星の旅

【連載・星旅リフレクションズ(1)】西オーストラリア星空紀行

こんな内容の記事です!

 みなさんこんにちは!またまた「新連載」、「星旅リフレクションズ」を始めます!この連載では、不肖・天リフ編集長が、日本・海外のさまざまな場所で星空を見上げた体験レポートをお届けします。コンセプトは「ジェットストリーム」です!

遠い地平線が消えて、
深々とした薄明の闇に心を休める時、
遠くの優しい街灯りの上を、音もなく流れる天の川は、
たゆみない銀河の営みを告げています。

満天の星をいただく果てしない夜空の下で、
ほほをなでる風に心を開けば、
きらめく星座の物語も聞こえてくる、夜の静寂の、
なんと饒舌なことでしょうか。
光と影の境に消えていった細いお月さまも
瞼に浮かんでまいります。

これからのひと時。
天文リフレクションズが、あなたにお送りする
星空の旅の定期便。「星旅リフレクションズ」。
皆様の、星空紀行のお供を致しますナビゲーターは、
わたくし、天リフ編集長です。

hommage:ジェットストリーム

こんな雰囲気で「星空のある旅」「旅の中の星空」を、みなさんにお伝えできるようにがんばります!第1回は今年の4月に行ってきた「西オーストラリア星空紀行」。南半球の非日常と14人の仲間たちとの星旅の記録です!

シンガポール空港からパースにむけて離陸したすぐ後。夕焼けに染まる空。
天リフ編集長
天リフ編集長
旅行のテーマに「星空」「宇宙」をトッピングしてみましょう!

プロローグ・星旅のすすめ

往きの飛行機はシンガポール航空、B787、最新のデジタルナビが付いていてこんな感じでいまどこにいるのかがリアルタイムに!すごいですねえ(田舎者感^^;;)

旅行は楽しい。これを否定する人はほとんどいないでしょう^^

「これから日常を離れるぞ」的なワクワク感(*)。離れた見知らぬ土地を旅する輝いた日々。「ああ、一日が終わった。残りn-1日だ」的な日々の流れ。そして「明日の今頃は帰り着いているんだなあ」的な、日曜の晩のサザエさん的な寂寥のひととき。旅は終わり日常に戻る時の訪れ。

天リフ編集長
天リフ編集長
(*)あるブログで「高速道SAのスタバで飲んだ抹茶クリームフラペチーノが旅行気分を掻き立てた」という記述がありました。なんだかすごく共感します^-^
西オーストラリアの牡蠣。海産物も新鮮、ワインも美味しい。実のところは、飲んで食べるだけでも10倍楽しい^^

そんな旅を繰り返して旅慣れてくるほど、輝いているはずの日々が何だか忙しい観光地巡りになり、毎晩の美味い食事とお酒が楽しみという「別の日常」になってしまうことはありませんか?

それはそれで、日常の3倍くらいはステキな日々なのですが、本来「旅に出る」という体験は、日常の10倍くらいステキな日々だったはず(*)。

(*)筆者の個人的感覚です。

日本では見ることのできない南天の天の川。右上の南十字星の付近は青白く輝く星々で満ちています。

もう一度、日常より10倍楽しい旅を経験してみませんか?

その具体的な方法を御提案します。あなたの旅の要素に「宇宙」と「星空」を加えてみるのはどうでしょうか。旅の先々で夜空に輝く星たちを見上げてみませんか。

日本の、そして世界のどこに行ったとしても、その頭上には星空が輝いています。夜空の星々は、あなたの旅だけでなく、ふだんの日常をも取り囲んで輝いているのです。

天リフ編集長
天リフ編集長
あなたが今「星空」のことを知らなければ知らないほど、「星空の旅」の体験は新鮮な非日常になるはずです。
西オーストラリア、ネイチャーウィンドウで。周囲は完全な暗闇。星明かりだけの世界です。

なんでこんなに星が輝いているの?降るような星空の下に身をおけば、そんな疑問が自然と湧いてきます。その体験こそが、あなたの新しい旅の始まりです。

天リフ編集長
天リフ編集長
星空は、あなたの旅の羅針盤であり、あなたの人生の羅針盤でもあるのです。
星だけでなく、月や太陽も見逃せません。西オーストラリア、シャーク湾に沈む夕陽。気候の安定した大洋に囲まれた大陸であるオーストラリアでは、水平線まで空気が澄んでいます。

夜明けのピナクルズ・「最高の一日」のはじまり

西オーストラリアのパース空港に着いたのは深夜の24時。乱気流に入ったというアナウンスが機内の食事タイムをチャラにしてしまい、クラッカーとチーズだけで腹を満たすしかなかった一行は、それでもこの先の星空に胸をときめかせ、宿泊のベースとなるパースの北へ約200kmのWaddi Farmsという牧場の中のバンガローにむかって、200キロのドライブを始めたのでした。

今回のツアーは総勢14名。九州の星旅好きが企画したプライベートなツアーです。ガイドも添乗員ももちろんなく、レンタカー3台に分乗して、西オーストラリアを巡る8日間の旅です。半分は「ガチ」の星マニア、残り半分は「元ガチ」「半ガチ」「一般人」の混成チーム。筆者のような「初オーストラリア組」もいれば、数十年来通い込んでいる大ベテランまで。

奥のオープンカーの2人組がワイルドでフリーダムな感じ。とんがった車に乗ったぶっ飛んだお方が一定数いらっしゃるのが、オージーの渋いところ。

深夜で空港の売店には食料がなく、マクドナルドで遅い夕食を仕入れ車を北に飛ばします。いきなり深夜のドライブは緊張しましたが、車の少ない直線道路の多いオーストラリアでは、日本と同じ左側通行でもあり運転そのものは楽。

しかし、周期的に襲ってくる睡魔との闘いは車の中にときおり緊張感をもたらします。一番冷静で一番状況判断力のある人が、一番恐い思いをされたようです^^;;

三脚をすぐ出せる場所に置いていなかったのは大失敗。手持ちで撮影したのでぶれまくり・・これは次回のTIPSにします^^

パースから離れると急に周囲が暗くなり、車窓からも星の煌めきが見えるようになってきました。フリーウェイ沿いのパーキングに車を停め外に出ると、そこには満天の星が。周囲に街がほとんどないオーストラリアの漆黒の空に浮かび上がる南十字星や、濃い天の川の輝きに一同歓声を上げました。「凄い」「来てよかった・・」「あれがコールサック(*)だ!」

(*)南十字星の近くにある、ひときわ暗い暗黒星雲で「石炭袋(コールサック)」の名前があります。

明るい星が金星、その下が水星。日本では高度の低い水星はなかなかお目にかかれないのですが、オーストラリアの透明な空気の中では楽勝です。

アドレナリンが眠気を半減させた後、さらに南の「ピナクルズ」と呼ばれる、奇岩塔が立ち並ぶナショナルパークへ立ち寄る頃、夜が明けてきました。地平線が紅く染まった暁の空に金星と水星が輝きます。もうみな、言葉もなくその風景を眺めていました。

無数の岩峰が林立するピナクルズ。みなさんほとんど徹夜なのですが、気分は異様にハイになっています^^

南緯30度の4月のオーストラリアでは、急ぎ足で夜が明けてきます。岩峰に囲まれた公園をめいめいに散歩しながら記念写真。

参加したある女性が、その後しみじみと語っていました。「あの時、こう思ったんです。『ああ、こんな素晴らしい日はもう生涯で最後かもしれないなあ』って。でも、次の日も、その次の日も、そんな風に感じる日が続いたんです。」

そう、この後も、最高の一日・そして「生涯最高の夜」が、毎日続いたのです。

大平原の中の牧場

日が昇ってすっかり朝になったころに目的地の「Waddi Farms」に到着。とはいっても、この看板が見えてからさらに10分以上車で走ります。もう広いのなんの。さすがオーストラリアです。

先に現地入りしていた韓国のHさんご一行の車と機材。

ここはメンバーの一部が定宿にしている場所で、牧場のなかにいくつかのコテージ棟と広いレストラン棟があり、比較的安い価格で宿泊ができます。ただし食事は自炊。管理人もいたりいなかったり。日本でいえば「野外活動センター」みたいな環境です。抜けるような青い空の下、西オーストラリアの日々が始まりました。

筆者が日本から持参した徳島名産?の「大野海苔」が大好評。味付け海苔は、焼酎だけでなく赤ワインにも合うことがわかったのは新しい発見です。

からりとした空気と青空の下で飲む赤ワインは、なぜこんなに美味しいのでしょうか。早速ミニ酒盛り。写真に写っている方はオーストラリア歴数十年の超ベテランのKさん。美味しいワインを飲むためにオーストラリアに来ているといっても過言ではないほどのワイン好きです。

夕食のバーベキュー。ラムもビーフも、ぶ厚くて柔らかくて美味しい!オーストラリアは物価は高いのですが、肉類は日本と比較するとずいぶん安く、ボリューム満点。ああ、なんという幸せ^^

天リフ編集長
天リフ編集長
「トゥダイズ ディナー イズ ワンダフル」がエブリダイでした^^

全方位的、星空体験。問答無用の美しさ

オーストラリア西海岸の北部、モンキーマイアで。真っ直ぐな道路のはるか先に街があります。インスタ映え風に仕上げた写真ですが、実際の感覚はこの写真とはずいぶん違います。

世の中には、何の前提知識がなくてもただ目にするだけで圧倒される風景があります。人工の光がほとんどない、自然のままのオーストラリアの大地の上に輝く星空は、間違いなくその一つです。

肉眼の感覚はこんな感じ。漆黒の空に無数の星がキラキラ輝いています。

何も考えなくても、何の準備もしなくても、空を見上げればそこに星があります。宇宙の中に自分が一人。

天リフ編集長
天リフ編集長
太古の人々は、毎夜こんな風に宇宙に接していたのでしょう。そして何を考えたのでしょうか。
定宿にしたWaddi Farmsで。4月の中旬では朝の3時ごろに天の川が垂直に立ち、頭上を横切ります。

天の川は、ほんとうにこの写真の通りの形に流れています。一晩空を眺め続けていると、天の川と星々はゆっくりと回転しその向きを変えてゆきますが、星々のならびはそのまま。

それは、太古の時代の人々が、星は空の上のスクリーンのようなものに張り付いていてそれが一日一回回っているのだ、と考えたこと(天動説)を、そのまま受け入れられてしまうような風景です。

でも、そんなことはまずはどうでもいいのです。目の前に星があって、それが自分の眼に映っている。確かに空からやってくる光を感じている。そのなんと美しいことか。もうそれだけで十分です。

天リフ編集長
天リフ編集長
オーストラリアの星空には、ただ眺めるだけで人を無言にさせる迫力があります。

逆立ちのオリオン・南半球という非日常(1)

Waddi Farmsで天の川アーチ。

「どんな美人でも3日で飽きる」ということわざがあります(*)が、敢えて申し上げましょう。どんな超絶な星空でも1時間見れば飽きてきます

(*)筆者には、超絶美人とそんなふうに過ごしたことがないのでこの真偽は不明ですし、この言説にはいくつかの角度で味わい深い議論があるようなのですが、それについては割愛します^^

もちろん、個人差はあります。人によっては3分で飽きるかもしれませんし、一晩飽きない「変態さん」もいるでしょう。でも、もう一度。どんな超絶な体験でも何度も繰り返すといずれ飽きます。これ、厳然たる事実です。

天リフ編集長
天リフ編集長
筆者はお星様にぞっこん惚れてしまったので、1晩くらいでは飽きません^^
日本から見るとのは逆の向きに沈んでゆくオリオン。理由は簡単、ここが南半球だからです。Waddi firmsで。

しかし、人間とは良くできたもので、飽きっぽいくせに飽きないための工夫にかけては天才的です。美人をただ眺めるだけでは3日で飽きるでしょう。でも、ただ美人を座視するだけで終わらないのが人間の性。ちょっと角度を変えて見てみる。時にはひっくり返したり、逆立ちしてみたり。話しかけてみる。あなたのことをもっと良く知りたいんですけど

笑わせてみる。からかってみる。軽くジャブ。肘鉄を浴びる。でもだんだん行動パターンが見えてきたぞ。もしかして惚れてしまった?口説いてみるか。。。

ちょっと回りくどい脱線でしたね^^ どんな美しい星空でもただ眺めているだけではすぐに飽きる、でも星空のことを少し知るだけで簡単には飽きなくなる、惚れてしまったらもう一生飽きない。それが言いたかったんです。

さかさまのオリオンとの月没。Nature Windowで。

南半球で星を見るなら、その前にまず日本の星を一度じっくり眺めてみましょう。そう、冬ならオリオン座、夏ならさそり座がおすすめです。

その「星座」の姿が南半球では全く違った姿に見えます。「オリオンが逆立ちしてる!」「さそり座が頭の真上に見える!」

な ん で だ ?!

そう、南半球だからです。地球は丸い。あなたはその丸い地球を1/5周ほどしてきたのです。思えば遠くに来たものだ。そして地球は宇宙の中に浮かんでいる。その丸い大地に立つ自分。宇宙とあなたの関係は一歩進んだのです。

シャーク湾・モンキーマイアからの北斗七星。南緯25度のこの地は、北斗七星は北の空低くぎりぎりに見えます。残念ながら雲のため6星しか見られませんでしたが、明るい流星が華を添えてくれました。
天リフ編集長
天リフ編集長
「非日常」を目一杯味わうには、日常をよく知ることも大事ですね^^

反対向きの月・南半球という非日常(2)

Waddi firmsで。左下が光る南半球の夕月。

Wade Firmから、夕焼けの中に浮かぶ細い月。あ、これ夕方です。なんか違うのがわかりますか?この違いがわかるようになると、あなたは地球のどこを旅しても、自分が地「球」の上にいることを実感できるようになります。

シャーク湾の街デナムの夕方の月。ここでも月は左下に沈んでゆきます。

北半球でも南半球でも、夕方の月は西の空にあります。でも、月が沈む方向(≒太陽のある方向)は北半球と南半球では逆。南半球では、月の明るい部分が向かって左を向いているのです。この月を見て「南半球にキターー!」と感じられるようになれば、あなたはもう星旅上級者です。

天リフ編集長
天リフ編集長
実は・・・恥ずかしながら、筆者は現地で指摘されてはじめてこの事実を実感しました^^;;;

銀河系(天の川銀河)を見る

焦点距離105mmの望遠レンズで撮影した80枚の画像をつなぎ合わせたもの。左上が大マゼラン雲、右側がいて座・さそり座の銀河中心部。Waddi Firmsで。

私たちがいる「天の川銀河」。日本からはその全貌を条件よく見渡すことができないため、天の川銀河が「渦巻き銀河」であることをなかなか実感することができません。

天球を横断する天の川。魚眼レンズで撮影。Waddi Firmsで。

しかし、西オーストラリアからは、上の画像のように天の川銀河の中心部がちょうど頭の真上を通ります。私たちが「天の川銀河」の一員であることを実感できるのです。

かみのけ座のNGC4565。渦巻き銀河を真横から見た「エッジオン銀河」の典型です。4200万光年の彼方にあるため、天体望遠鏡で拡大しないとその姿をとらえることはできません。一方で、地球から天の川銀河の中心まではたったの?2.6万光年しかありません。

広い広い宇宙の中には、「天の川銀河」のような「銀河」が無数にあります。天の川銀河はその1個にすぎません。上の画像は「円盤が渦を巻いているような形」をした銀河を真横からみたもの。なんとなく、天の川銀河の全天写真と雰囲気が似ていますよね。

国立天文台HPより。http://www.miz.nao.ac.jp/vera/content/pr/pr20120925/c04

私たちの太陽系は天の川銀河の「中」にいるので、天の川は私たちを360°とりまいています。上の図の「太陽系」から「銀河系中心」を見た状態が、まさに上の全天写真なのです。

2m離れた隣の人から、16万光年離れた大マゼラン雲まで。距離感のレンジはまさに「天文学的」。これをリアルに体験できるのが星空体験のまた別の面白さ。Waddi Firmsで。

このイメージを頭の中にもちながら、Waddi Firmsの草原に寝転がって天の川を眺めていました。上空の低層雲まで約500m、ケンタウルス座α星まで4.3光年、天の川銀河の中心まで2.6万光年、大マゼラン雲まで16万光年。そんな知識を下敷きにすると、また違った感動が湧いてきます。

天リフ編集長
天リフ編集長
「天の川銀河」の存在をイメージすれば、空の「雲」が地球の大気というほんの「薄皮」のような存在であることもまた実感できます。

太陽系を見る

オーストラリアの空では、肉眼でもだいたいこんな感じで天の川と黄道光が見えます。夜明け間際の黄道光は眩しいほど。

では、私たちの太陽系と天の川銀河はどんな関係にあるのでしょうか。上の画像を見てください。天の川銀河が天球を横断していますが、下側の地平線から天の川銀河中心に向かって舌状の光芒が伸びていますね。

この光芒は「黄道光」とよばれるもので、太陽系の軌道面に分布した無数の塵が太陽の光を反射して光っていると考えられています。地球を含む太陽系の惑星は皆、この光芒に沿った形で回転しているのです。上の画像では、光芒の中心に金星、そのすぐ下に水星が見えています。

「 MK1のBLOG」より引用。https://blog.goo.ne.jp/mk1_1978/e/fd79b2aa201ae8d3d6d6c994e004658a

不思議なのは、この太陽系の軌道面と、天の川銀河の回転平面が約60°ほど、大きく傾いていること。これがなぜなのかはいろいろな説があるらしく、はっきりしたことはわかっていないようですが、銀河同士の衝突の際の名残ではないかとの説もあるようです。

それはともかくとして、薄明の始まった空に浮かぶ天の川銀河と黄道光の雄大なクロスを眺めていると、地球・太陽系・天の川銀河という、まったくスケールの違う3つの存在が、知覚として強烈に認識できます。ああ、宇宙の中に自分がいる。そんな実感ができるのです。

夜明け前。東の空が赤く染まってきました。金星は黄道光の中で眩しく輝いています。

 

天リフ編集長
天リフ編集長
そんな宇宙の余韻を残しながら、徹夜明けのぼんやりした頭を抱えて、Wadii Firmsの夜は明けていくのでした。

46億歳の地球・シャーク湾で

ゴツゴツした岩のようなものがストロマトライト。表面に層状にシアノバクテリアなどの微生物が棲息していて、珊瑚のように岩石質を生成しながら成長していきます。シャーク湾で。

オーストラリアは、太古の地球の面影が強く残った大陸です。44億年前という地球誕生間もない頃の地殻が発見されたのも西オーストラリア。

そして上の画像がストロマトライト。ストロマトライトは、数十億年もの昔の先カンブリア紀の太古の地球で、大繁殖することで地球を酸素の星に変えた、シアノバクテリアによって形成された光合成を行う岩石(のようなもの)。地球上で現存しているのは、この西オーストラリアのシャーク湾などのほんの一部に過ぎません。

天リフ編集長
天リフ編集長
シアノバクテリア以前の地球は、酸素のほとんどない星でした。もちろん草木もなく、岩石の風化もありません。今の月のような岩だらけの星だったのでしょうか。

シャーク湾には「シェルビーチ」と呼ばれる、無数の白い貝殻が堆積した海岸があります。上の画像はその貝殻を固めて作った建材。この付近の多くの建物で見られました。

ジャンプ力を誇示する?福岡の天体望遠鏡ショップ「天文ハウスTOMITA」の面々。

シェルビーチで「若さを解き放つ」遠征メンバー^^ 白い浜は全部「シェル(小さな2枚外の貝殻)」が堆積したものです。

シャーク湾はWaddi Firmsからさらに500km近く北上する必要がありますが、ぜひ行ってみたいエリアです。もちろん星空も極上です。

天リフ編集長
天リフ編集長
宇宙146億年、地球46億年の歴史。気の遠くなるスケールですが、それらを全部実感できるのが西オーストラリアのすごいところ。

南の大陸とカートレイン

雄大な西オーストラリアですが、あまりに雄大すぎて、風景は基本的にどこに行ってもほとんど同じです。こんな感じの赤土にブッシュが茂る平原が延々と、ほんとうに延々と続きます。

天リフ編集長
天リフ編集長
でも、それこそが西オーストラリア。

真っ直ぐな道が延々と続くハイウェイでは、上の画像のような「カートレイン」が主役。文字通り、道路を走る貨物列車。

オーストラリアのハイウェイはほとんどが片側一車線なので、長いカートレインを追い抜くときはけっこう緊張します。ほとんど直線の道路とはいえ、起伏はそれなりにあるので見晴らしが通らない場所も多く、安全運転を心がけるのが吉(*)。

(*)今回のツアーでも「終わった・・」と思う瞬間があったとか、なかったとか^^;;

制限速度が下がると街はもうすぐ。

ハイウェイの制限速度は最大時速110kmの設定が多いようです。市街地に近づくと順次制限速度が下がっていき、街中やスクールゾーンでは40km程度まで下がります。速度超過の取り締まりは厳しく、10kmオーバーでも切符を切られるそうですので、こちらも安全運転が吉。

隔絶された大陸の動物たち

オーストラリアは海に囲まれた大陸。他の大陸は氷河期時代は皆つながっていたのですが、オーストラリアだけは隔絶された環境にありました。そのため「オーストラリアだけ」の生物がたくさんいます。

エミュはニワトリやダチョウと同じく「飛べない鳥」です。いろんな場所でのそのそ歩いています。

ワラビーはもう至るところにいます。ハイウェイを走っていても突然飛び出してくる恐い奴です。小型のワラビーなら衝突しても大事には至りませんが。道路脇にはところどころにワラビーがお亡くなりになった形で横たわっています。

天リフ編集長
天リフ編集長
ワラビー・・・ごめんなさい・・・合掌(–)
シャーク湾・モンキーマイアで

ペリカン。人間を怖がらず、すぐ近くまで寄っていけます。

シャーク湾・モンキーマイアで

イルカ。野生ですが、キレイに並んで編隊遊泳中。モンキーマイアの海岸では、毎朝解説員付きのイルカウォッチングをやっています。

異国の文化

ジェラルトンの聖フランシス・ザビエル大聖堂。抜けるような青空、からっと晴れた日の西オーストラリアは、カリフォルニアのような気候でした。

オーストラリアではタバコは日本以上にプレッシャーがかけられています。箱はみなこんな感じの警告文と画像で埋まっています。値段も日本の4倍ほどもします。スーパーで買うことができるのですが、スチールのロッカー内に隔離されていて、レジで申告しないと買うことができません。

Waddiからは50kmほど離れたムーラ(Moora)で主に買い出しをしました。大抵のものは揃います。支払はカードOK。

オーストラリアの物価は日本と比較して高いですが、肉類は比較的安価です。ハム・ソーセージ類は種類も豊富。

出前一丁も売っていました。でもかなりお高いブランド品です。5オーストラリアドル。国産品?は2ドルから3ドルほど。

天リフ編集長
天リフ編集長
オーストラリアでは、固有の動植物の保護や環境維持のため、食物・植物・木材などの持込が厳しく制限されています。旅行前には持込禁止品・要申告品をしっかりチェックしておきましょう。

そのほか

飛行機はシンガポール航空でした。この画像はシート前の液晶モニタに表示されたwelcome画面です。驚いたことに、アテンダントのおねえさんは皆、この画像のとおりの美人&巨○揃いです。

リゾートの喫茶店で朝食。10ドル〜20ドルで、ハンバーガー・オープンサンドなど多種多様なメニューがありました。日本のドトールなどと比べると高いのですが、ボリュームを考慮するといい勝負かも。味も筆者の好みにストライクで大満足。
天リフ編集長
天リフ編集長
でも調子に乗ると確実に太ります^^;

エピローグ・すばらしき星旅

パース空港着陸直前。逆立ちしたオリオンが西の空に沈んでゆきます。まさに「ジェット・ストリーム」。

いかがでしたか?

濃く熱い、感動の8日間でした。どんなに遠くに旅をしても、結局はお釈迦様の手のひらの中にいる自分を感じることはありませんか?でも、その「大きなお釈迦様の手のひら」こそが、私たちを取り巻く宇宙なのです。

旅の中で星空を感じることで、あなたにとっての「お釈迦様の手のひらと、その中の自分」を再発見できることでしょう。そんな体験は、あなたにとってかけがえのないものとなるでしょう。

星空紀行で体験した、
リアルな星空のまたたきは、
時間が経つにつれ、
あなたの心の中にまたたきます。

お送りしておりますこの星空が、
美しくあなたの夢に
溶け込んでいきますように。

hommage:ジェットストリーム

天リフ編集長
天リフ編集長
天文リフレクションズがお送りした星空の定期便、
「星旅リフレクションズ」
星空紀行の
お供をいたしましたナビゲーターは
わたくし、天リフ編集長でした。

ジェット ストリーム!!