地球以外の生命体は存在するのか

「たぶん、いや、当然存在するはずだろう」というのが大方の見方でしょうが、その推測を証明することはとてつもなく困難だとも思われてきました。

ところが、最近の様々な技術の発展で、いくつかの可能性が出てきたようです。ナショナルジオグラフィック日本語版から。

ナショナルジオグラフィック日本語版
【解説】宇宙生命探査、次はこうなる
生命が存在する可能性のある太陽系外惑星の中で地球から最も近い惑星「プロキシマb」の表面からの眺めの想像図。(PHOTO ILLUSTRATION BY ESO, M. KORNMESSER)

宇宙生命の探査の状況を超ざっくりまとめると、以下のようになります。



我が銀河系には無数の星(2000億〜4000億)がある。

その周りには無数の惑星があるはず!

多くの恒星で惑星が存在することを示すデータが得られた!

その中で地球に似た惑星(ハビタブルゾーンにある岩石惑星)を探せ!

太陽系のすぐ近くにも地球に似た惑星があった
(イマココ)
徹底的に調べて生命の兆候を見つけるぞ!

様々な観測手法で太陽系外惑星の存在を直接・間接に確認できるようになった1990年ごろから現在までに、すでに3000個以上の太陽系外惑星が確認されています。

その中でも、太陽系に最も近い恒星である「プロクシマ・ケンタウリ」に、プロクシマ・ケンタウリbというハビタブルゾーン内に存在すると考えられる惑星が確認されたのが昨年の8月。

主星であるプロクシマが赤色矮星であり地球・太陽間よりはるかに主星に近く、1年が11日と短い、可視光の割合が少なくX線の照射が強い、などあまり生命には有利ではない条件が確認されていますが、生成当初から液体の水が存在するという可能性が高く、大いに注目されています。


では、その次。どうやれば生命の兆候を捉えることができるのでしょうか。

一つ目は、惑星の大気の成分を調べ、メタンや酸素などの生命由来と考えられる物質が存在するかを調べること。そのためには、主星の光が惑星大気を通過する主星・惑星・地球が一直線になるタイミング(金星の日面通過みたいなものですね)で観測を行うことが計画されています。
観測にはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のような次世代の宇宙望遠鏡を使うようですが、現在の最新鋭技術はそこまでの観測ができるのですね。

もう一つは、探査機を直接送り込もうというもの。
プロクシマまでの距離は約4.2光年
えっ。亜光速飛行なんて夢物語ではないの?と思いきや・・

 

ナショナルジオグラフィック日本語版
【解説】ホーキング博士らの超高速宇宙探査計画
 シリコンバレーで活躍する億万長者のロシア人が、理論物理学者のスティーブン・ホーキング博士をはじめとする友人たちと協力して、地球から最も近い恒星へ超小型の宇宙船を飛ばそうとしている。4月12日、起業家のユーリ・ミルナー氏らが発表したその「ブレイクスルー・スターショット(Breakthrough Starshot)」というプロジェクトがそれだ。この夢のある冒険については、知りたいことがいろいろあるのではないだろうか。そこで、基本的な内容をQ&A形式で解説してみたい。。

かのホーキング博士がロシアの富豪と組んで4.3光年先のαケンタウリまで小型の宇宙船を飛ばそうという「ブレークスルースターショット計画」。
夢物語からは一歩前進。



  • 極小サイズ(切手サイズ)の宇宙船、StarChip
  • 地上から1000億ワットのレーザーを照射し推進、最大光速の20%、到達まで20年ほど
  • 打ち上げは20年後、最終的投資額は数十億ドル(見込み)

スケールでかっ。
ちなみに、燃料を積まず太陽光や推進力とするソーラーセイル探査機は、すでに実用段階に入っています。

上の計画は、ちんたら太陽光で推進するのではなく、地球から(超)強力なレーザービームを当てて加速してしまえという力技。
予定通りに?進めば、到達が40年後、観測結果が地球に届くまでさらに4年?

でも・・・切手サイズの宇宙船から、4.3光年先の地球に観測結果を送信するって・・・

ナショナルジオグラフィック日本語版
太陽系外惑星へ探査機を送る新手法、科学者が提唱
「プロキシマ・ケンタウリ」という太陽系から最も近い恒星の周りを回る、地球サイズの惑星が見つかったのはほんの数カ月前のこと。今回、ある天体物理学者のチームが、この系外惑星に探査機を送り込んで長期間観測を行う方法を提唱し、宇宙物理学の学術誌『アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ(Astrophysical Journal Letters)』に論文を発表した。

一方でこちらは、ブレークスルースターショット計画の欠点である、「光速の20%の速度で目的地を通過してしまうので、目的地をあっというまに通過してしまって詳しく観測するヒマがない」という欠点を補おうというもの。

基本コンセプトは、太陽から離れるまでは太陽の光をソーラーセイルで受けて加速し、対象に近づいてからはそちらの光で減速するという考え方。

この方法だと到達まで約140年かかるそうです。つまり、探査機が集めたプロキシマに関するデータを受け取るのは、私たちの子孫ということになります。

ナショナルジオグラフィック日本語版
太陽系外惑星へ探査機を送る新手法、科学者が提唱
「グラフェンを大量生産して、特殊な光学特性をもつメタマテリアルでコーティングすれば、もう目的地に着いたも同然ですよ」とヒプケ氏。「あとは、センサーや通信用レーザー、スマートフォンに使われているような部品をいくつか追加するだけでいいんです!

(文字装飾:編集部)

いいですねえ。
この楽観的な古き良きシリコンバレー的世界観^^
「通信用レーザー」とありますから、地球にデータを送る方法も検討済みなのでしょうか???

 

マツドサイエンティスト・研究日誌
アルファ・ケンタウリから通信できるか!?
(前略)
さて、表を見ると判ると思うが、1000W のレーザー光源を直径10メートルの反射鏡で太陽系に送り、直径20メートルの反射鏡で受信すると言うもの。これで、受信したフォトン1個あたり1ビットとすると、4kbps のデータレートで送信できることになる。
(中略)
もっと大きな問題は、アルファ・ケンタウリ星の光が、肝心の通信を邪魔しそうなきがする。受信側でアルファ・ケンタウリ星の光をオカルテーションなどで隠蔽する方法が考えられる。
(中略)
遠い将来のことだけど、こう言うアイデアを考えるのは楽しいねえ。

調べてみたら検証されたブログ記事を発見。
1000wのレーザー光源と直径10mの反射鏡並みの性能を、石けんくらいの大きさに小型化すれば、地球にデータを送ったも同然というわけです^^


いかがでしょうか。
壮大な夢と壮大なホラに突き動かされるビッグサイエンスの世界。絵空事を実現する、嘘のような事実を発見するのはシリコンバレーとビッグサイエンスの得意技です。

編集部の独断による予測では、恒星間宇宙船はいずれ(1000年以内?)には実現するでしょう。そしてそれと同じくらいの確率で、別の生命体からの探査機が太陽系内で発見される可能性があると見ました^^ 編集部サイエンス地球以外の生命体は存在するのか? 「たぶん、いや、当然存在するはずだろう」というのが大方の見方でしょうが、その推測を証明することはとてつもなく困難だとも思われてきました。 ところが、最近の様々な技術の発展で、いくつかの可能性が出てきたようです。ナショナルジオグラフィック日本語版から。 ナショナルジオグラフィック日本語版 【解説】宇宙生命探査、次はこうなる 生命が存在する可能性のある太陽系外惑星の中で地球から最も近い惑星「プロキシマb」の表面からの眺めの想像図。(PHOTO ILLUSTRATION BY ESO, M. KORNMESSER) 宇宙生命の探査の状況を超ざっくりまとめると、以下のようになります。 我が銀河系には無数の星(2000億〜4000億)がある。 ↓ その周りには無数の惑星があるはず! ↓ 多くの恒星で惑星が存在することを示すデータが得られた! ↓ その中で地球に似た惑星(ハビタブルゾーンにある岩石惑星)を探せ! ↓ 太陽系のすぐ近くにも地球に似た惑星があった! ↓(イマココ) 徹底的に調べて生命の兆候を見つけるぞ! 様々な観測手法で太陽系外惑星の存在を直接・間接に確認できるようになった1990年ごろから現在までに、すでに3000個以上の太陽系外惑星が確認されています。 その中でも、太陽系に最も近い恒星である「プロクシマ・ケンタウリ」に、プロクシマ・ケンタウリbというハビタブルゾーン内に存在すると考えられる惑星が確認されたのが昨年の8月。 主星であるプロクシマが赤色矮星であり地球・太陽間よりはるかに主星に近く、1年が11日と短い、可視光の割合が少なくX線の照射が強い、などあまり生命には有利ではない条件が確認されていますが、生成当初から液体の水が存在するという可能性が高く、大いに注目されています。 では、その次。どうやれば生命の兆候を捉えることができるのでしょうか。 一つ目は、惑星の大気の成分を調べ、メタンや酸素などの生命由来と考えられる物質が存在するかを調べること。そのためには、主星の光が惑星大気を通過する主星・惑星・地球が一直線になるタイミング(金星の日面通過みたいなものですね)で観測を行うことが計画されています。 観測にはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のような次世代の宇宙望遠鏡を使うようですが、現在の最新鋭技術はそこまでの観測ができるのですね。 もう一つは、探査機を直接送り込もうというもの。 プロクシマまでの距離は約4.2光年。 えっ。亜光速飛行なんて夢物語ではないの?と思いきや・・   ナショナルジオグラフィック日本語版 【解説】ホーキング博士らの超高速宇宙探査計画  シリコンバレーで活躍する億万長者のロシア人が、理論物理学者のスティーブン・ホーキング博士をはじめとする友人たちと協力して、地球から最も近い恒星へ超小型の宇宙船を飛ばそうとしている。4月12日、起業家のユーリ・ミルナー氏らが発表したその「ブレイクスルー・スターショット(Breakthrough Starshot)」というプロジェクトがそれだ。この夢のある冒険については、知りたいことがいろいろあるのではないだろうか。そこで、基本的な内容をQ&A形式で解説してみたい。。 かのホーキング博士がロシアの富豪と組んで4.3光年先のαケンタウリまで小型の宇宙船を飛ばそうという「ブレークスルースターショット計画」。 夢物語からは一歩前進。 極小サイズ(切手サイズ)の宇宙船、StarChip 地上から1000億ワットのレーザーを照射し推進、最大光速の20%、到達まで20年ほど 打ち上げは20年後、最終的投資額は数十億ドル(見込み) スケールでかっ。 ちなみに、燃料を積まず太陽光や推進力とするソーラーセイル探査機は、すでに実用段階に入っています。 上の計画は、ちんたら太陽光で推進するのではなく、地球から(超)強力なレーザービームを当てて加速してしまえという力技。 予定通りに?進めば、到達が40年後、観測結果が地球に届くまでさらに4年? でも・・・切手サイズの宇宙船から、4.3光年先の地球に観測結果を送信するって・・・ ナショナルジオグラフィック日本語版 太陽系外惑星へ探査機を送る新手法、科学者が提唱 「プロキシマ・ケンタウリ」という太陽系から最も近い恒星の周りを回る、地球サイズの惑星が見つかったのはほんの数カ月前のこと。今回、ある天体物理学者のチームが、この系外惑星に探査機を送り込んで長期間観測を行う方法を提唱し、宇宙物理学の学術誌『アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ(Astrophysical Journal Letters)』に論文を発表した。 一方でこちらは、ブレークスルースターショット計画の欠点である、「光速の20%の速度で目的地を通過してしまうので、目的地をあっというまに通過してしまって詳しく観測するヒマがない」という欠点を補おうというもの。 基本コンセプトは、太陽から離れるまでは太陽の光をソーラーセイルで受けて加速し、対象に近づいてからはそちらの光で減速するという考え方。 この方法だと到達まで約140年かかるそうです。つまり、探査機が集めたプロキシマに関するデータを受け取るのは、私たちの子孫ということになります。 ナショナルジオグラフィック日本語版 太陽系外惑星へ探査機を送る新手法、科学者が提唱 「グラフェンを大量生産して、特殊な光学特性をもつメタマテリアルでコーティングすれば、もう目的地に着いたも同然ですよ」とヒプケ氏。「あとは、センサーや通信用レーザー、スマートフォンに使われているような部品をいくつか追加するだけでいいんです!」 (文字装飾:編集部) いいですねえ。 この楽観的な古き良きシリコンバレー的世界観^^ 「通信用レーザー」とありますから、地球にデータを送る方法も検討済みなのでしょうか???   マツドサイエンティスト・研究日誌 アルファ・ケンタウリから通信できるか!? (前略) さて、表を見ると判ると思うが、1000W のレーザー光源を直径10メートルの反射鏡で太陽系に送り、直径20メートルの反射鏡で受信すると言うもの。これで、受信したフォトン1個あたり1ビットとすると、4kbps のデータレートで送信できることになる。 (中略) もっと大きな問題は、アルファ・ケンタウリ星の光が、肝心の通信を邪魔しそうなきがする。受信側でアルファ・ケンタウリ星の光をオカルテーションなどで隠蔽する方法が考えられる。 (中略) 遠い将来のことだけど、こう言うアイデアを考えるのは楽しいねえ。 調べてみたら検証されたブログ記事を発見。 1000wのレーザー光源と直径10mの反射鏡並みの性能を、石けんくらいの大きさに小型化すれば、地球にデータを送ったも同然というわけです^^ いかがでしょうか。 壮大な夢と壮大なホラに突き動かされるビッグサイエンスの世界。絵空事を実現する、嘘のような事実を発見するのはシリコンバレーとビッグサイエンスの得意技です。 編集部の独断による予測では、恒星間宇宙船はいずれ(1000年以内?)には実現するでしょう。そしてそれと同じくらいの確率で、別の生命体からの探査機が太陽系内で発見される可能性があると見ました^^編集部発信のオリジナルコンテンツ