津村光則さんの作品。急激な増光を見せたパンスターズ彗星2017S3です。眼視での目測では、7.3等級だったそうです。

下は昨年10月、発見直後のツイート。当時は「金星並みに明るくなる」という情報もあったのですが、最近では最大3等くらいとの評価のようです。近日点通過は8月15日。これからどんどん観測条件は悪くなりますが、この作品のような真っ直ぐ伸びたイオンテイルや今後起きるかもしれないアウトバーストがどうなるかが楽しみですね。

吉田誠一のホームページ・パンスターズ彗星C/2017 S3 ( PanSTARRS )
http://www.aerith.net/comet/catalog/2017S3/2017S3-j.html

C/2017S3が見つかったのは昨年の9月、発見時の光度はわずか21.5等。昔は彗星はある程度明るくなるまで発見されることが少なかったのですが、今ではかなり前に発見され詳しい軌道が確定するようになりました。

ただし、彗星の明るさだけは水物。今後どれくらい明るくなるか楽しみです。

今さら聞けない「パンスターズ」

「パンスターズ(PanSTARRS)彗星」という名前はよく耳にしますね。「パンスターズ」って何なの?誰なの?という疑問にお答えしておきましょう。

Wikipedia パンスターズ PanSTARRS
https://ja.wikipedia.org/wiki/パンスターズ

パンスターズとは、Panoramic Survey Telescope And Rapid Response Systemの略で、乱暴にいうと、力技を駆使してひたすら全天をサーベイしまくるというシステム。ハワイのマウイ島に置かれた最終的には4台の望遠鏡(2台目が2017/10に稼働開始)に8×8、14億画素のセンサーアレイを取り付け視野の広さは約3度。1コマを30〜60秒で撮影し、一ヶ月で全天を4回ほど掃天することになるそうです。

初観測は2007年。以来、来る夜も来る夜も夜空を撮り続け、さまざまな天文学的成果をあげています。特に、微少な小惑星・彗星などの太陽系内の天体を多数発見していて、近年では発見される新彗星の過半数がパンスターズによるもの。今や「彗星の半分はパンスターズ彗星」なのです。

なので、単に「パンスターズ彗星」と呼んだだけではそのパンスターズなのか区別がつきません。そのため「符号」というものが付けられます。今回のパンスターズ彗星は正式には「C/2017S3」となります。これはC=彗星、2017=彗星の発見年、S=9月下旬の発見、1=その期間の3番目、という意味です。

彗星の符号
http://www.starclick.ne.jp/backnumber/2000Sum/comet/name.html

 

https://reflexions.jp/tenref/gallery/wp-content/uploads/sites/3/2018/07/37343213_857203157799069_6160477093953011712_o-1024x698.jpghttps://reflexions.jp/tenref/gallery/wp-content/uploads/sites/3/2018/07/37343213_857203157799069_6160477093953011712_o-150x150.jpg編集部太陽系彗星津村光則さんの作品。急激な増光を見せたパンスターズ彗星2017S3です。眼視での目測では、7.3等級だったそうです。 下は昨年10月、発見直後のツイート。当時は「金星並みに明るくなる」という情報もあったのですが、最近では最大3等くらいとの評価のようです。近日点通過は8月15日。これからどんどん観測条件は悪くなりますが、この作品のような真っ直ぐ伸びたイオンテイルや今後起きるかもしれないアウトバーストがどうなるかが楽しみですね。 https://twitter.com/tenmonreflexion/status/914316193372053504 吉田誠一のホームページ・パンスターズ彗星C/2017 S3 ( PanSTARRS ) http://www.aerith.net/comet/catalog/2017S3/2017S3-j.html C/2017S3が見つかったのは昨年の9月、発見時の光度はわずか21.5等。昔は彗星はある程度明るくなるまで発見されることが少なかったのですが、今ではかなり前に発見され詳しい軌道が確定するようになりました。 ただし、彗星の明るさだけは水物。今後どれくらい明るくなるか楽しみです。 今さら聞けない「パンスターズ」 「パンスターズ(PanSTARRS)彗星」という名前はよく耳にしますね。「パンスターズ」って何なの?誰なの?という疑問にお答えしておきましょう。 Wikipedia パンスターズ PanSTARRS https://ja.wikipedia.org/wiki/パンスターズ パンスターズとは、Panoramic Survey Telescope And Rapid Response Systemの略で、乱暴にいうと、力技を駆使してひたすら全天をサーベイしまくるというシステム。ハワイのマウイ島に置かれた最終的には4台の望遠鏡(2台目が2017/10に稼働開始)に8×8、14億画素のセンサーアレイを取り付け視野の広さは約3度。1コマを30〜60秒で撮影し、一ヶ月で全天を4回ほど掃天することになるそうです。 初観測は2007年。以来、来る夜も来る夜も夜空を撮り続け、さまざまな天文学的成果をあげています。特に、微少な小惑星・彗星などの太陽系内の天体を多数発見していて、近年では発見される新彗星の過半数がパンスターズによるもの。今や「彗星の半分はパンスターズ彗星」なのです。 なので、単に「パンスターズ彗星」と呼んだだけではそのパンスターズなのか区別がつきません。そのため「符号」というものが付けられます。今回のパンスターズ彗星は正式には「C/2017S3」となります。これはC=彗星、2017=彗星の発見年、S=9月下旬の発見、1=その期間の3番目、という意味です。 彗星の符号 http://www.starclick.ne.jp/backnumber/2000Sum/comet/name.html  読者の傑作画像をピックアップ