ソニーからフルサイズ対応のEマウント広角レンズ「FE24mm F1.4 GM」が発表されています。

ソニー・プレスリリース
開放F値1.4からの高解像をクラス最軽量※1の小型設計で実現した
大口径広角単焦点レンズ Gマスター™『FE 24mm F1.4 GM』発売
https://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/201809/18-0921/

上記ツイートで「1339ドル」とあるのは「1399ドル」の間違いです。申し訳ありませんm(_ _)m。また、日本では希望小売価格税別198,000円とかなり高価な設定となりました。量販店価格はまだ出てきていませんが、他のGMレンズが75%掛け程度になっていることから考えると実売価格は税込17万前後ではないかと推測します。

驚異のMTF

カタログスペックだけでわかる内容としては、MTFの凄さ。サジタル(S)・メリディオナル(M)方向でのMTFの差がほぼ皆無で、これは非点収差による周辺部の流れが極めて少ないことを意味しています。

画像キャプチャ:編集部 https://www.sony.jp/ichigan/products/SEL24F14GM/photo-sample.html

こちらはソニーの商品サイトにある解放F1.4での作例。これを見る限り、周辺の流れはほぼ感じられず、星景用途では解放でも十分使えるといえるでしょう。

ただし、前玉があまり大きくないせいか、周辺減光は若干目立ちます。ソフトで補正するか、強調する星野写真では若干絞って使う方がよいかもしれません。

広角レンズでここまでS/MのMTFが一致したレンズはこれまであまり見たことがありません。キヤノン最高の広角レンズとも表されるEF35mmF1.4L IIでもこのくらいです。

美しいボケ味

dpreview Sony 24mm F1.4 GM sample gallery
https://www.dpreview.com/sample-galleries/9693305043/sony-24mm-f1-4-gm-sample-gallery/3037520628
https://www.dpreview.com/sample-galleries/9693305043/sony-24mm-f1-4-gm-sample-gallery/3037520628

凄いと思ったのが背景のボケ味の美しさ。解放F1.4での作例ですが、玉ボケが均一で(縁が太くなるような場合、ボケがざわついたり「二線ボケ」になったりします)、周辺でも形状があまり変わりません。

また、上下端の丸ボケが「カマボコ状」にならないのは、ミラーボックスを持たないミラーレスならではのメリット。編集子的には一眼レフの時代にこの現象にあまり文句を言う人が少ないのが不思議に思っていましたが・・・

α7S SAMYANG 35mmF1.4 ->F2.8 編集部撮影

天体写真ではこれまで「ボケ味」の美しさはほとんど評価対象になることはありませんでしたが、今後一部マニアwの間では重要になってくる気がしています。上の作例はサムヤン35mmですが、このレンズはなかなかいい感じです。

ショートバックフォーカスを生かした設計

各社の同クラスのレンズの構成図とMTFをまとめてみました。ソニーのFE24mmF1.4GMは、10群13枚と最もレンズ構成がシンプルで、445gと最軽量であるにもかかわらず、MTF的には非常に高い性能を示しています。ちなみに最も重いotus 1.4/28は1.3kgもの重量級です。

レンズ設計の素人である編集子が論じる資格はないのですが、短いバックフォーカスを生かして設計すれば、より高性能なレンズがより単純な構成で、軽量に実現できるということなのでしょうか。

だとすると、今後のミラーレス化の流れの中で「FE24mm F1.4 GM」のような軽量で高性能なレンズを各社がリリースする可能性は高いことでしょう。大いに期待できそうですね。 ソニー「FE24mm F1.4 GM」ショートバックフォーカスの威力https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/09/5cfe8019ab93fe3216d9916b6e825a05-1024x488.pnghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/09/5cfe8019ab93fe3216d9916b6e825a05-150x150.png編集部カメラレンズソニーからフルサイズ対応のEマウント広角レンズ「FE24mm F1.4 GM」が発表されています。 ソニー・プレスリリース 開放F値1.4からの高解像をクラス最軽量※1の小型設計で実現した 大口径広角単焦点レンズ Gマスター™『FE 24mm F1.4 GM』発売 https://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/201809/18-0921/ https://twitter.com/tenmonReflexion/status/1042902722737889280 上記ツイートで「1339ドル」とあるのは「1399ドル」の間違いです。申し訳ありませんm(_ _)m。また、日本では希望小売価格税別198,000円とかなり高価な設定となりました。量販店価格はまだ出てきていませんが、他のGMレンズが75%掛け程度になっていることから考えると実売価格は税込17万前後ではないかと推測します。 驚異のMTF カタログスペックだけでわかる内容としては、MTFの凄さ。サジタル(S)・メリディオナル(M)方向でのMTFの差がほぼ皆無で、これは非点収差による周辺部の流れが極めて少ないことを意味しています。 こちらはソニーの商品サイトにある解放F1.4での作例。これを見る限り、周辺の流れはほぼ感じられず、星景用途では解放でも十分使えるといえるでしょう。 ただし、前玉があまり大きくないせいか、周辺減光は若干目立ちます。ソフトで補正するか、強調する星野写真では若干絞って使う方がよいかもしれません。 https://twitter.com/mt_moco/status/1043039905046192128 広角レンズでここまでS/MのMTFが一致したレンズはこれまであまり見たことがありません。キヤノン最高の広角レンズとも表されるEF35mmF1.4L IIでもこのくらいです。 美しいボケ味 dpreview Sony 24mm F1.4 GM sample gallery https://www.dpreview.com/sample-galleries/9693305043/sony-24mm-f1-4-gm-sample-gallery/3037520628 凄いと思ったのが背景のボケ味の美しさ。解放F1.4での作例ですが、玉ボケが均一で(縁が太くなるような場合、ボケがざわついたり「二線ボケ」になったりします)、周辺でも形状があまり変わりません。 また、上下端の丸ボケが「カマボコ状」にならないのは、ミラーボックスを持たないミラーレスならではのメリット。編集子的には一眼レフの時代にこの現象にあまり文句を言う人が少ないのが不思議に思っていましたが・・・ 天体写真ではこれまで「ボケ味」の美しさはほとんど評価対象になることはありませんでしたが、今後一部マニアwの間では重要になってくる気がしています。上の作例はサムヤン35mmですが、このレンズはなかなかいい感じです。 ショートバックフォーカスを生かした設計 各社の同クラスのレンズの構成図とMTFをまとめてみました。ソニーのFE24mmF1.4GMは、10群13枚と最もレンズ構成がシンプルで、445gと最軽量であるにもかかわらず、MTF的には非常に高い性能を示しています。ちなみに最も重いotus 1.4/28は1.3kgもの重量級です。 レンズ設計の素人である編集子が論じる資格はないのですが、短いバックフォーカスを生かして設計すれば、より高性能なレンズがより単純な構成で、軽量に実現できるということなのでしょうか。 だとすると、今後のミラーレス化の流れの中で「FE24mm F1.4 GM」のような軽量で高性能なレンズを各社がリリースする可能性は高いことでしょう。大いに期待できそうですね。編集部発信のオリジナルコンテンツ