α7Sで赤外線写真にトライ

デジタルカメラのCMOSセンサーは、
人間の眼が光を感じない波長300nm〜400nm程度の近紫外線や、
波長700nm〜1000nmの近赤外線にも感度があります。

このため、そのままでは人間の感覚と違ってしまうので、
そういった光線をカットするフィルターがセンサーの前に付いています。

今回、α7Sをフィルターレス改造したので、
これまでカットされていた赤外線にも感度が出るようになりました。
折角の機会なので赤外線写真にもトライしてみることにしました。

ちなみに、広い意味での赤外線は、波長700nm〜1mmまでの電磁波で、
デジカメで感度がある赤外線はその短波長側のほんの一部(700nm〜1000nm)です。
(ちなみに1000nm=1μm、1000μm=1mm。μmの通称は「ミクロン」)

暗闇で人体が発する熱線(赤外線)の波長は10μm前後で、
デジカメの感光域よりももっと長い波長です。



赤外線撮影用のフィルターは、富士フイルムから出ているゼラチンフィルターが一番手軽です。
カットする波長によって種類がとても沢山あります(20nm刻みで10種類以上)

ネットによると、デジカメでの赤外撮影では、IR76(波長760nmより短波長光をカット)あたりが一般的らしいです。
今回はアマゾンの在庫がそのあたり少なかったので、ややdeepなIR86を注文しました。
IR86ともなると、人間の眼では完全に真っ黒にしか見えません。

これをハサミで丸く切り取って、48mmのUVフィルターの枠に、
両面テープで貼り付けました。

EFレンズだと絞りが簡単に調節できないので、
MF・手動絞りのDistagon28mmF2.8をチョイス。
アダプタは光映舎のネジ止め式アダプタで、この中に48mmフィルターを入れています。
α7S DistagonT*28mmF2.8 ISO100 1/10秒 IR86
赤外線でのファーストショット。
今年の夏の貴重な福岡市の青空です。
(余談ですがこの日が今夏シーズンの唯一の晴れでした・・)
おーすげー。木の葉が真っ白、空が暗い!
感度的には、一般撮影とくらべて4-5EV程度+にする必要がありました。
後でSC72フィルターでも試してみましたが、
IR86と比べてこちらは+2EV程度感度があるようでした。
昼間の撮影なら、IR86でも感度不足を感じることはないでしょう。
高感度に強いα7Sだし。
赤外フィルターを装着すると、当然液晶モニターには普通の色は出ません。
完全な赤になるのかと思っていたのですが、
ヒストグラムを見ると青や緑の光も来ているようです。なんでかな?
センサーの色フィルターが赤外も透過しているのか、
ベイヤーを補間する際にそうなるのかは不明です。
α7S DistagonT*28mmF2.8 ISO800 1/6秒 IR86
ベランダから夕景をとってみました。フレアっぽい写りです。
それと、何だか丸い形のものが映り込んでいるようにも見えますが??
レンズのコーティングやカメラ内部の黒塗りは、赤外だと相性が悪いのでしょうか?
そこで、赤外でレンズを写してみると・・
ビンゴ!
distagonの裏面の黒塗りは、赤外線だと黒くなっていないことが判明しました。
左がDIstagon28mm、右はタカハシの直焦点アダプタです。
タカハシはしっかり黒いのにDistagonは明るいグレー。
そのほかの手持ちのレンズも調べてみました。
左上はDistagon21mm、右上がDistagon28mm、下がEF24mmF1.4。
ヤシコンのレンズを止めるリングの黒塗りは赤外には弱いようです。
そのほか、コシナツアイスも同じ傾向でした。
キヤノンをはじめと、植毛紙系は赤外でもOKでした。
Distagon28用のCONTAXメタルフードをIR86で撮影。
旧ヤシコンの黒塗装はこのとおり、赤外ではシルバーと化してしまいます。
黒塗装の問題はともかく、赤外撮影ではどのレンズを使用しても、軒並み画像はフレアっぽくなってしまいます。
たぶん、レンズの反射防止コーティングが赤外向けには最適化されていないからでしょう。
とすると、赤外撮影では、最新のレンズ枚数がやたら多い高性能レンズよりは、昔ながらのレンズ枚数の少ないMFレンズの方が相性がよい可能性が高いと推測できます。
EF50mmF1.8を処分しなけりゃよかった・・・Distagonに植毛紙貼ろうかな・・・
カメヲタ趣味は続くのでありました。

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