導入以来三ヶ月。悪天候が続き、全くといっていいほど出番のなかったFSQ106EDだが、ようやく出番。

満月前の月がある中だったので、1級レベルの光害地である自宅ベランダからHαナローバンド7nmで撮影。
Hαとは水素が出す656nmの深赤色の光で、銀河の中の散光星雲と呼ばれる天体の多くは、このHαの光を強く出している。
ナローバンド7nmとは、その光の波長の前後、7nm×2=14nmの幅の光のみを通し、他はカットするという意味。
人間の光は400nm〜700nmまでに感度があるので、14/(700-400)≒1/21.4、全体の光量は20分の1になる。一方、Hαの光はほぼそのままなので、Hαの光を20倍程度増幅して捉えることができることになる。
また、大気による光の吸収・散乱は波長が長いほど少ない、街灯りには波長の長い光が少ないの理由で、市街地でも淡い散光星雲をとらえることができる。
撮影に使用したバーダー製7nmHα干渉フィルター。光映舎のマウントアダプタにねじ込んだところ。
クリアランスが足りずマウントアダプタと干渉してしまったため、ヤスリで少し削っている。
バーダーのフィルター枠は厚めではあるものの、本来の仕様通りなら干渉せず使えるはず。しかし、このフィルター個体ではフィルターのオスネジ部の工作精度が悪く、マウントアダプタに完全にねじ込むことができず、干渉してしまった。
(2016/2/15追記)
バーダーのフィルター枠はどれも完全にねじ込めないようです。
48mmと2インチのフィルターでは微妙にネジピッチが違うのでしょうか。
枠の肉厚は薄手だったので削るのはIDASのものより楽だったのが救い。
α7S FSQ106ED直焦点 ISO8000 30秒
バーダー製Hα7nmフィルター SXPでノータッチガイド

毎度、前置きが長くなったが、M42撮って出し1枚もの画像。トリミングも画像処理はなんにもなし。カメラ内ダークノイズ低減使用。
さすがナローバンド、けっこういけるね。
トーンカーブ。ISO8000の30秒露出だが、これならもう4倍くらいは露出してもいけそう。
現状オートガイド未導入でノータッチなので、2分露出に耐えられるかどうか。次回の確認事項。
α7S FSQ106ED直焦点 ISO8000 30秒
バーダー製Hα7nmフィルター SXPでノータッチガイド

こちらは馬首星雲付近。同じく画像処理なし。
さすがに淡い・・・
心配していたフィルターによる輝星ゴーストもどうやら問題ない様子。
ナローバンドでうまくピント合わせができるか心配だったが、バーティノフマスクで問題なくできた。
一等星アルデバラン、ISO64000、5秒露出の等倍画像。
さすがはα7S、ライブビューのモニタではさすがに無理だが、ISOを上げれば5秒露出で十分確認できる。
さて、今回は30秒露出の画像を20枚程度撮れたので、後はダーク補正、フラット補正、スタックと画像処理である。
最近仕事が強烈に忙しくなかなか時間が取れないのでペンディング中・・・またそのうちに。

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