(4/17追記あり)
(4/15追記あり)

マニアの巣窟、天文界。
知恵をしぼり、細部にこだわり、時には贅を尽くし、またあるときは100均の掘り出し物に心を躍らせる・・

そんなマニアに対する最上級の褒め言葉・・それは、

「変態」



今回は、最上級の変態ブログをご紹介します。

あぷらなーと
1キロ手前から「お花見」
「扇の勾配」としてその石垣の美しさが有名な丸亀城は、桜の名所でもあります。
しかし天候が悪いので出かける気にもならず、1km手前にある実家からBORG89EDを使って「遠隔お花見」することにしました。
先日、後先考えずに(無謀なる挑戦として)組み上げたビームスプリッターシステム↓で・・・・

なんぞ、コレ!?

BORG89EDで「遠隔お花見」ですか?
しかも赤い缶が2つもついてますよ。
(ASI1600MM-COOLとASI1600MC-COOL)

これは、光学実験用の「ビームスプリッター」を使用して光束を2つに分けて、L/RGBを同時撮影できるという日本、いや世界初?のシステム。

あぷらなーと
~無謀なる挑戦~珍パーツ自作ごっこ
・・・というわけで、古典的な「キューブ型ビームスプリッター」に決めました。
対物レンズからの光を50%ずつに分割して、
ASI1600MM-COOLとASI1600MC-COOLを
同時露光できちゃうっていうアイディアです。

このシステムについては、別途詳しいエントリがあります。
ご本人いわく「ネットでググる限りでは、他に(こんな馬鹿馬鹿しい試みは)類を見ません」とのこと。
これだけでも十分に変態。

(速報4/17)
ファーストライト成功!だそうです^^

あぷらなーと
「ビームスプリットシステム」ファーストライ
※左:MCのみで画像処理 右:MMとMCのLRGB合成
ああ、こうしてみるとハッキリと差が分かります。
やはりMMを用いたLRGB合成の方が解像感が高いですね。
あぷらなーと
1キロ手前から「お花見」
※BORG89ED直焦点(600mm)+ASI1600MC-COOL ゲイン139 露出4ms
さすがに600mm+マイクロフォーサーズではフルサイズ換算で1200mmの超望遠になりますので、でっかく写りますね♪

これでご自宅から1km離れたお城を遠隔花見だそうです。
もちろん、LRGB合成^^

あぷらなーとの写真ブログ
1キロ手前から「お花見」
あまりシーイングが良くない素材なので、次の機会に挑戦予定の「ビームスプリット・LRGB同時露光システム」を用いた惑星撮影の画像処理練習になりそう。
・・・という訳で、少し画像をいじってみます。
まずは、MMのモノクロFITS画像32コマをAutoStackert!2でスタッキングします。
画面全体が波打つようなシーイングでしたので、良像40%で切ります。

花見で「あまりシーイングが良くない」なんて聞いたことありません^^;;
そして画像をウェーブレット処理。

あぷらなーと
1キロ手前から「お花見」


けっこう素晴らしい解像度になりました。
松の葉や芝生が1本1本分離しているかのように見えますね。
風に揺れていた桜はイマイチですが、タイトル通り「1キロ手前からお花見」大成功です♪

左がbefore、右がafter。
天体写真の技術を尽くした遠隔花見・・まさに

「ド変態」

ですね^^


これだけではありません。

あぷらなーとさんのブログには、独創的な発想と緻密な論理から導き出されたさまざまな試みが詰まっています。

あぷらなーと
ショットノイズの考察ごっこ
左がシミュレーションで、右が実際にASI1600MCで撮影した背景ノイズです。
一応、ダークファイル減算のみ行っています。
ガンマ補正を考慮していなかったり、カメラ側のリードノイズなども考慮していないので、全く同じとまではいきませんが、
どうでしょう?
いつも背景に現れるモヤモヤした雲状のカラーノイズらしきものが、バッチリ再現できたのではないかと、自画自賛♪

そのひとつ。「ごっこ」シリーズ。
冷却CMOSカメラのノイズを数値シミュレーションで再現したもの。皆さんも普段から目にしている「モヤモヤカラーノイズ」が見事に再現。

このシミュレーションでは、EXCELを使ってセルを画素にして演算されているそうです。これも変態度が高いですね^^

 

あぷらなーとの写真ブログ
タグ:レジスタックス
★L画像にウエーブレットを掛ける
星雲の画像処理にレジスタックスのウエーブレットを使っている方はほとんどお見かけしません。おそらく、画像が荒れまくるのが原因ではないかと想像するのですが、十分なコマ数をコンポジットした滑らかな原画の場合、意外とウエーブレットがキマることがあるのですよ。
・・・というわけで、やってみた。

もちろん正統派天体写真も多数。
でもひと味違います。
この作例は300枚以上の多数枚コンポジット画像にウェーブレットをかけて仕上げたもの。
鏡筒はVMC260L、びっくりするほど細部が出ていますね。

 

ほかにも興味深い記事が盛りだくさん。
ASI1600をお使いの方は参考になる記事が多数。
BORG関連、CAPRI-102ED関連の記事もおすすめ。

もし貴方が、濃密なる「あぷらなーと」ブログで時を忘れたとしたら・・たぶん立派な「変態」です^^

(4/15追記)

あぷらなーと
回折限界を超えて「お花見」
 行った処理は概ね下記の通りです。
① D810Aで撮影したRAW画像をシルキーピクスで現像処理してTIFFに
② ステライメージで2×2ソフトウェアビニング処理
③ ②の画像をモノクロ化
④ ③の画像をレジスタックスに読み込みウェーブレット
⑤ ③の画像をステライメージで最大エントロピー画像復元
⑥ ④と⑤を加算平均コンポジット
⑦ ステライメージで軽くアンシャープマスク処理
⑧ ステライメージでスターシャープフィルタとホットクール除去を併用してノイズ除去
⑨ ステライメージでデジタル現像+レベル調整
⑩ ⑨の画像をL、③の画像をRGBとしてLRGB合成
⑪ Lab色彩調整、トーンカーブ調整などで味付け
さて、出来上がった画像を、
 A:ノーマル
 B:シルキーピクスのピュアディテール処理
 C:上記の処理によるLRGB画像
で比較してみましょう。
※左から 画像A、画像B、画像C (ピクセル66%

早速別の切り口の第二弾の記事が。
マクロの回折ボケをウェーブレットで補間する」だそうです。マクロ撮影で回折ボケに悩んでいる天文マニアの方には朗報!? https://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2017/04/752e5a730a0a59484825ff726ffc5832.pnghttps://reflexions.jp/tenref/orig/wp-content/uploads/sites/4/2017/04/752e5a730a0a59484825ff726ffc5832-150x150.png編集部天文マニア変態とは最上級の褒め言葉(4/17追記あり) (4/15追記あり) マニアの巣窟、天文界。 知恵をしぼり、細部にこだわり、時には贅を尽くし、またあるときは100均の掘り出し物に心を躍らせる・・ そんなマニアに対する最上級の褒め言葉・・それは、 「変態」 今回は、最上級の変態ブログをご紹介します。 あぷらなーと 1キロ手前から「お花見」 「扇の勾配」としてその石垣の美しさが有名な丸亀城は、桜の名所でもあります。 しかし天候が悪いので出かける気にもならず、1km手前にある実家からBORG89EDを使って「遠隔お花見」することにしました。 先日、後先考えずに(無謀なる挑戦として)組み上げたビームスプリッターシステム↓で・・・・ なんぞ、コレ!? BORG89EDで「遠隔お花見」ですか? しかも赤い缶が2つもついてますよ。 (ASI1600MM-COOLとASI1600MC-COOL) これは、光学実験用の「ビームスプリッター」を使用して光束を2つに分けて、L/RGBを同時撮影できるという日本、いや世界初?のシステム。 あぷらなーと ~無謀なる挑戦~珍パーツ自作ごっこ ・・・というわけで、古典的な「キューブ型ビームスプリッター」に決めました。 対物レンズからの光を50%ずつに分割して、 ASI1600MM-COOLとASI1600MC-COOLを 同時露光できちゃうっていうアイディアです。 このシステムについては、別途詳しいエントリがあります。 ご本人いわく「ネットでググる限りでは、他に(こんな馬鹿馬鹿しい試みは)類を見ません」とのこと。 これだけでも十分に変態。 (速報4/17) ファーストライト成功!だそうです^^ あぷらなーと 「ビームスプリットシステム」ファーストライ ※左:MCのみで画像処理 右:MMとMCのLRGB合成 ああ、こうしてみるとハッキリと差が分かります。 やはりMMを用いたLRGB合成の方が解像感が高いですね。 あぷらなーと 1キロ手前から「お花見」 ※BORG89ED直焦点(600mm)+ASI1600MC-COOL ゲイン139 露出4ms さすがに600mm+マイクロフォーサーズではフルサイズ換算で1200mmの超望遠になりますので、でっかく写りますね♪ これでご自宅から1km離れたお城を遠隔花見だそうです。 もちろん、LRGB合成^^ あぷらなーとの写真ブログ 1キロ手前から「お花見」 あまりシーイングが良くない素材なので、次の機会に挑戦予定の「ビームスプリット・LRGB同時露光システム」を用いた惑星撮影の画像処理練習になりそう。 ・・・という訳で、少し画像をいじってみます。 まずは、MMのモノクロFITS画像32コマをAutoStackert!2でスタッキングします。 画面全体が波打つようなシーイングでしたので、良像40%で切ります。 花見で「あまりシーイングが良くない」なんて聞いたことありません^^;; そして画像をウェーブレット処理。 あぷらなーと 1キロ手前から「お花見」 けっこう素晴らしい解像度になりました。 松の葉や芝生が1本1本分離しているかのように見えますね。 風に揺れていた桜はイマイチですが、タイトル通り「1キロ手前からお花見」大成功です♪ 左がbefore、右がafter。 天体写真の技術を尽くした遠隔花見・・まさに 「ド変態」 ですね^^ これだけではありません。 あぷらなーとさんのブログには、独創的な発想と緻密な論理から導き出されたさまざまな試みが詰まっています。 あぷらなーと ショットノイズの考察ごっこ 左がシミュレーションで、右が実際にASI1600MCで撮影した背景ノイズです。 一応、ダークファイル減算のみ行っています。 ガンマ補正を考慮していなかったり、カメラ側のリードノイズなども考慮していないので、全く同じとまではいきませんが、 どうでしょう? いつも背景に現れるモヤモヤした雲状のカラーノイズらしきものが、バッチリ再現できたのではないかと、自画自賛♪ そのひとつ。「ごっこ」シリーズ。 冷却CMOSカメラのノイズを数値シミュレーションで再現したもの。皆さんも普段から目にしている「モヤモヤカラーノイズ」が見事に再現。 このシミュレーションでは、EXCELを使ってセルを画素にして演算されているそうです。これも変態度が高いですね^^   あぷらなーとの写真ブログ タグ:レジスタックス ★L画像にウエーブレットを掛ける 星雲の画像処理にレジスタックスのウエーブレットを使っている方はほとんどお見かけしません。おそらく、画像が荒れまくるのが原因ではないかと想像するのですが、十分なコマ数をコンポジットした滑らかな原画の場合、意外とウエーブレットがキマることがあるのですよ。 ・・・というわけで、やってみた。 もちろん正統派天体写真も多数。 でもひと味違います。 この作例は300枚以上の多数枚コンポジット画像にウェーブレットをかけて仕上げたもの。 鏡筒はVMC260L、びっくりするほど細部が出ていますね。   ほかにも興味深い記事が盛りだくさん。 ASI1600をお使いの方は参考になる記事が多数。 BORG関連、CAPRI-102ED関連の記事もおすすめ。 もし貴方が、濃密なる「あぷらなーと」ブログで時を忘れたとしたら・・たぶん立派な「変態」です^^ (4/15追記) あぷらなーと 回折限界を超えて「お花見」  行った処理は概ね下記の通りです。 ① D810Aで撮影したRAW画像をシルキーピクスで現像処理してTIFFに ② ステライメージで2×2ソフトウェアビニング処理 ③ ②の画像をモノクロ化 ④ ③の画像をレジスタックスに読み込みウェーブレット ⑤ ③の画像をステライメージで最大エントロピー画像復元 ⑥ ④と⑤を加算平均コンポジット ⑦ ステライメージで軽くアンシャープマスク処理 ⑧ ステライメージでスターシャープフィルタとホットクール除去を併用してノイズ除去 ⑨ ステライメージでデジタル現像+レベル調整 ⑩ ⑨の画像をL、③の画像をRGBとしてLRGB合成 ⑪ Lab色彩調整、トーンカーブ調整などで味付け さて、出来上がった画像を、  A:ノーマル  B:シルキーピクスのピュアディテール処理  C:上記の処理によるLRGB画像 で比較してみましょう。 ※左から 画像A、画像B、画像C (ピクセル66% 早速別の切り口の第二弾の記事が。 「マクロの回折ボケをウェーブレットで補間する」だそうです。マクロ撮影で回折ボケに悩んでいる天文マニアの方には朗報!?編集部発信のオリジナルコンテンツ