新連載「アイピース探訪」を始めます。

自分の眼で見て感じる宇宙の姿

この眼で星を、宇宙を見よう。

いっかくじゅう座のバラ星雲。空の良い場所では眼視でこのくらい見えます。

写真全盛の天文界ですが、「眼視」の楽しさ・面白さを、機材レビューという形でより多くの人に知ってほしい、というのが本連載の最大の企画意図です。

ガチ写真派のみなさん・・眼視をやったことがありますか?ガチ派なら、お持ちの機材は眼視でもかなりの性能を発揮するはずです(εでも・・低倍率ならけっこう見えるはず・・)。

one of the best対象、ペルセウス座の二重星団。はじめてこの星団を望遠鏡で見たときの感動は今でも忘れられません。

満天の空の天の川に感動できる貴方なら、きっと眼視で見る星空にも感動するに違いありません。写真のように派手な色がついていたり、淡い淡いものが見えるわけではありませんが、キラキラと輝く無数の星を眺めることは、きっと貴方の天文ライフを彩ってくれるに違いありません。



惑星だって、月だって。高倍率で見る宇宙の神秘

ナンチャッテな惑星写真ですが、好シーイングで眼視で見る惑星はこれよりもずっと美しいものです。

誰ですか。天の川の中の土星がジャマだって言ってるのは?w
ま、ガチ写真派にとってはそうなんですけどね・・でも、土星をちゃんと見たのはいつでしょう?木星の小さくなった大赤斑を肉眼では見たことがない超ベテランさんも多いのかも?

惑星は惑星でガチな人が多いのですが、もっと気楽に眺めて見ませんか?高倍率用のアイピースが1個あれば(導入用の低倍率のもね)、撮影の合間に土星の輪を見て和んだり、撮影の準備中や撤収の前に、明るく輝く金星を見ることもできます。自動導入の赤道儀なら、天王星や海王星の不思議な青色を見ることもカンタン。ふだん邪魔者扱いしている月だって、サッと眺めてもじっくり眺めても味わい深いものです。

沼にハマりすぎないw、眼視との付き合い方

「でもアイピース持ってないし」「天頂プリズムって持ってたっけ?」「もうこれ以上沈む沼が増えるのはイヤーー!」そんな方も多いでしょう。

でも安心してください。アイピースは安いです。ガチガチな本格アイピースをフルセット揃えたらTOAが余裕で買えちゃいますが、数千円の激安品でもけっこう見えますし、本格的な高級品でも1本3万円くらいです(ん?高い?)

こんなにアイピースを手にするようになってしまうと「ズブ沼」ですが、注意深く必要最小限にとどめれば、ちょっといい激安品なら3本2.5万円くらい、さらに激安品に絞れば3本5千円程度のものさえあります。それでもしっかり見えますよ。

この連載は読者の皆様を沼に沈めるのが目的ではありません。ほんの少しの投資で、投資以上に楽しめる眼視の世界を、より多くの人に知ってもらいたい、というのが出発点です。

まあ、その結果沼に沈んでしまうことには責任はもてませんが・・でも、たぶんガチ写真派なら、そんなに深い沼には沈まないはずです(適当)。

記事コンセプト

「良いところ」にスポットを当てます。

「いいモノはいい」「悪いモノは悪い」
「いいモノもある」「悪いのもある」

この議論は無限ループします。できる限り「良いところ」にスポットを当てていきたいと思います。幸いにも、おじさん天文ファンの少年時代のような「安かろう悪かろう」の製品はほぼ絶滅しました。製品の悪いところだけを暴き立てることにはもう意味はありません。

「見え味」のSide by Sideの比較は重視しません。

圧倒的に主観に依存する「見え味」。スポット図も実写画像もない眼視の世界では、優劣や「味」を客観的に評価するのは極めて困難です



それでも、2台の機材を並べて見る眼のある人が詳細に比較すると、確かに差が感じられます。しかし、この連載ではそういった比較は重視しないことにしようと思います。筆者の眼が既に劣化していてそういう比較が難しくなっているのもあるのですが・・・

「ノンスポンサード」の記事です。

今後天リフでは、スポンサー様から金銭を頂戴して記事を書く「スポンサード記事(タイアップ記事)」は減らしていきます。今回の連載では、企業様に機材の貸与を受けることはあっても、記事に対価をいただくことはしません

機材貸与であってもある意味「ヒモ付き」ですし、ましてや広告を出していただいているスポンサー様もあるので「暮らしの手帖」のようにはいきません。はっきりいって忖度はあります

いずれこの件は明確にしますが、天リフの優先度は①読者②参照先の記事を書かれた方③スポンサー様④編集部です。編集部の主張よりもスポンサー様を優先しますし、それよりも読者の利益を優先します。そういう枠組みであることは明記しておきます。

今後の予定

現在貸与いただいている製品

北軽井沢観測所のRPLシリーズ。手頃な価格、2群4枚のヌケのいい構成、60度の見かけ視野で眼視デビューに好適。右端はC8に付属のプローセル25mm。見かけ視野が狭いクラシックアイピースですが、実はあなどれない見え方です。

現在、レビュー記事用にいくつかの製品を貸与いただいています。北軽井沢観測所様のRPLシリーズラベンデュラシリーズ、国際光器様のモーフィアスシリーズです。

こちらのレビュー記事を近日中に集中的に掲載していきます。

編集部所有品・個人的借用品

編集部山口の個人的購入品、知人より借用している製品が6カテゴリほどあります。引き続いてこれらの製品のレビュー記事も掲載していきます。

メーカー様・販売店様へ

原則として、製品をご貸与いただいた場合はレビュー記事を書かせていただきます。前述の通り、掲載にあたって料金は発生しません。天リフに広告を掲載いただいているクライアント様はたぶん優先度が上がりますが、そうでなくてもレビューは書かせていただきます。ないとは思うのですが、レビュー要望が殺到した場合は全てをお請けできない可能性があります。レビュー掲載後は速やかにご貸与品を返却させていただきます。

レビューを書く際には、編集部所有の望遠鏡(FSQ106ED、セレストロンC8、BORG76)で必ず実視をします。そのため、天候等により掲載までに時間がかかることもあります。そのへんは個別のご相談となります。また、Fの明るいニュートン反射やFの長い屈折など編集部に存在しない機材におけるレビューは「推測の範囲」となることをご容赦ください。(ついでに鏡筒も貸してやるよ、という企業様があれば歓迎です)

前述の通り、基本的には「良いところ」を書きますが、良くないことも少しは書くことになります。最周辺で流れないアイピースはほぼありませんし、見かけ視野の広い狭いなど、スペックの差は明記することになります。(もちろん、「広けりゃいい」「流れなきゃいい」のようなことは書きません。)

まとめ

この連載は地道に気長にやっていきたいと考えています。ただでさえニッチな天文趣味の、さらにマイナーな眼視ですが、より多くの人が遠征地に「眼視機材」を持って出るように、ささやかながら尽力したいと思っています。

 

  https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/05/89c5d639d804b97a45f8fac0e1eaab06-1024x683.jpghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2018/05/89c5d639d804b97a45f8fac0e1eaab06-150x150.jpg編集部レビューアイピースアイピースアイピース探訪新連載「アイピース探訪」を始めます。 自分の眼で見て感じる宇宙の姿 この眼で星を、宇宙を見よう。 写真全盛の天文界ですが、「眼視」の楽しさ・面白さを、機材レビューという形でより多くの人に知ってほしい、というのが本連載の最大の企画意図です。 ガチ写真派のみなさん・・眼視をやったことがありますか?ガチ派なら、お持ちの機材は眼視でもかなりの性能を発揮するはずです(εでも・・低倍率ならけっこう見えるはず・・)。 満天の空の天の川に感動できる貴方なら、きっと眼視で見る星空にも感動するに違いありません。写真のように派手な色がついていたり、淡い淡いものが見えるわけではありませんが、キラキラと輝く無数の星を眺めることは、きっと貴方の天文ライフを彩ってくれるに違いありません。 惑星だって、月だって。高倍率で見る宇宙の神秘 誰ですか。天の川の中の土星がジャマだって言ってるのは?w ま、ガチ写真派にとってはそうなんですけどね・・でも、土星をちゃんと見たのはいつでしょう?木星の小さくなった大赤斑を肉眼では見たことがない超ベテランさんも多いのかも? 惑星は惑星でガチな人が多いのですが、もっと気楽に眺めて見ませんか?高倍率用のアイピースが1個あれば(導入用の低倍率のもね)、撮影の合間に土星の輪を見て和んだり、撮影の準備中や撤収の前に、明るく輝く金星を見ることもできます。自動導入の赤道儀なら、天王星や海王星の不思議な青色を見ることもカンタン。ふだん邪魔者扱いしている月だって、サッと眺めてもじっくり眺めても味わい深いものです。 沼にハマりすぎないw、眼視との付き合い方 「でもアイピース持ってないし」「天頂プリズムって持ってたっけ?」「もうこれ以上沈む沼が増えるのはイヤーー!」そんな方も多いでしょう。 でも安心してください。アイピースは安いです。ガチガチな本格アイピースをフルセット揃えたらTOAが余裕で買えちゃいますが、数千円の激安品でもけっこう見えますし、本格的な高級品でも1本3万円くらいです(ん?高い?) この連載は読者の皆様を沼に沈めるのが目的ではありません。ほんの少しの投資で、投資以上に楽しめる眼視の世界を、より多くの人に知ってもらいたい、というのが出発点です。 まあ、その結果沼に沈んでしまうことには責任はもてませんが・・でも、たぶんガチ写真派なら、そんなに深い沼には沈まないはずです(適当)。 記事コンセプト 「良いところ」にスポットを当てます。 「いいモノはいい」「悪いモノは悪い」 「いいモノもある」「悪いのもある」 この議論は無限ループします。できる限り「良いところ」にスポットを当てていきたいと思います。幸いにも、おじさん天文ファンの少年時代のような「安かろう悪かろう」の製品はほぼ絶滅しました。製品の悪いところだけを暴き立てることにはもう意味はありません。 「見え味」のSide by Sideの比較は重視しません。 圧倒的に主観に依存する「見え味」。スポット図も実写画像もない眼視の世界では、優劣や「味」を客観的に評価するのは極めて困難です。 それでも、2台の機材を並べて見る眼のある人が詳細に比較すると、確かに差が感じられます。しかし、この連載ではそういった比較は重視しないことにしようと思います。筆者の眼が既に劣化していてそういう比較が難しくなっているのもあるのですが・・・ 「ノンスポンサード」の記事です。 今後天リフでは、スポンサー様から金銭を頂戴して記事を書く「スポンサード記事(タイアップ記事)」は減らしていきます。今回の連載では、企業様に機材の貸与を受けることはあっても、記事に対価をいただくことはしません。 機材貸与であってもある意味「ヒモ付き」ですし、ましてや広告を出していただいているスポンサー様もあるので「暮らしの手帖」のようにはいきません。はっきりいって忖度はあります。 いずれこの件は明確にしますが、天リフの優先度は①読者②参照先の記事を書かれた方③スポンサー様④編集部です。編集部の主張よりもスポンサー様を優先しますし、それよりも読者の利益を優先します。そういう枠組みであることは明記しておきます。 今後の予定 現在貸与いただいている製品 現在、レビュー記事用にいくつかの製品を貸与いただいています。北軽井沢観測所様のRPLシリーズとラベンデュラシリーズ、国際光器様のモーフィアスシリーズです。 こちらのレビュー記事を近日中に集中的に掲載していきます。 編集部所有品・個人的借用品 編集部山口の個人的購入品、知人より借用している製品が6カテゴリほどあります。引き続いてこれらの製品のレビュー記事も掲載していきます。 メーカー様・販売店様へ 原則として、製品をご貸与いただいた場合はレビュー記事を書かせていただきます。前述の通り、掲載にあたって料金は発生しません。天リフに広告を掲載いただいているクライアント様はたぶん優先度が上がりますが、そうでなくてもレビューは書かせていただきます。ないとは思うのですが、レビュー要望が殺到した場合は全てをお請けできない可能性があります。レビュー掲載後は速やかにご貸与品を返却させていただきます。 レビューを書く際には、編集部所有の望遠鏡(FSQ106ED、セレストロンC8、BORG76)で必ず実視をします。そのため、天候等により掲載までに時間がかかることもあります。そのへんは個別のご相談となります。また、Fの明るいニュートン反射やFの長い屈折など編集部に存在しない機材におけるレビューは「推測の範囲」となることをご容赦ください。(ついでに鏡筒も貸してやるよ、という企業様があれば歓迎です) 前述の通り、基本的には「良いところ」を書きますが、良くないことも少しは書くことになります。最周辺で流れないアイピースはほぼありませんし、見かけ視野の広い狭いなど、スペックの差は明記することになります。(もちろん、「広けりゃいい」「流れなきゃいい」のようなことは書きません。) まとめ この連載は地道に気長にやっていきたいと考えています。ただでさえニッチな天文趣味の、さらにマイナーな眼視ですが、より多くの人が遠征地に「眼視機材」を持って出るように、ささやかながら尽力したいと思っています。    編集部発信のオリジナルコンテンツ