https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/1138249.html

 

昨日、ニコンがフルサイズミラーレスの「Z」シリーズを発表しました。さんざんティザーサイトで情報が流れていたこともあり、大きなサプライズは今さらありませんが、概要を見ていきましょう。

Zシリーズ概要

価格は高画素46MPのZ7が44万、24MPのZ6が27万円。Z7は「高い」というのがネット民の大方の感想。D810Aが30万を切る中、今この瞬間にZ7を買うのはちょっとコスパが良くないですね。

しかし、ファインダーの見え味を追求したとか、ボディ内手振れ補正がレンズ側補正と連動するとか、まあやるべきことはやってきていて、さすがニコンのフラグシップという感じのスペックです。

発売日がなかなか微妙。高い方のZ7が2ヶ月早く発売されます。例によって「供給不足」になるのは眼に見えていますから、ソニーとの本当の勝負は年明け以降でしょうか。

「Aモデルの発表」を0.01%ほど期待していたのですが、予想どおり?ありませんでした。まあまずは出すことが優先ですから、正しい経営判断でしょう。しかし、いつかは出してくれないと、全世界1000万人の天文ファンは首を長くして待っています。よろしくお願いします!

ニッコールZレンズ

ボディよりも注目したいのはニッコールZレンズ。ナノクリスタルコートが全製品に適用され、価格は高いものの高性能を全面に押し出しています。

http://www.nikon-image.com/products/nikkor/zmount/nikkor_z_50mm_f18_s/spec.html

Zニッコール50mmF1.8。ガウス型の6枚構成のレンズの前後に3枚追加し、非球面とEDを各2枚使用した意欲的な設計。開放F値は普通なのですが、MTFが素晴らしい。星野写真で開放F1.4で満足に使えるレンズは今のところotusしかなく、結局はF2〜F2.8に絞って使うことになります。それなら、開放F1.8で高性能な方が良い・・・このレンズの開放性能には大いに注目です。

追記)otus様との恐れ多い比較をどうそ^^

http://www.nikon-image.com/products/nikkor/zmount/nikkor_z_35mm_f18_s/spec.html
http://www.nikon-image.com/products/nikkor/zmount/nikkor_z_35mm_f18_s/spec.html

こちらはニッコールZ35mmF1.8。これはあまりこれまで見ない構成です。50mmF1.8もそうですが、ショートフランジバックを最大限に活用したレンズ設計ですね。後群の薄肉の非球面レンズは、軽量化にも貢献しているのでしょうか。このレンズ、重量は370gタムロンの35mmF1.8よりも80g軽量。MTFも周辺のS/Mの乖離がずっと少なくなっています。

レンズロードマップ

レンズロードマップも発表されています。注目すべき点は、単焦点レンズの多くが「F1.8」であること。小型軽量、ショートフランジバックのミラーレスの特徴を最大限に生かそうというコンセプトが垣間見えます。

50mmのみF1.2がありますが、ある程度ラインナップが整備されミラーレスが市場の中心になれば、次は「F1.2シリーズ」を拡充していくのでしょうか。

ノクトニッコール



ノクトニッコールはF0.95に。マニュアルフォーカス。AFにしなかったのは、レンズ設計上入れる余地がなかったからでしょうか?AFがない時点でかなり実用性は低くなりますが、まあ「広告塔」のようなレンズですからそれでもよいのでしょう。重量は1.5キロ越え、価格は50万超えと予測します。

これが開放で使えるクオリティなら電視の限界がまた押し上げられることになりそうですが、買えそうにないし夢だけのレンズでしょうか^^;;

追記)ノクト58mmF0.95のレンズ構成図とおぼしき資料。なんだか凄いですね^^;; これじゃAFユニットもVRユニットも入る余地なし?

 

PF(位相差フレネル)レンズの500mm

Zシリーズに隠れてしまいましたが、これも9/14発売の新製品。PFレンズは逆光時のハロが問題でキヤノンのDO同様なかなか広がりませんが、1.5キロを切る500mmレンズは画期的です。天体でどこまで使えるかはまだわかりませんが、PFがED/フローライトの性能に追いついたときは、また一つ望遠ディープスカイの世界が広がることでしょう。

「EF to Z」アダプタのリリースはいつか

http://www.nikon-image.com/products/accessory/body/ftz/

Zシリーズのユーザーが天体撮影をする場合、当分は「マウントアダプタFTZ」を使用し、Fマウントでレンズや天体望遠鏡を装着することになります。ケラレを最小化する意味では、太いマウント径を生かした専用アダプタが欲しいもしますが、それが出るのは望み薄でしょう。

むしろ、「EF to Z」のマウントアダプタをいつ誰が出すかが注目です。これが出てくれば、天体望遠鏡との接続はより内径の大きなEFマウント経由で可能になりますし、何よりも既存のキヤノンのEFレンズが使用できればキヤノンユーザーに福音です。

キヤノンユーザーを一気にZに取り込む最終兵器でもあり、この製品化を一番望んでいるのは実はニコンでしょう^^;; まさか自分でやるわけにもいきませんし(もしそうならN-Cの血みどろの戦争に突入です^^)。

「Z6A」ないしは「Z7A」が出て、EF to Zマウントアダプタが使えるようになれば、キヤノンユーザがZシリーズを買わない理由はなくなります。そうなれば対抗上キヤノンも「a」モデルに本腰を入れざるを得ない。天リフとしては、そういう状況に早くなることを心底願っております^^

もろもろ追記

様々な視点でのZシリーズに関する記事がアップされています。

ネイチャーフォトの山写さん。プロにとってシングルスロットはマストでありそれだけで使えない理由になるとのこと。編集子は一時期5D3でデュアル書き込みで使っていましたが、結局片側しか使わないので止めちゃいましたが。。。

撮影枚数が330枚と少ないのは、他にも多くの方が指摘されています。タイムラプスではかなり問題になりそうです。α7Sもたいがいバッテリー持たないのですが、夏場なら一晩3個あれば足りる一方、冬場だと5個でも足りないことがあり、低温特性が気になります(外部化すりゃいいんですけど)。

Zマウントの情報をサードベンダに公開しない件については、サードベンダはニコンのよりもはるかに「アジャイル」なので個人的には心配していないのですが、経営陣の発想とすれば時代遅れで残念。自分たちが「追われる立場」ではなく「追う立場」であることをはたして理解しているのでしょうか?

まぁ、もし完璧なカメラというものが存在して、それがどこかのメーカーから出てしまえばカメラメーカーは1社独占になってシュリンクしていくわけで、我々一ユーザーはあーだこーだ言いながら好きなカメラを使っていけば良いのかなと思います。

フルサイズだ!ミラーレスだ!とやっている間に海の向こうからスマホに浸食されていく業界ですから、みんなで仲良く写真を楽しめればいいですね(むりやりまとめたw

SONYユーザーのstudio9さんの記事。余裕ですね^^ SONYユーザーをざわざわさせるものはあまりなかった様子。XQDスロットのみであること、瞳AFがないことに加えて「記者発表のプレゼンが残念」とのこと。私は見ていないので何ともいえませんが。。。経費足りないのかな・・・

天体・キヤノンユーザの編集子としては、前述の通りEF to Zマウントさえ出てくれればボディを手に入れる意味はあるので、レンズラインナップの不足は別に気にならないのですが、ショートフランジバックネイティブのレンズ群を既に持つソニーユーザから見ると問題外に貧弱なのでしょうか。

こういうスタンスも大好きです^^ 趣味の人は楽しくやるのが一番!

  ニコンZシリーズ発表・天体写真はどう変わるかhttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/08/xz7_l.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/08/xz7_l-150x150.jpg編集部デジタルカメラ  昨日、ニコンがフルサイズミラーレスの「Z」シリーズを発表しました。さんざんティザーサイトで情報が流れていたこともあり、大きなサプライズは今さらありませんが、概要を見ていきましょう。 Zシリーズ概要 https://twitter.com/tenmonReflexion/status/1032517776882073602 価格は高画素46MPのZ7が44万、24MPのZ6が27万円。Z7は「高い」というのがネット民の大方の感想。D810Aが30万を切る中、今この瞬間にZ7を買うのはちょっとコスパが良くないですね。 しかし、ファインダーの見え味を追求したとか、ボディ内手振れ補正がレンズ側補正と連動するとか、まあやるべきことはやってきていて、さすがニコンのフラグシップという感じのスペックです。 https://twitter.com/tenmonReflexion/status/1032764768291942401 発売日がなかなか微妙。高い方のZ7が2ヶ月早く発売されます。例によって「供給不足」になるのは眼に見えていますから、ソニーとの本当の勝負は年明け以降でしょうか。 「Aモデルの発表」を0.01%ほど期待していたのですが、予想どおり?ありませんでした。まあまずは出すことが優先ですから、正しい経営判断でしょう。しかし、いつかは出してくれないと、全世界1000万人の天文ファンは首を長くして待っています。よろしくお願いします! ニッコールZレンズ https://twitter.com/tenmonReflexion/status/1032519285954887681 ボディよりも注目したいのはニッコールZレンズ。ナノクリスタルコートが全製品に適用され、価格は高いものの高性能を全面に押し出しています。 https://twitter.com/tenmonReflexion/status/1032782785356812289 Zニッコール50mmF1.8。ガウス型の6枚構成のレンズの前後に3枚追加し、非球面とEDを各2枚使用した意欲的な設計。開放F値は普通なのですが、MTFが素晴らしい。星野写真で開放F1.4で満足に使えるレンズは今のところotusしかなく、結局はF2〜F2.8に絞って使うことになります。それなら、開放F1.8で高性能な方が良い・・・このレンズの開放性能には大いに注目です。 追記)otus様との恐れ多い比較をどうそ^^ https://twitter.com/Wi_ALPC/status/1032807628039061504 こちらはニッコールZ35mmF1.8。これはあまりこれまで見ない構成です。50mmF1.8もそうですが、ショートフランジバックを最大限に活用したレンズ設計ですね。後群の薄肉の非球面レンズは、軽量化にも貢献しているのでしょうか。このレンズ、重量は370g、タムロンの35mmF1.8よりも80g軽量。MTFも周辺のS/Mの乖離がずっと少なくなっています。 レンズロードマップ https://twitter.com/tenmonReflexion/status/1032520421520723968 レンズロードマップも発表されています。注目すべき点は、単焦点レンズの多くが「F1.8」であること。小型軽量、ショートフランジバックのミラーレスの特徴を最大限に生かそうというコンセプトが垣間見えます。 50mmのみF1.2がありますが、ある程度ラインナップが整備されミラーレスが市場の中心になれば、次は「F1.2シリーズ」を拡充していくのでしょうか。 ノクトニッコール https://twitter.com/tenmonReflexion/status/1032579001678618624 ノクトニッコールはF0.95に。マニュアルフォーカス。AFにしなかったのは、レンズ設計上入れる余地がなかったからでしょうか?AFがない時点でかなり実用性は低くなりますが、まあ「広告塔」のようなレンズですからそれでもよいのでしょう。重量は1.5キロ越え、価格は50万超えと予測します。 これが開放で使えるクオリティなら電視の限界がまた押し上げられることになりそうですが、買えそうにないし夢だけのレンズでしょうか^^;; 追記)ノクト58mmF0.95のレンズ構成図とおぼしき資料。なんだか凄いですね^^;; これじゃAFユニットもVRユニットも入る余地なし? https://twitter.com/Shingi/status/1032940083689607175   PF(位相差フレネル)レンズの500mm https://twitter.com/tenmonReflexion/status/1032577493012598785 Zシリーズに隠れてしまいましたが、これも9/14発売の新製品。PFレンズは逆光時のハロが問題でキヤノンのDO同様なかなか広がりませんが、1.5キロを切る500mmレンズは画期的です。天体でどこまで使えるかはまだわかりませんが、PFがED/フローライトの性能に追いついたときは、また一つ望遠ディープスカイの世界が広がることでしょう。 「EF to Z」アダプタのリリースはいつか Zシリーズのユーザーが天体撮影をする場合、当分は「マウントアダプタFTZ」を使用し、Fマウントでレンズや天体望遠鏡を装着することになります。ケラレを最小化する意味では、太いマウント径を生かした専用アダプタが欲しいもしますが、それが出るのは望み薄でしょう。 むしろ、「EF to Z」のマウントアダプタをいつ誰が出すかが注目です。これが出てくれば、天体望遠鏡との接続はより内径の大きなEFマウント経由で可能になりますし、何よりも既存のキヤノンのEFレンズが使用できればキヤノンユーザーに福音です。 キヤノンユーザーを一気にZに取り込む最終兵器でもあり、この製品化を一番望んでいるのは実はニコンでしょう^^;; まさか自分でやるわけにもいきませんし(もしそうならN-Cの血みどろの戦争に突入です^^)。 「Z6A」ないしは「Z7A」が出て、EF to Zマウントアダプタが使えるようになれば、キヤノンユーザがZシリーズを買わない理由はなくなります。そうなれば対抗上キヤノンも「a」モデルに本腰を入れざるを得ない。天リフとしては、そういう状況に早くなることを心底願っております^^ もろもろ追記 様々な視点でのZシリーズに関する記事がアップされています。 https://twitter.com/Photograph_mt/status/1033129603986935810 ネイチャーフォトの山写さん。プロにとってシングルスロットはマストでありそれだけで使えない理由になるとのこと。編集子は一時期5D3でデュアル書き込みで使っていましたが、結局片側しか使わないので止めちゃいましたが。。。 撮影枚数が330枚と少ないのは、他にも多くの方が指摘されています。タイムラプスではかなり問題になりそうです。α7Sもたいがいバッテリー持たないのですが、夏場なら一晩3個あれば足りる一方、冬場だと5個でも足りないことがあり、低温特性が気になります(外部化すりゃいいんですけど)。 Zマウントの情報をサードベンダに公開しない件については、サードベンダはニコンのよりもはるかに「アジャイル」なので個人的には心配していないのですが、経営陣の発想とすれば時代遅れで残念。自分たちが「追われる立場」ではなく「追う立場」であることをはたして理解しているのでしょうか? https://twitter.com/photostudio9/status/1032986992940707840 まぁ、もし完璧なカメラというものが存在して、それがどこかのメーカーから出てしまえばカメラメーカーは1社独占になってシュリンクしていくわけで、我々一ユーザーはあーだこーだ言いながら好きなカメラを使っていけば良いのかなと思います。 フルサイズだ!ミラーレスだ!とやっている間に海の向こうからスマホに浸食されていく業界ですから、みんなで仲良く写真を楽しめればいいですね(むりやりまとめたw SONYユーザーのstudio9さんの記事。余裕ですね^^ SONYユーザーをざわざわさせるものはあまりなかった様子。XQDスロットのみであること、瞳AFがないことに加えて「記者発表のプレゼンが残念」とのこと。私は見ていないので何ともいえませんが。。。経費足りないのかな・・・ 天体・キヤノンユーザの編集子としては、前述の通りEF to Zマウントさえ出てくれればボディを手に入れる意味はあるので、レンズラインナップの不足は別に気にならないのですが、ショートフランジバックネイティブのレンズ群を既に持つソニーユーザから見ると問題外に貧弱なのでしょうか。 https://twitter.com/tenmonReflexion/status/1033165938659491840 こういうスタンスも大好きです^^ 趣味の人は楽しくやるのが一番!  編集部発信のオリジナルコンテンツ