました^^ でも、天体用CMOSカメラのASI1600MMのセンサーはパナ製4/3、ASI294MCはソニー製の4/3と言われています、4/3センサーもパナソニック製センサーも、じゅうぶんに天体写真の実績はあるのです。 結果は記事をごらんいただければわかりますが、もうフルサイズとの性能差はセンサー面積比まで縮まったといえるでしょう。露出をしっかりかけて、使い方を間違えなければじゅうぶんOKです。実は次回のEM-10MarkIIIの実写も終わっているのですが、こちらは輝点ノイズがほとんど気にならない高性能。あとはM4/3の軽量コンパクトさが生きる使い方をすればいいのです。   若干の記事補足 いくつか書けなかった点を補足しておきます。 ダーク減算が必要なカメラ・条件もある 筆者のメインカメラであるEOS6Dとα7Sでは「ダーク減算」は基本的にやっていません。やる必要が感じられないからです(*)。 (*)追記2919/9/8 「短時間露光(<数分)」「ヒストグラムが左寄り過ぎない」ことが前提です。 しかし、DC-GF90では輝点ノイズが多く「夏場は必須」といえるレベルでした。しかし、カメラの「長秒時ノイズ低減」に劇的な効果がありダーク減算できれいに消えるランダム性の少ない固定ノイズだといえます(*)。 (*)借用した実機が評価用の機種だったせいもあるかもしれません。多くの機種では輝点ノイズのプロファイルをカメラ側に持っているようです。 もうひとつ、冷蔵庫で0°Cに冷やした状態のダークも撮ってみましたが、これも劇的な違いがありました。0°ならダーク減算は不要かもしれません。 天体写真において、具体的なカメラ機種やセンサー温度を抜きにして、「ダーク減算」の要不要を論ずるのは意味がないと痛感しました。 ボディの軽さが生きるケース 270gという軽量ボディは、小型のポータブル赤道儀によくマッチします。逆に、フルサイズ一眼に重いカメラレンズを使用すると、ポラリエですら重さに負けてしまうことがあります(*)。 (*)特に上の画像のように自由雲台を赤経軸に直づけするタイプの赤道儀は、縦構図で天頂を撮る場合のバランスの崩れがネックになることがあります。 その点、軽量なカメラでは超小型のポタ赤でも何の問題もないことでしょう。レンズの暗さを補うためにポタ赤を使うという選択肢もあると感じました。 操作性 エントリ機のデメリットもあります。現在のデジタルカメラの操作体系は混沌としています。メーカーによっても違えば、カメラによっても違います。用語も統一されていない。新しく初めてカメラを使うときは、ひとつひとつメニューと操作ボタンを確認しなくてはなりません。筆者のようにカメラに慣れているはずの人種でも、小一時間は触ってみないと使えません。 エントリ機、特に小型化されたエントリ機では、この操作性がさらに制約されます。実装スペースの制約でボタンとダイヤルの数が少なく小さくなるため、暗い場所で細かな操作するのはけっこう大変です。このカメラの操作設計はごく普通で問題というわけではないのですが、結局メニューボタンを押して山のような設定項目から目的の設定を探さなくてはなりません。 エントリ機でも操作性はエントリ向けではない。全く別の方向に進化しているiPhoneのカメラアプリとの違いを見るにつけ、根本的な何かが間違っているような気がしてなりません。 この後の連載 次回はオリンパスのOMD EM-10MarkIIIです。このカメラは以前ASPJのEさんからさんざん絶賛の評と作例を見せていただいていたこともあり、大いに期待していたのですがその通りでした。ライブバルブなどの天体写真向けのギミックも充実しています。お楽しみに! その次はソニーとフジです。この2つはモンゴルに持参して少しガチっぽくも撮ってみようと思っています。 ハッシュタグ#天体撮影のトリセツ Twitterに投稿されたハッシュタグ「#天体撮影のトリセツ」で記事に対するご質問・ご感想をお待ちしています!もれなくリプライさせていただきます。 また、画像を添えていただければアドバイスもさせていただきます!    編集部発信のオリジナルコンテンツ