全国の天文ショップをお訪ねする「天文ショップ訪問」。
第16回は北海道札幌市の「アストロショップAU」です!

アストロショップAUとは

アストロショップAUは、北海道唯一の天文ショップ。お店の前には「金・プラチナ高価買取」のノボリが立ち、入り口には「ジュエリーオーダー・リフォーム アトリエ七星」の文字が。ん?ここはジュエリーショップなの?

でも安心してください^^ お店に入ると望遠鏡が並び、壁には数々の天体写真が飾られています。

ビクセンAPマウント経緯台仕様に搭載された笠井のGINJIや、セレストロンの自動導入経緯台、ビクセンAP赤道儀など。陳列されている商品の数は決して多くはないものの、なんとなく通好みの商品が。

小笠原店長

アストロショップAUは、15年ほど前にこの場所にオープンしたそうです。店長の小笠原さんは古くからの天文マニアですが、元々はジュエリーの製作や修理が本業。上の写真は店舗奥の工房。ジュエリーの「土台」となる貴金属でできた部分を製作・修理するための工具がびっしりと並んでいます。

小笠原店長は、北海道を中心に、公共天文台の機材の製作やメンテナンスも手がけられています。上の写真は札幌市内の中島公園にある「札幌市天文台」ですが、このドームの機械部分のメンテナンスは小笠原さんの手によるもの。ほかにも、なよろ市立天文台の50cmと40cmの反射望遠鏡も小笠原さんの手によるものだそうです。

札幌天文同好会ブログ・2週連続!なよろ市立天文台・きたすばる!!
https://satten1956.exblog.jp/23765001/

「AU」と「Au」

ジュリーショップとしてのお店の名前は「じゅえるAu」。この「Au」は金の原子記号。上の写真は工房の作業台ですが、無造作に置かれた小判は本物の金製。その右はオパール。その奥のメタルスライムのような塊はプラチナ。

なるほど「アストロショップAU」の「AU」は金なのかっ!そう早合点して小笠原さんにお聞きすると「いやいや、このAUは天文単位のAUなんですよ。両方大文字でしょ。もちろんAuにかけているんですけどね。」とのこと。「でもね・・・2012年の国際天文学会の決議で、天文単位は小文字の『au』に統一されることに決まってしまったんです。」

なるほどなるほど、それでアストロショップの方の「AU」は両方大文字表記なのか。そして「天文単位」の表記ルールも変わっていたのかっ!皆さんもお間違えのないように!

じゅえるAu

お店の中には、天文機材と宝飾品が同じショーケースに。ペンタックス・BORG・コルキットスピカにネックレス。アストロショップAUでお買い物をするときは、奥様・彼女にプレゼントするためのジュエリーも一緒にお買い求めになれます^^

ショーケースの中の指輪の台。これらはすべて小笠原さんが製作されたもの。この土台に宝石をアレンジして仕上げるのが「じゅえるAu」の主力商品だそうです。しかし一つ一つが天文機材並みに高価・・・重量価格比がまるで違いますね^^

小笠原さんが天文ショップを始められた時点では、ジュエリー業務は将来は縮小していくことにならざるを得ない、と想定されていたそうです。ところが、予想に反して需要が減ることなく今日に至っているとか(*)。

(*)単なる「宝飾品の販売」ではなく「オーダー・リフォーム」というサービスであることが、世の中のニーズとマッチしたのかもしれませんね。

お店の入り口には、ビクセンの「宙ジュエリー」が。これは「アストロショップAU」にベストマッチ^^。筆者はこれまでは流していましたが、はじめてつぶさに見てみました。星の色に合わせて石を配置しているとか、カシオペヤには北極星も入っているとか、よく見るとマニア萌えする作りです^^(*)

(*)宝飾品のプロである小笠原さんの眼によると、お値段の割に本格的な作りになっているとのこと。筆者くらいの歳になると、自分でつけるのも人にあげるのも微妙ですけど^^;;

アストロショップAUと北海道の天文ファン

アストロショップAUは、主に道内の常連さんがお客様。古くから活動されている方の多くは顔なじみ。そんな中、「最近新しいお客様からの問い合わせが、なぜか増えているんです」と小笠原さん。

「地方ではなかなか補修部品が手に入りにくいんですよ」と小笠原さん。キャップをなくしたり、クランプハンドルのプラが割れてしまったり、ウェイトシャフトの先の止めネジをなくしたり。アストロショップAUでは、各社のそんな補修パーツが揃っているそうです。

小笠原さんは天体望遠鏡の整備・調整はお手のもの。修理や中古品の引き取り・販売も手がけられています。

これは渋い。BORGのプラ製ピラー仕様の赤道儀にターレットリボルバー仕様の接眼部の望遠鏡。これは初めて見ました。このプラピラーの中に鏡筒などが一式収納できるそうです。売り物かどうか、お値段は?不覚にも聞き忘れました^^;;

この青いのはやっぱり目立ちますね^^ 五藤のMARK-X。こちらは売り物ではなく小笠原さんの個人備品^^;;

各種パーツ類の棚。各種一式揃っています。

天文ショップのお約束、エメラルドグリーンのニクイい奴。BORGパーツも多数在庫。

アクセス

アストロショップAUの地図。Google Mapでは「じゅえるAu」と出てきますが、これはアストロショップAUと同じ店舗です。

札幌市営地下鉄東西線南郷7丁目駅2番出口より徒歩10分
中央バス月寒東線[61]に乗り、月寒東3条4丁目アトリエ七星前バス停下車徒歩1分
※無料駐車場あり

筆者は新千歳空港からリムジンバスで「月寒中央通2丁目」で下車し徒歩12分ほどでした。

営業:10:00~19:00
定休日/水・日曜、祝日
※不在の場合もあるとのことで、事前に電話で確認することをオススメします。

札幌市天文台(中島公園)訪問記

アストロショップAU様をお訪ねした翌日、札幌市天文台も見学してきました。

札幌市天文台は、札幌の中心街ススキノから徒歩10分弱の「中島公園」の中の小高い丘の上にあります。なんと通年営業。この斜面でそり遊びすることが、外国人旅行者の間でひそかなブームになっているらしく、冬はそりが常備されているとか。


定休日の月曜と祝翌日、午後休の火曜日以外は、昼間の10時~12時と14時~16時に望遠鏡を使って太陽を見ることができます。この日は青空の中の金星の姿を見ることができました。

ドーム内に収められている望遠鏡は、五藤光学の20cmED望遠鏡。追尾は自動ですが、導入は目盛環式。ドームは築60年以上、望遠鏡も30年前のものですが、昨年補修工事が行われたそうで、とてもキレイな状態で稼働していました。

目盛環は30分刻みでバーニア付き。赤緯の目盛環は高い位置にあるため、同架されている小さな望遠鏡で目盛を読み取るようになっています。

札幌仕様の特製星座早見盤。オリオン座は内地より低く、カノープスは当然地平線の下に。

繁華街のすぐ近くにこんな立派な天文台があることに驚きました。東京なら、日比谷公園に天文台があるようなものです。年間来場者は2万人超。大きな天文現象のあるときには、ドームの外まで長い行列になるそうです。

これは札幌市に出向いた際には、訪問する価値のある施設だと思いました。アストロショップAUからも地下鉄でスグの場所にあります。

まとめ

いかがでしたか?

北海道の人口は500万人、札幌市の人口は200万人。その札幌で唯一の天文ショップが「アストロショップAU」です。天文分野に限らず「熱いマニアのネットワーク」は年々高齢化しているのが全日本的傾向です。日本そのものの年齢別人口構成を考えればそれは必然でもあります。

その一方で、SNSでもニュースメディアでも、「○○ムーン」や「□□流星群」などの天文関連の話題が大きく盛り上がる昨今、世の中的な関心は高まっているはず。そして日本は、公共の天文台やプラネタリウムの人口当たりの数は世界一なのです。

趣味の世界は、日常の中で行動することが出発点。自分の足で行き、この眼で見て、五感で体験するのサイクルの総量が、天文界の熱量でもあります。そして、この手でお買い上げ!北海道・札幌方面に出かけたら天文ショップ、天文ショップなら札幌のアストロショップAUを、ぜひ訪ねたいものですね!


※本記事はアストロショップAU様に取材協力いただき、天文リフレクションズ編集部が独自に制作したものです。出典のない写真は編集部で撮影したものです。
また本記事に掲載した情報は取材時(2019/4/19)・執筆時のものです。掲載した商品の価格・展示・在庫を保証するものではありませんのでご了承下さい。

・文中の会社名、商品名等は各社の商標または登録商標です。

 

http://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/04/IMG_5815_m-1024x683.jpghttp://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2019/04/IMG_5815_m-150x150.jpg編集部新着天文ショップ訪問全国の天文ショップをお訪ねする「天文ショップ訪問」。 第16回は北海道札幌市の「アストロショップAU」です! アストロショップAUとは アストロショップAUは、北海道唯一の天文ショップ。お店の前には「金・プラチナ高価買取」のノボリが立ち、入り口には「ジュエリーオーダー・リフォーム アトリエ七星」の文字が。ん?ここはジュエリーショップなの? でも安心してください^^ お店に入ると望遠鏡が並び、壁には数々の天体写真が飾られています。 ビクセンAPマウント経緯台仕様に搭載された笠井のGINJIや、セレストロンの自動導入経緯台、ビクセンAP赤道儀など。陳列されている商品の数は決して多くはないものの、なんとなく通好みの商品が。 小笠原店長 アストロショップAUは、15年ほど前にこの場所にオープンしたそうです。店長の小笠原さんは古くからの天文マニアですが、元々はジュエリーの製作や修理が本業。上の写真は店舗奥の工房。ジュエリーの「土台」となる貴金属でできた部分を製作・修理するための工具がびっしりと並んでいます。 小笠原店長は、北海道を中心に、公共天文台の機材の製作やメンテナンスも手がけられています。上の写真は札幌市内の中島公園にある「札幌市天文台」ですが、このドームの機械部分のメンテナンスは小笠原さんの手によるもの。ほかにも、なよろ市立天文台の50cmと40cmの反射望遠鏡も小笠原さんの手によるものだそうです。 札幌天文同好会ブログ・2週連続!なよろ市立天文台・きたすばる!! https://satten1956.exblog.jp/23765001/ 「AU」と「Au」 ジュリーショップとしてのお店の名前は「じゅえるAu」。この「Au」は金の原子記号。上の写真は工房の作業台ですが、無造作に置かれた小判は本物の金製。その右はオパール。その奥のメタルスライムのような塊はプラチナ。 なるほど「アストロショップAU」の「AU」は金なのかっ!そう早合点して小笠原さんにお聞きすると「いやいや、このAUは天文単位のAUなんですよ。両方大文字でしょ。もちろんAuにかけているんですけどね。」とのこと。「でもね・・・2012年の国際天文学会の決議で、天文単位は小文字の『au』に統一されることに決まってしまったんです。」 なるほどなるほど、それでアストロショップの方の「AU」は両方大文字表記なのか。そして「天文単位」の表記ルールも変わっていたのかっ!皆さんもお間違えのないように! じゅえるAu お店の中には、天文機材と宝飾品が同じショーケースに。ペンタックス・BORG・コルキットスピカにネックレス。アストロショップAUでお買い物をするときは、奥様・彼女にプレゼントするためのジュエリーも一緒にお買い求めになれます^^ ショーケースの中の指輪の台。これらはすべて小笠原さんが製作されたもの。この土台に宝石をアレンジして仕上げるのが「じゅえるAu」の主力商品だそうです。しかし一つ一つが天文機材並みに高価・・・重量価格比がまるで違いますね^^ 小笠原さんが天文ショップを始められた時点では、ジュエリー業務は将来は縮小していくことにならざるを得ない、と想定されていたそうです。ところが、予想に反して需要が減ることなく今日に至っているとか(*)。 (*)単なる「宝飾品の販売」ではなく「オーダー・リフォーム」というサービスであることが、世の中のニーズとマッチしたのかもしれませんね。 お店の入り口には、ビクセンの「宙ジュエリー」が。これは「アストロショップAU」にベストマッチ^^。筆者はこれまでは流していましたが、はじめてつぶさに見てみました。星の色に合わせて石を配置しているとか、カシオペヤには北極星も入っているとか、よく見るとマニア萌えする作りです^^(*) (*)宝飾品のプロである小笠原さんの眼によると、お値段の割に本格的な作りになっているとのこと。筆者くらいの歳になると、自分でつけるのも人にあげるのも微妙ですけど^^;; アストロショップAUと北海道の天文ファン アストロショップAUは、主に道内の常連さんがお客様。古くから活動されている方の多くは顔なじみ。そんな中、「最近新しいお客様からの問い合わせが、なぜか増えているんです」と小笠原さん。 「地方ではなかなか補修部品が手に入りにくいんですよ」と小笠原さん。キャップをなくしたり、クランプハンドルのプラが割れてしまったり、ウェイトシャフトの先の止めネジをなくしたり。アストロショップAUでは、各社のそんな補修パーツが揃っているそうです。 小笠原さんは天体望遠鏡の整備・調整はお手のもの。修理や中古品の引き取り・販売も手がけられています。 これは渋い。BORGのプラ製ピラー仕様の赤道儀にターレットリボルバー仕様の接眼部の望遠鏡。これは初めて見ました。このプラピラーの中に鏡筒などが一式収納できるそうです。売り物かどうか、お値段は?不覚にも聞き忘れました^^;; この青いのはやっぱり目立ちますね^^ 五藤のMARK-X。こちらは売り物ではなく小笠原さんの個人備品^^;; 各種パーツ類の棚。各種一式揃っています。 天文ショップのお約束、エメラルドグリーンのニクイい奴。BORGパーツも多数在庫。 アクセス アストロショップAUの地図。Google Mapでは「じゅえるAu」と出てきますが、これはアストロショップAUと同じ店舗です。 札幌市営地下鉄東西線南郷7丁目駅2番出口より徒歩10分 中央バス月寒東線に乗り、月寒東3条4丁目アトリエ七星前バス停下車徒歩1分 ※無料駐車場あり 筆者は新千歳空港からリムジンバスで「月寒中央通2丁目」で下車し徒歩12分ほどでした。 営業:10:00~19:00 定休日/水・日曜、祝日 ※不在の場合もあるとのことで、事前に電話で確認することをオススメします。 札幌市天文台(中島公園)訪問記 アストロショップAU様をお訪ねした翌日、札幌市天文台も見学してきました。 札幌市天文台は、札幌の中心街ススキノから徒歩10分弱の「中島公園」の中の小高い丘の上にあります。なんと通年営業。この斜面でそり遊びすることが、外国人旅行者の間でひそかなブームになっているらしく、冬はそりが常備されているとか。 定休日の月曜と祝翌日、午後休の火曜日以外は、昼間の10時~12時と14時~16時に望遠鏡を使って太陽を見ることができます。この日は青空の中の金星の姿を見ることができました。 ドーム内に収められている望遠鏡は、五藤光学の20cmED望遠鏡。追尾は自動ですが、導入は目盛環式。ドームは築60年以上、望遠鏡も30年前のものですが、昨年補修工事が行われたそうで、とてもキレイな状態で稼働していました。 目盛環は30分刻みでバーニア付き。赤緯の目盛環は高い位置にあるため、同架されている小さな望遠鏡で目盛を読み取るようになっています。 札幌仕様の特製星座早見盤。オリオン座は内地より低く、カノープスは当然地平線の下に。 繁華街のすぐ近くにこんな立派な天文台があることに驚きました。東京なら、日比谷公園に天文台があるようなものです。年間来場者は2万人超。大きな天文現象のあるときには、ドームの外まで長い行列になるそうです。 これは札幌市に出向いた際には、訪問する価値のある施設だと思いました。アストロショップAUからも地下鉄でスグの場所にあります。 まとめ いかがでしたか? 北海道の人口は500万人、札幌市の人口は200万人。その札幌で唯一の天文ショップが「アストロショップAU」です。天文分野に限らず「熱いマニアのネットワーク」は年々高齢化しているのが全日本的傾向です。日本そのものの年齢別人口構成を考えればそれは必然でもあります。 その一方で、SNSでもニュースメディアでも、「○○ムーン」や「□□流星群」などの天文関連の話題が大きく盛り上がる昨今、世の中的な関心は高まっているはず。そして日本は、公共の天文台やプラネタリウムの人口当たりの数は世界一なのです。 趣味の世界は、日常の中で行動することが出発点。自分の足で行き、この眼で見て、五感で体験するのサイクルの総量が、天文界の熱量でもあります。そして、この手でお買い上げ!北海道・札幌方面に出かけたら天文ショップ、天文ショップなら札幌のアストロショップAUを、ぜひ訪ねたいものですね! ※本記事はアストロショップAU様に取材協力いただき、天文リフレクションズ編集部が独自に制作したものです。出典のない写真は編集部で撮影したものです。 また本記事に掲載した情報は取材時(2019/4/19)・執筆時のものです。掲載した商品の価格・展示・在庫を保証するものではありませんのでご了承下さい。 ・文中の会社名、商品名等は各社の商標または登録商標です。  編集部発信のオリジナルコンテンツ